概要
フェニックスとは脚本家・高橋二三氏の著作である小説「ガメラVS不死鳥(フェニックス)」に登場する怪獣である。
一応、世界観は昭和ガメラのそれで、ガメラはバルゴンからジグラまでの怪獣と戦った事が認知されている。
その後、行方不明になっていたガメラは、新発見されたナスカの地上絵の下から復活し、各国の工場を襲撃。その最中、人類の環境破壊が原因で発生したオゾンホールから、凝縮された太陽光線が新小岩に放たれる。その光線を受けて、穴が開いた新小岩のマグマ層からフェニックスが出現した。
全長50m、全身が緋色に近い赤一色で、頭部は目や鼻などは無く、くちばしだけがやや長い。その全身を構成しているのは高熱のマグマそのものであり、頭部からマグマの雫を垂らしつつ飛行する(雫が落ちたところは、当然被害を受ける)。
騒動
出現してから、フェニックスはダイナマイト輸送車やタンカーなどに体当たりして大爆発を起こしていた。また、東京タワーに自分の身体を突き刺したものの、タワーの方が熔解してしまった。人間側は、これらの行動を「フェニックスからの攻撃」と見なす。
更に劇中では、「フェニックスは地球内部に閉じ込められた存在で、それが復活した時に退治するのがガメラ」と思われていた。
人間側は反撃するが、効果は無し。
ガメラ自身もフェニックスと相対するも、もとよりその身体は高熱のマグマのために火炎噴射は効かず、ガメラが運んできた巨大な氷山をぶつけても溶けてしまった。
ガメラは回転ジェットで回転しつつ体当たり、甲羅を逆立てて丸鋸のようにフェニックスの身体を切断するが、それも効果は無く元に戻ってしまう。
海に落としても火は消えず、海水が沸騰するのみでこれまた効果なし……と、何をしてもフェニックスを倒す事は出来なかった。
最期には、出現した新小岩のマグマ層の穴へとガメラに連れてこられ、その穴の中へと押し込められ、戻された事で、騒動は収束。
そして、ガメラ自身は元々の原因となったオゾンホールに己の身体をはめ込んで、そのまま空中に永久にとどまる事になった。
劇中ではこれらを見て、ある人物は、
「フェニックスは死ねない可哀そうな怪獣。故に、死を望んでいた」
「ダイナマイトやタンカーに体当たりしたのも、東京タワーに自分を突き刺したのも、自殺を試みたため」
「ガメラはそれを理解し、なんとか殺そうとしたができなかった」
「そのためガメラは、フェニックスを元のマグマ層に戻し、この事件を起こしたそもそもの原因であるオゾン層の穴を自分の身体でふさいだ」
「フェニックスは、身勝手な人間の環境破壊が生み出したもの」
「ガメラもまた、身勝手な人間が開けたオゾンホールをその身体でふさいだため、二度と地上に戻れない。可哀そうなガメラ」
……と、解釈していた。