概要
有脚戦闘機は惑星ガイア(【国際同盟】)と【銀河帝国】との初遭遇戦となった「5.25異星人接触」とそれに起因する紛争に使用された人型機動兵器であり、宇宙・地上問わず航行可能な全空間戦闘機を指す総称。
銀河帝国との圧倒的な科学力の差を見せつけられたガイア側が、銀河帝国側の技術流用(デットコピーに近かったが)を行い開発したことから、両軍で似たような兵器を扱う結果となった。
有脚戦闘機は、宇宙・地上を問わない汎用性と、エーテル流体を活用する姿勢制御用の翼をもっていれば、有脚戦闘機と呼称されている。つまり、強襲機動骨格と違い、構造上の特徴によって分類されている訳ではない。
特徴
「5.25異星人接触」時の有脚戦闘機
銀河帝国側有脚戦闘機が古風な航空機に似た特徴を持った機体を使用していたことから、リバースエンジニアリングの点から初期の国際同盟側の有脚戦闘機もみなレシプロ戦闘機のような風貌をしている。現在は戦後の技術革新により、近代戦闘機風であったり、航空機的なデザインから脱却した機体も存在する。
多くの場合、翼内や胴体内に固定火砲を搭載し、ボアサイトでの高い火力を持つ他、マニュピレーターによる火砲運用能力を用いてのオフボア砲戦能力を有しており、全領域での攻撃能力を有している。その点では他の飛行能力を有する機動兵器と同様であるが、有脚戦闘機の場合はその機体デザインとレイアウトから、航空機パイロットの機種転換が容易であり、兵力の維持に有効であった。そのため当時の海軍は、艦載機パイロットを短期間で有脚戦闘機パイロットへ転換させることが出来たのである。
「5.25異星人接触」後(現在)の有脚戦闘機
現用の有脚戦闘機は、技術進歩による高出力エンジンを得た結果、空戦能力と搭載量が飛躍的に強化された。そのため、局地戦闘能力と長い航続距離を生かした侵攻能力、対地対艦攻撃能力を併せ持った汎用戦闘兵器となり、近代での分類では戦闘攻撃機に相当する機体となっている。次世代の有脚戦闘機の形態は模索状態で、各派閥、企業が次期主力の座を巡り開発競争が続いている。
デザイン傾向
「5.25」~戦間期にかけての有脚戦闘機は、航空機の胴体に胸部+頭部を本来エンジン部がある部分に置き、それを軸に逆関節足と腕を付けるスタイルが主流。また、惑星ガイア側が第二次世界大戦時の枢軸国側の航空機を元にデザインされ、銀河帝国側が連合国側の航空機デザインである傾向があるが、デットコピー、輸入、ライセンス生産等でどうにでも解釈できるので「描く側に勢力によって描けない元ネタ戦闘機がある」という成約はない。
今後は戦後の航空機も有脚化される可能性もあるが、どのようなデザインになるかは神のみぞ知るである。
なお、銀河帝国の再侵攻後の次世代有脚戦闘機は試作段階であり、特に航空機を意識したデザインでないのが特徴。たぶん、人気が出ればそれが主流になる可能性が高い。
歴史
「第二二〇空域戦」
ガイア側が歴史上初めて有脚戦闘機と遭遇した戦闘。国際同盟が史上初めて交戦した機体は有脚戦闘機E‐3(帝国でのコードは“フォッカー”)であるとの見方が強い。この戦闘において、高い空戦能力を披露し、ガイア側を圧倒したことから、国際同盟独自の有脚戦闘機の開発が始まったとされる。
技術・武装
名称 | 概要 |
---|---|
エーテル流体翼 | 空間中に満たされているエーテル流体の抵抗を受けることができる戦略物質によって作られた翼。宇宙・地上でも活用できることから姿勢制御用として重力制御技術と併用し使用される。有脚戦闘機のもっとも重要な特徴の一つである。 |
ヘリックス推進器 | 空間をネジの原理で進む空間掘削プロペラ、及びエーテル流体と反応して燃焼する液体燃料を活用するレシプロエンジン及び、ターボプロップエンジン。銀河帝国でも利用されていた技術であり、初期のガイア製有脚戦闘機に欠かせないものとなっている。彩雲MkⅡに搭載される「誉(ほまれ)」エンジンなどが知られている。(おそらく「栄」や「火星」とかもあるだろうw)、静粛性と燃費に優れ、レーダーや追跡型ミサイルに捕捉されにくい特性から、現在もその有用性が指摘されている。製造がすでに停止されており、技術枯渇が深刻化しており中州/シュマイヤー重工を中心に技術保全に努めている。 |
有機式無段階自己変形型空間掘削プロペラ | 中州・シュマイヤー重工製戦略偵察機「彩雲MkⅡ」に装備されるナノマシンを組み込んだ特殊素材でできた空間掘削プロペラ。ターボプロップ二重反転ヘリックス推進機との組み合わせは現代機に引けを取らない高速機動を可能とさせている。 |
エーテル・ターボ過給機 | レシプロ・ヘリックス推進器の馬力を上げるためにピストン内に圧縮したエーテルを送り込み燃焼を促しすようにしたもの。銀河帝国製の機体に多くみられた。 |
重力偏差バランサー | 初期の有脚戦闘機の主に腕部、脚部、翼等に装備される小型の重力制御装置。機体各所に複数設置し、装置のオンオフ(強弱)で重力偏差を起こして姿勢を制御する。 |
コスモス反重力エンジン | 銀河帝国軍のMP-51Dムスタングに装備される推進・動力機関。製造はラールス・レイス社製。 |
縮退炉 | 異星由来の技術を応用し、バーテックスインダストリアル社が製造するヴォールク、イズムルート等に搭載される非常に高出力な動力機関。なお、イズムルートには2機搭載されており、完全なる重力制御を可能とし、フルスペックモードでの操縦は人類には不可能と言われている。 |
光子ロケットエンジン | |
エネルギー転換装甲 | 彩雲MkⅡにも装備される防御機能。装甲強度を30%向上させた。同様の装備は他の機体にも装備されていると思われる。 |
追尾式レーザーガン | 有脚戦闘機の固定武装として胴体、翼等に装備されるエネルギー兵器。カートリッジ式のパルスレーザー砲で、7.56㎜、12.7㎜、20㎜、30㎜等が確認されている。 |
主な有脚戦闘機
初期の有脚戦闘機
機体名 | 勢力 | エンジン | 備考 |
---|---|---|---|
零式有脚艦上戦闘機 | 国際同盟 | レシプロ | |
天山有脚艦上攻撃機 | 国際同盟 | レシプロ | 設定のみ |
彗星有脚艦上爆撃機 | 国際同盟 | レシプロ | 設定のみ |
震電試作局地有脚戦闘機 | 国際同盟 | (レシプロ) | 設定のみ |
彩雲 | 国際同盟 | 過給機付レシプロ | |
ホワールウィンド | 国際同盟 | 反重力エンジン | 帝国製有脚戦闘機を模倣、双発機。 |
メッサーシュミットMe262 | 革命師団 | (噴式) | エルトリオン製。革命師団が入手し使用 |
MP-51Dムスタング | 銀河帝国 | 反重力エンジン | |
フォッカー E‐3 | 銀河帝国 | 不明 | 設定のみ |
MP-39エアラコブラ | 銀河帝国 | (レシプロ) | 設定のみ |
MP-38ライトニング | 銀河帝国 | (過給機付レシプロ) | 設定のみ |
MP-40カーティス | 銀河帝国 | (レシプロ) | 設定のみ |
戦間期の有脚戦闘機
次世代の有脚戦闘機(試作機)
機体名 | 勢力 | エンジン | 備考 |
---|---|---|---|
イズムルート | 国際同盟 | 縮退炉 | バーテックス・シルトガルド支社による世代型有脚戦闘機の試作機 |
零弐式試作有脚戦闘機 | 国際同盟 | 不明 | 六菱系列企業スペルテリア・エアファクトリーによる次世代型有脚戦闘機の試作機 |
※()内は史実戦闘機を参考とした予想。
開発・製造メーカー
会社名 | 勢力 | 主な開発機、技術、エンジン、武装等 |
---|---|---|
六菱重工業株式会社 | 国際同盟 | 零式有脚艦上戦闘機 |
中州/シュマイヤー重工 | 国際同盟 | 彩雲 |
バーテックス・インダストリアル社 | 国際同盟 | イズムルート、縮退炉 |
ノースランド | 国際同盟 | ホワールウィンド |
スペルテリア・エアファクトリー | 国際同盟 | 零弐式試作有脚戦闘機 |
ノース・エンパイアン | 銀河帝国 | MP-51Dムスタング |
ラールス・レイス社 | 銀河帝国 | コスモス反重力エンジン |
出典・参考文献(小説)
全宙域可変戦略偵察機 「彩雲Mk.Ⅱ」【全宙域可変戦略偵察機 「彩雲Mk.Ⅱ」】an-chang様