概要
翼獅子とは、ダンジョン飯に登場するキャラクターの一体であり、悪魔の一種。
狂乱の魔術師に力を与え、ダンジョン飯の舞台である島に『迷宮』を作らせた存在。
諸悪の根源にしてすべての元凶とも言える存在であるが、同時に主人公ライオスたちにとっては自分たちの冒険を手助けしてくれる存在でもある。
また、後述する通りその本性を知っている人間は現状では存在せず、現在のところ存在を知っている人間がいる。と言う状況にとどまっている。
劇中での主な活躍
名前が発覚したのは9巻だが、存在は7巻の段階で明らかにされた。
ライオスと本格的に接触したのは8巻。夢を通じて対話を行うという形でダンジョン飯本編に登場した。
現在は迷宮の主である狂乱の魔術師ことシスルによって肉体を二つに分けて封印されている為、満足な活動ができずにおり、強大な力を持ちながらもあくまでもその力をシスルに利用されている。
また、翼の部分を手のような形で使うことが可能で、自身が封印されている本から頭部と翼を出現させることで移動したり、ライオスが閉じ込められた樹をこじ開けたりしている。
キャラクター
外見に関しては翼獅子の名の通り、翼の生えた雄ライオンの姿をしている。
翼獅子と言うのは仮の名前であり、実際の本名は不明。
舞台となっている迷宮を支配する「狂乱の魔術師」を倒すためには翼獅子の力を借りる必要があると言う、翼獅子の伝説が伝わることからも、当初は封印された聖獣のような描写がされていた。
基本的には紳士的で穏やかな性格をしており、どのような状況でも理知的な言動をとる。
一方でフランクさも持ち合わせており、ライオスには初登場時に「お前はバカなのか?」と発言しており、どこか人間臭いコミカルな表情や行動が特徴的である。
しかし、初登場時の段階から、自分にとって都合の良い情報を吹き込むような言動や行動が目立ち、どことなく怪しげな雰囲気の漂うキャラクターではあった。
その後、悪魔の存在が明らかになったことで徐々にうさん臭さが増していき、やがてその本性が明らかになったことで、少なくとも人類にとって味方ではないという事が明らかになった。
本性
実態は悪魔の一種であり、全ての元凶にして物語の黒幕。
ダンジョン飯に登場する悪魔は、人間の欲望を食うことで力をつけていく存在であり、悪魔にとって良い欲望とは複雑な欲求の折り重なったものである。
特にシスルに対しては、「ずっとお前の欲望を食う機会を待っていた」と発言し、千年に渡って熟成された彼の欲望を取り出し、彼の前でこれ見よがしに食って見せた。
その際の振る舞いや表情は、正に悪魔。
次なる獲物として、マルシルとライオスの二人に目をつけているようであったが、シスルの欲望を食い尽くした後、ダンジョンを封じにきた「カナリア隊」に問い詰められたマルシルに本の封印を解かせ、彼女を新たな「迷宮の主」とした。
一方で、悪魔自体、地上に進出することで何をしようとしているのか。その目的自体は明確にはなっていないため、現状ではあくまでも野放しにしておけない存在でしかない。
考察
10巻では、シスルに対して、ライオスやマルシルに対して好意を抱いているという事を明かすとともに、彼に対して「君を救いたい」と言う旨の発言を行っている。
この時の発言の意図は以下の二通りの意味でとらえることができる。
1.その場を凌ぐためのシンプルなウソ。
2.本気でシスルを救いたいがための提言。
この内の2の部分に関しては、過去にシスルに祭りを行う要に提言したり、彼の身を案じる言動が多いことからの考察である。
但しこれは、純粋な善意や相棒に対しての心からの愛情による行動ではないと思われる。
と言うのも、単にシスルの欲望を食べるだけならば翼獅子は頭部だけでも可能であった。
そして、食事を行えば相手から『抵抗欲』を食べることで相手はなすすべもなく欲望を食べられることしかできない。
このことから、単にシスルの欲望を食べるだけならばいつでも可能であったと思われる。
だが一方で、翼獅子はシスルの欲望に対して、ちょっとだけ残そうと思った。と発言しており、食事においては好きなものは最後まで取っておく・おいしい物はちょっとずつ食べるタイプだと思われる。
つまり、シスルの欲望をできるだけ長く、かつより楽しむ為にはできるだけ長くシスルには無事でいてほしい。そのため、ライオスとマルシルにシスルを救わせることで、シスルの欲望をよりおいしい状態へと熟成させようという考えの元の発言であると考えることも可能である。