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編集者:Steadiness
編集内容:総合格闘技
センシティブな作品

概要

「哀しき過去…」とは猿渡哲也の漫画『高校鉄拳伝タフ』の続編『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』で用いられたアオリ文。

もともと取ってつけたような過去の悲劇や投げやりなアオリ文が読者からネタにされていたが「哀しき過去」というフレーズが定着したのは我龍院清丸の過去編である。

清丸は主人公である宮沢熹一が使用する武術「灘神影流」と対を成す「灘心陽流」を黒田光秀の下で学んでいた。

ある日のこと、清丸は路上で不良三人組に女性が強姦されかかっている場面に遭遇する。

勇敢にも戦いを挑んだ清丸だが、相手はただの不良ではなく実践的な総合格闘家だったため、返り討ちにされてしまう。

俺たちタチ悪いよなあ

根っからの不良のくせに総合(MMA)だけは真面目にやってるから

メンタルもフィジカルも鍛えまくってるし

女好きだし…

男もいけるしな『ヌッ』

「やめろオオ」

不良達はそれまで襲っていた女性をほったらかして清丸を犯し始めた。

この場面で雑誌掲載時に書かれていたアオリ文が「哀しき過去…」である。

ネタ化

清丸の身に起こったことは確かに暗く悲しい性被害なのだが、これにまつわる清丸の態度やその後があまりにツッコミ所満載のため、コラージュ素材などとしてネタにされるようになった。

まず、強姦されかかっている女性を救おうとした清丸の正義感は確かだが、激しい稽古を終え疲れた帰り道で、1対3の状況にもかかわらず、背中のバッグを下ろしもしないまま不良の一人に初手ハイキックを見舞うという隙だらけの攻撃を繰り出している。

相手が武術の心得もないただのチンピラだったら、このハイキック一閃で一人をなぎ倒し、残り二人をビビらせるに十分だったろう。

しかし相手が総合格闘技をきちんと学んでいたために易々とガードされ、そのまま片足立ちの軸足をタックルで刈られて簡単にグラウンドに持ち込まれ、3人がかりで押さえつけられまるで反撃もできず強姦されてしまった。

性被害はともかく、武術家としては完全に相手を見誤って油断し、不用意に雑な攻撃を繰り出したがための敗北である。

ところがその後の清丸は、「心陽流じゃダメなんです 心陽流じゃあ暴力には勝てないんです」と、己の油断や未熟は棚に上げて自分の流派が弱いからと敗因を転嫁し、あれほど熱心に学んでいた灘心陽流を捨ててライバルの灘神影流に鞍替えしたのである。

その結果清丸は、灘心陽流時代の師・黒田光秀を倒すほどの実力を手に入れる。が、黒田を倒した勢いのまま宮沢熹一に挑むも一撃のもとに倒されてしまった

要するに、(かなりの部分で自己責任である)敗北を真摯に反省せずに原因を他者になすりつけ、闇堕ちして力を得たキャラが、挙げ句に主人公に一蹴される……みごとな小物感あふれるかませ犬ムーブを披露してしまったために、ネタ化されてしまったのである。

余談

この場面が原因で、清丸は読者から「尻丸」というありがたくない呼び方をされるようになった。

後に本作のヒロインである小倉優希もレイプされた悲しい過去を告白している。

こちらは武術の心得がない女性を屈強な男性が暴行して陵辱するという痛々しい内容のものであり、清丸の一件と比べると悲劇的な面が強いが、それまで性被害のせの字も出てこなかった優希に突然レイプ被害者という設定が生えてきた唐突感のほか、本件にまつわる「レイプされた過去があるんだッ」「強姦(レイプ)ッ!」という一連の台詞の疾走感などから、結局ネタにされている。

外部リンク

編集者:Steadiness
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