平凡な人生を歩んだサラリーマン田中。
彼は41才という短い人生を終えた……はずだった。
だが気がつけば、彼が立っていたのは『中世ヨーロッパ風』の世界だった。
中世とは暖炉も無く、食事は手づかみ、挙句の果てには都市で豚を放し飼い……豚は何を食べてるのかって? ウンコですよ。
田中はこの厳しい世界で、「バリアン・ド・リオンクール」として第二の人生を歩む。
平凡なサラリーマンは生き残れるのか?
概要
「リオンクール戦記」とは「小説家になろう」で小倉ひろあき氏により投稿されているウェブ小説作品。全166部で完結済み。
旧題は「田中タダシ(41)建国記 『中世ヨーロッパ風なんてキツすぎる!』」。
ツギクルブックスより書籍化、バンブー・コミックスよりコミカライズされている。
異世界に転生した主人公が立身出世し、やがて王となるストーリー。
史実の中世時代のヨーロッパに近い文明・文化を持つ世界が舞台となっており、時代考証がしっかりと行われているのが最大の特徴で、「剣と魔法の中世ヨーロッパ風異世界」とは一線を画する。
為政者の治世や、当時の価値観、戦争前後の準備や戦後処理なども事細かに描写しており、敵対者の処刑や敵地での略奪や虐殺、強姦など戦争の負の部分も前面に押し出した、泥臭く重厚な架空戦記作品である。
登場人物
- バリアン・ド・リオンクール
本作の主人公。伯爵家リオンクール家の次男。父ルドルフ、母シュリエンヌのもとに生まれ、5歳年上の兄ロベールがいる。7歳のときに前世の「田中正」の記憶を思い出し、同時にそれまでの記憶を失ってしまった。
幼少期は前世の記憶に引きずられ大人しく温厚な性格であったが、戦乱の世で生きていくうちに様々な出来事に触れ、また身体も成長していくのに合わせ残忍で狡猾、そして非常に好色な本性が現れ始め、戦場で巨大なメイスを持って暴れ回る、悪魔のような猛将となる。
家族を始めとして身の回りの人間に対しては非常に親愛を寄せており、リオンクール領を豊かにすること、そこに住まう人々を幸せにすることが自身の使命だと考えている。
- 田中 正(たなか ただし)
主人公の前世。日本人で妻と二人の子供を持つサラリーマン。
幸せな家庭を築いたが、41歳で胃がんを患い、早逝している。
リオンクール領
山脈に囲まれた盆地に存在する。それ故交通は不便であり、交易路の遮断が死活問題に直結する。リオンクール人は排他的ながら武勇を好む気質を持つ。
- ルドルフ・ド・リオンクール
バリアンの父。偉丈夫な豪傑で「鷹」の異名を持つ。
荒くれ者の多い家臣を纏め上げるカリスマと実力を備えた人物。
- アルベール・ド・グロート
バリアンの教育係を務める執事。
リオンクールの地で反乱鎮圧を指揮し続けた、残忍で獰猛な実力者。
騎士として、名誉よりも勝利すること・生き残ることが重要だと説き、バリアンの価値観を大きく変化させる。
- ロロ
奴隷の少年。バリアンの学友。身分を超え、生涯にわたり彼を支える親友。
- ジャン・ド・グロート
アルベールの孫。バリアンの学友。弓の達人で戦術眼に優れている。
関連タグ
アレクサンドロス大王 ・・・ 当時革新的な用兵により大帝国を築いた王。もっともバリアンは彼ほどの野心はなく、地の果てまで行進することはなかった。
Skyrim ・・・ 立地や民族性などに共通点が多い。