佐野真一郎
さのしんいちろう
プロフィール
性別 | 男性 |
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誕生日 | 1980年8月1日 |
身長 | 182cm |
体重 | 69kg |
血液型 | O型 |
愛機 | |
所属 | 黒龍(ブラックドラゴン) |
CV | 松風雅也 |
イメージカラー | 🟤ゴールド |
概要
和久井健原作の漫画『東京卍リベンジャーズ』の登場人物。佐野万次郎(マイキー)の10歳上の実兄。作中では故人。享年23歳。
自分より強い者にも平気で挑む無鉄砲で、喧嘩にも女にも弱かったものの、いざという時には頼りになる存在だったらしく、高いカリスマ性で多くの不良達の心を惹きつけていた。
「黒龍(ブラックドラゴン)」の初代総長(創設者)であり、東京中の不良を率いて日本一のチームに導いた。真一郎の率いた初代「黒龍」は不良界の伝説となって今なお語り継がれている。
両親は病死していたため、歳の離れたマイキーと妹のエマの親代わりとなっていた。幼いマイキーに多大な影響を与え、彼が不良の時代を創ると決意するきっかけになった存在といえる。
黒川イザナのことも気に掛けており、少年院に送致された彼とも文通をしていた。そのため、彼からもその存在を特別視されている。
不良引退後はバイクショップを経営していたが、窃盗目的で入ってきた場地圭介を偶然目撃し、気が動転した羽宮一虎の手により撲殺されてしまう。憧れの存在である兄を失ったことは、マイキーの心に深い傷を残す出来事となった。
主人公のタケミチとは一切面識がないものの、どんなに弱くても強い者に挑んでいく姿が真一郎の面影に重なることがしばしば描写されている。
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ネタバレ
※この先268話以降のネタバレあり
万次郎「その男は俺を救う為に」
「時を遡った」
実は彼こそが以前から本編でも存在が仄めかされていたもう一人のタイムリーパーである。
同時に、本編開始時点の世界線が佐野真一郎による改変後の世界線であった事も明かされた。
黒龍解散後のある日、佐野家の墓前には万次郎やエマを立派に育てていくと亡き両親に誓う真一郎の姿があった。
帰路で通りがかった玩具屋のウィンドウに、コンコルドのプラモデルが飾られているのを見た真一郎は、万次郎が喜ぶだろうとそれを買い与える。
しかし一か月後、真一郎は祖父・万作の知らせを受けて駆けつけた病院で、植物状態になった万次郎を目の当たりにする。集中治療室の前には佐野家に遊びに来ていた場地と、武臣、千壽、春千夜の明司兄弟の姿もあった。原因はプラモデルで遊んでいた万次郎が階段から足を滑らせ頭を強く打ち、大脳の機能が壊れてしまったことによるものだった。真一郎は、自分がプラモデルを与えなければと激しく自分を責めた。
佐野家の生活は一変。真一郎はバイク屋の夢を諦め、弟がいつか元気になると信じて付きっきりで万次郎を介護し、万次郎の居る病院で働き始める。その傍らで介護の資格を取る勉強にも励み、心身共に疲弊しきっていた。
万作は孫の一件による心労からか間もなく病死し、エマも真一郎が万次郎中心の生活を送るのに嫌気が差したのか、佐野家から家出してしまったことが後に場地の口から語られる。
しかし真一郎の願いも虚しく、万次郎は死亡。家族を全員失い、最愛の弟すら救えなかった真一郎は絶望に狂乱する。失意の底に居た彼を見かねた若狭が連れていったクラブで、同じ場に居合わせたチンピラ達のとある与太話が真一郎の運命を大きく変える。
それは 『自分は時を遡れる』と語る浮浪者の男が居るというものだった…。
真一郎はこれまであらゆる手を尽くし、万次郎を元の元気な姿に戻そうとして来た。怪しい民間療法にも、カルト染みた新興宗教にも縋って来た。それほどまでに真一郎の精神は擦り減り、弱り切っていた。
故に時間を戻せるという到底信じ難い話に乗るのも無理からぬ事だった。
チンピラ達を脅して聞き出した男の居所へ向かい、真一郎は時を戻れる力を寄越せと詰め寄る。しかし男は真一郎の『弟を救いたい』という理由を一笑に付し、立ち去ろうとする。自分の人生を擲った願いを愚弄された真一郎は激昂し、男をその場にあった鉄パイプで撲殺してしまう。男は力を持つ者から力を得るには、当人から譲られる以外に、殺して奪い取る事も出来ると言った。自分もそうして前の能力者から力を得たと。しかしそうした邪な方法で力を得た者には相応の代償が生まれる。呪われろと…。
藁にも縋るような気持ちで過去へ戻れと念じる真一郎だったが、結局何も起こらなかった。残ったのは人殺しの罪だけ。完全に心が折れ、生きる気力を無くした真一郎は翌朝の大雨の中、濁流と化した川への投身自殺を図る。
心配して探しに来た春千夜が止める間も無く、荒れ狂う川へ身を躍らせる真一郎。やっと楽になれると力尽きる瞬間、電流が走る。
気がつくと真一郎は実家に居て、プラモデルを持って走る万次郎が突進して来た。壁のカレンダーには1999年の字。真一郎はタイムリープに成功したのだ。元気に走り回る万次郎の姿に驚愕し、真一郎は感涙に咽ぶ。
真一郎が現場に居合わせたことで凶報が齎された時間になっても何も起こらず、万次郎の事故は回避された。しかし、明司兄弟と万次郎が諍いを起こし、春千夜が万次郎に口を裂かれる大怪我をする。
なぜこんな真似をしたのか万次郎を問い詰める真一郎だったが、万次郎自身にも理由は分からないようだった。ひとまず治療中の春千夜に万次郎を謝らせ、これからも万次郎の友人で居てくれるよう頼む真一郎。春千夜は寛容にもそれを肯定し、真一郎と固く握手を交わす。
再び電流が走り、気が付いた真一郎は2003年の現代(当時)に戻って来ていた。自分は介護士ではなく念願のバイク屋を営んでいた。過去を変えて未来が変わったのか、万次郎はどうしたのかと真一郎は辺りを見回す。
「オーイ、シンイチロー! ホーク丸ぶっ壊しちゃってさ」
「直してくんない?」
そこには夢にまで見た、万次郎の成長した姿があった。
万次郎だけではなく、万作やエマも健在の未来に満足した真一郎はもうタイムリープの力は己には不要と考え、通りがかった公園で、虐められていた少女のために不良中学生に立ち向かう、正義感の強い少年に自身の力を託した。
いつか少年が自らの無力に打ちのめされた時、少年の助けとなるように。
少年は結局のところ中学生達にフクロにされてしまうが、真一郎は少年の勇気を讃え、君ならもっと上手くやれると激励し、名も告げずに立ち去るのだった。
そして数日後、真一郎はいつかの浮浪者の予言通り、店に忍び込んだ強盗に襲撃され、カッターで殴打されて死ぬという因果な末路を迎えた。奇しくもそれは、時の狭間に消え去った過去で、己が犯した所業とよく似た最期だった。