『阿Q正伝』(あきゅうせいでん、中国語: 阿Q正傳)は、中国の作家魯迅の小説。
1921年12月4日から1922年2月12日にかけて新聞『晨報』の週刊付録に一章ずつ発表されたもので、魯迅唯一の中編小説。
この作品は、阿Qという近代中国の一庶民を主人公とした、他に例を見ない物語として注目を集めた。主人公は、「精神的勝利法」、面従腹背、卑屈と傲慢の二面性など、封建植民地社会内における奴隷性格の典型といえる人物で、その後「阿Q精神」は、このような性格の代名詞ともなった。また、この作品は中国の高校教科書に採用され、中国国民の多くが知っている小説となっている。
ちなみに阿Qとは「Qちゃん」程度の意味。冒頭で「作者は本作の主人公の本名を知らないため、仮にQとする」という趣旨(設定)が書かれている。よって本作の題を意訳するなら「Qちゃん伝記」となる。