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精神的勝利法

せいしんてきしょうりほう

敗者が自らを勝者と思い込むことでプライドを保つ心理的働き。小説『阿Q正伝』の主人公の卑屈な精神を示す言葉である。

概要

「精神勝利法」ともいい、辛亥革命後の中国で活躍した小説家魯迅造語である。1921年に発表した小説阿Q正伝』の主人公「阿Q」の処世術として描かれたことで有名になった。

不細工で貧乏、女もいないという今で言う弱者男性であった阿Qは、周囲から馬鹿にされたり喧嘩に負けても、結果を心の中で自分の勝利と思い込むことで無駄に高いプライドを保っていた。

魯迅は「精神的勝利法」にすがる阿Qの惨めな姿を露悪的に描くことで、中国5000年の歴史に高い自負を抱きながら列強に侮られ半植民地化されつつあった、当時の中国人奴隷根性を風刺した。

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