腐ったミカンの方程式
くさったみかんのほうていしき
「われわれは、ミカンや機械を作っているんじゃないんです。人間を作っているんです!」
概要
3年B組金八先生の第二シリーズで放送されたセリフのひとつであり、このわずかな一言が当時の現代社会や教育において社会問題を引き起こした重要用語である。
意味は「みかん箱の中にカビの生えたみかんがひとつでもあれば他のみかんにもカビが繁殖し結果的に全部のみかんがダメになってしまう」というものであり、物語上においてこれを教育的に言い換えれば「クラスの中に一人でもバカがいれば生徒全員がバカになってしまう」という考え方が用いられている。
それを防ぐ為には被害が拡大する前に捨ててしまう。つまり、バカな生徒を他校に放り投げてしまうという教育者としてあまりにも無責任極まりない考え方を表している。
ストーリー上ではキーパーソンでもあるクラスメイトの加藤優がこの腐ったみかんとして例えられており、加藤自身が荒くれの不良で手がつけられなくなったという理由だけで母校の荒谷二中を追われ、桜中学に転校させたというものだった。
その考え方に対して主人公の坂本金八は猛反発しており、生徒はみかんでは無く同じ人間の一人ではないかと論していたが、加藤の担任教師はこれが教育の限界だと表しており、自分自身もどうすれば良いのか分からなくなる程、当時の教育は衰退していたという。
それでも金八は加藤に対して自分はみかんでは無く生徒の一人であり、教育を正しく受ける義務があると教え続け、クラスメイトからも偏見な眼差しを受ける事なく一クラスメイトとして接した事から最終的に加藤を真人間に戻す事に成功する。
だが、母校の荒谷二中は依然として腐ったみかんを理由に不良や落ちこぼれに対する締め付けが厳しくなっており、ついには不登校者が出る程にまで悪化していた。そんな横暴な行為に我慢できなくなった加藤は他の不良生徒と共に殴り込み、学校中を荒しまくり校長と学年指導を監禁してしまう。そして加藤は自分らは腐ったみかんでは無く生徒の一人だと訴え、今までの行為を謝罪するように要求する。結果的に荒野二中側は自分達に非があった事を認め謝罪し、自分は腐ったみかんではない事が遂に認められたがその代償として加藤は警察に逮捕されてしまう。
その後、金八らと桜中学の校長や教員らの説得のおかげで加藤は無罪放免となり、釈放の際に金八からケジメのビンタを受けると同時にお前は俺の生徒だ、忘れるんじゃないぞと抱擁され、自分は加藤を腐ったみかんでは無くクラスメイトかつ人間としてずっと見ていた事を意味していた。