概要
「烈火浇愁（烈火澆愁）」は中国の小説家・Priestによる伝奇ファンタジーBL小説で、晋江文学城にて連載されていた。
2018年12月から2019年8月にかけて連載され、2020年5月に全面的な改訂がなされた。全話145章で本編137章と番外8章からなる。
ラジオドラマ、アニメ、漫画が配信されている。
あらすじ
「一体誰が朕の安眠を妨げているのだ？」
啓正二十一年、妖族の王を倒し人族の世を確立した偉大なる武帝は、後継の太子に後を任せると赤淵の火の海へ身を投げた。
それから三千年後の現代、赤淵の灰の上は広大な原生林となり、観光地区となっていた。
超常現象が関与する事件を処理する組織・異控局に就職した宣璣は、赤淵地区で樹木の突然変異が起きた事件に出動することになった。宣璣は事件現場で「盛霊淵」と名乗る謎の男と出会う。棺桶から無理矢理起こされたと言う盛霊淵と対峙し、宣璣はその正体を知る――“人魔”。
特殊能力者と超常現象をめぐる事件を解き明かす中で、盛霊淵と宣璣の三千年の因果が明らかになっていく。
主役カップリング
宣玑×盛灵渊
「こちらへ来い、小妖。朕の入浴を手伝ってくれ」
「陛下、新しい社会の価値観の洗礼を受けてください。手もあって足もあるいい大人が、食べたり飲んだり日常の些細なことを他の人に手伝ってもらうのは恥ずかしくないんですか？」
登場人物
- 盛灵渊（盛霊淵、ション・リンユエン）
斉の武帝・盛潇。少年時代は亡命生活を送っていたが、23歳の時に妖王を倒して年号を啓正とし、国を回復させた。
不吉な生まれで、母と師を殺して忠臣を傷つけた冷酷非道な人物と言われている。
三千年の時を経て、天災に匹敵する強大な力を持つ人魔として現代に蘇った。
宣璣のことを「小妖」と呼ぶ。
- 宣玑（宣璣、シュエン・ジー）
失業しクレジットカードの返済に追われていた時に、友人である肖征の紹介により異控局に就職した。
出勤初日に善后科主任に抜擢された。
炎と金属を自在に操り、重剣で戦う。また、『千妖図鑑』という能力で見た物の名前を知ることができる。
盛霊淵の強大な力に慄きながらも、なぜか暖かな匂いを感じ取る。
異控局
宣璣らが所属する機関。特殊能力者が集まり、超常現象の調査・処理を行っている。
- 肖征（シャオ・ジョン）
宣璣の友人。数年前の事件をきっかけに宣璣の特殊能力を知り、異控局への就職を斡旋した。
家柄の良いエリートで、現・異控局総調度長。以前は三大特殊エリート部隊の一つである雷霆の責任者だった。
戦闘部隊にもあまりいない雷火系の特殊能力を持つ。
- 黄局（フアン局長）
新任の異控局局長。特殊能力者ではないが、毅然と組織を率いる。
- 王博士（ワン博士）
古籍修復課の課長。異控局の生き字引と呼ばれる老人。
善后科
異控局の後方支援業務を行う課。宣璣が主任を務める。
- 毕春生（畢春生、ビー・チュンション）
家族思いの中年女性。暗示や洗脳を行う精神系の特殊能力者。
- 平倩如（ピン・チェンルー）
内向的な性格でお菓子を食べるのが好きな女の子。善后科の機械類を扱う担当。
- 罗翠翠（羅翠翠、ルオ・ツイツイ）
バーコード頭の男性。植物系の特殊能力があり、体の一部が植物になる。
- 小李（シャオリー）
実習生として働いている青年。
- 杨潮（楊潮、ヤン・チャオ）
新人の青年。他人の強い感情を感じ取ることができる精神系の特殊能力者。
風神
異控局の三大特殊エリート部隊の一つで、機動性を誇るチーム。
- 张昭（張昭、ジャン・ジャオ）
風神第一支隊の青年。時間を止める特殊能力を持つ。
- 谷月汐（グー・ユエシー）
風神第二支隊隊長の女性。透視眼という特殊能力を持つ。
- 王泽（王澤、ワン・ゾー）
風神の総責任者。水系の特殊能力者。
- 燕秋山（イェン・チューシャン）
前任の風神の総責任者。金属系の特殊能力者。
現在は行方不明となっている。
- 知春（ジーチュン）
燕秋山の刀『知春』の刀霊。
ある事件で毒に浸食されて暴走するようになり、破棄の処分となった。
巫人族
呪術に優れた一族で、三千年前に滅んだ。東川に集落を作っていた。
- 阿洛津（アロジン）
巫人族最後の首領の少年。
少年時代の盛霊淵が巫人族の集落に亡命していた頃に知り合った。
蓬莱会議
民間特能人の自治組織の集まり。
- 玉婆婆
蓬莱会議の主催者。東北一帯に隠遁している。
誰もフルネームを知らないほど昔から生きていて、300歳以上とも言われている。
- 月徳公
東川一帯を支配している。
清朝末期に生まれ、権力欲が旺盛な老人。
用語集
- 异控局（異控局）
国家異常現象与特殊物種管理防控総局の略。
超常現象が関わる事件を監視、処理し、社会秩序を維持する国家組織。
特殊能力者（特能人）と超常現象に関わったことがある一般人だけが組織に入ることができる。
- 特能人
人口の約20万分の1が「特殊能力者」であり、略して「特能人」と呼ばれている。
人族と妖族の間に生まれた半妖人の末裔だという伝説があるが、能力は個人によって多種多様であり、なぜこのような能力を持つに至ったかは解明されていない。
多くの特技者は特別な訓練を受けなければ一般人と大差がなく、日常生活にほとんど役に立たないような能力に過ぎない場合が多い。
- 清平司
言い伝えによると、武帝が天下を平定したあと半妖人を収めるために設置した機関で、異控局の前身だと言われている。
- 千妖图鉴（千妖図鑑）
宣璣の視界に常に見えている図鑑で、見ているものが何かを教えてくれる。
出所不明、作者不詳で、その解説は役に立たないことも多い。
- 阴沉祭（陰沈祭）
禁術である『祭』の一種で、千人の生贄を捧げて魔物を召喚する。
- 镜花水月蝶（鏡花水月蝶）
蝶の卵を誤飲した人間の体内で孵化・繁殖・寄生し、精神を乗っ取る危険種生物。
原作小説、メディアミックス
小説
- 晋江文学城
- 簡体字版書籍（廣東旅遊出版社）※2023年1月現在2巻まで発売中
- 韓国語版電子書籍（連載版）
- 韓国語版電子書籍（単行本版）（서설）
ラジオドラマ
猫耳FMにて第一季まで配信。第一季
アニメ
bilibiliで配信。1期全12話。bilibili作品ページ
漫画
bilibili漫画で連載中。bilibili漫画作品ページ
