概要
たとえ話の一つで、「組織内の悪人や不良が集団ごと腐敗させる」という意味で使われる。腐敗したミカンから発生したエチレンガスが、他のミカンの追熟や腐敗を促進させることに由来する。教育関係者の間では有名なたとえであり、実際に学級崩壊の発端となるのは少数の不良生徒であることが多い。
日本国外では主に「腐ったリンゴ」とも言われ、たとえば英語圏では「Bad Apple」が使われる。ミカンにたとえるのは日本のみで、これは1980年のテレビドラマ『3年B組金八先生』でそのように表現されたためである。
ただし『金八先生』では、このたとえを用いる教育者に対するアンチテーゼを示し更生の重要性(教育の更生機能の重視)を訴える展開が繰り広げられている→腐ったミカンの方程式。実際、単純に不良を切り捨てては、切り捨てられた先でも問題を起こしかねないので、社会におけるマクロ視点では、彼らをいかに更生させるか、という事も重要である。また切り捨てたところで残りの中から、また新たな問題児が登場する可能性も否定できない。ゆえに、切り捨て論はほぼ無意味と指摘される事がある。もっとも、切り捨てる側はそれすらも見越した上で切り捨てている事も多い。
2019年には追手門学院の研修で、外部コンサルタント(ブレインアカデミー社)が同校の事務職員(40代と50代の男性3人)に対してこの表現を用いて罵倒し、うつ病や退職に追い込んでいたことが問題となった。本件では、3人への謝罪、再発防止、3人合わせて約9200万円の解決金で和解となった。
似た意味で使われやすい言葉
- 朱に交われば赤くなる
- 水は低きに流れる
- 悪貨は良貨を駆逐する