概要
猿渡哲也の格闘漫画『TOUGH 龍を継ぐ男』の登場人物。
一応本作のヒロインにあたる。
宮沢鬼龍の娘で、ある理由から宮沢静虎の道場で暮らしており、彼の世話や手伝いをしている。
他の鬼龍の子供と違って武術の心得こそないが、ここ一番で予想外の行動を取り、強敵を打ち破ったことがある。
また、鬼龍が持つ遺伝率100%の厄介な心臓病「バースト・ハート」を患っており、いつ発作が起きるともわからない身。
当初は鬼龍の血を引いていることを誇りに思っている発言をしていたが、死んだと思われていた鬼龍が現れ、彼の傍若無人な人柄を知り、そして彼の遺伝子を持つガルシア28号に対する心ない非道な言動の数々から幻滅したらしく、鬼龍の血を継いでいることを呪うようになり、彼と対面した際にはビンタをかましている。
来歴
静虎の道場に運び込まれた長岡龍星が目を覚ました場面で初登場。
龍星と鬼塚姫次との死合いに際して龍星のトレーニングを見守ったり、決戦に臨む彼の決意を汲み髪を剃るなど、龍星をサポートするようになる。
その後も戦い続ける龍星を見守っていたが、ある時バースト・ハートの発作が起きる(折しも悪堕ちした宮沢熹一によってバースト・ハートの存在が明かされた後であった)。
その場は静虎と龍星の懸命な救命措置によって辛うじて息を吹き返す。
ガルシア28号を巡り米軍関係者の魔の手が迫る中で、彼を気にかけ食事を差し入れるなど世話を焼く。
なお、この際元のキー坊に戻った熹一と共に「胚芽パンで作ったブロッコリーと鶏のササミの特製サンドイッチ(味付けなし)」といった最早嫌がらせに近い料理を差し入れたのは有名(後に優希一人で差し入れに行った際は普通にシチューとクロワッサンを渡していたので、この変な料理は熹一のセンスによるものである可能性が高い)。
そんな中、米軍のロボット兵器「トダー」が襲来。圧倒的なスペックでガルシア28号を追い詰めるが、彼の危機に優希はなんとショベルカーでトダーに突撃。トダーの頭部を撥ね飛ばし、ダメ押しとばかりにボディを轢き潰した。
が、さらに複数機のトダーが登場。ガルシア28号と共に米軍の施設に連れて行かれてしまう。
裏で一連の事件の糸を引いていた鬼龍は、ガルシア28号の心臓を優希に移植する計画を立てていた。
が、土壇場で龍星がバースト・ハートの発作により心停止。ガルシア28号の心臓は龍星に移植される運びとなる。
その後なんやかんやあって、優希のバースト・ハート治療のために龍星をはじめとした灘の人間はスマイル・ジョーが送り込む刺客との激戦を繰り返す。
死闘の中、熹一から「優希ちゃんのおかげでバラバラだった灘の人間がひとつになった」と感謝されるが、優希は自身の悲しき過去を告白(後述)。
そんな折、ロシアの裏社会の権力者が優希の身柄を狙って刺客ニコライを送り込む。危うく人質にされかける優希だったが、龍星や熹一の奮闘によって奪還される。
ニコライの魔の手から解放された優希は米軍に護送され、保護される運びとなった。
それ以降しばらく出番がなく、前作のヒロインだった宮下和香のように猿空間に送られてしまったのではないかと読者を戦々恐々とさせている。
関連項目
哀しき過去
「わ…私は…レイプされた過去があるんだッ」
熹一「(強姦ッ!)」
実は優希はレイプ被害者だった。
屈強な男性に襲われた優希は、最初こそ声を上げて抵抗していたものの、顔面に拳を撃ち込まれ、恐怖と苦痛に抵抗する意志すら奪われてしまっていた。
さらにその様子を写真に撮られ、「二人だけの秘密にしようね(通報したりすれば写真をばら撒く)」と脅されてしまう。
この件で受けた心の傷から、自ら死ぬことすら選ぼうとした優希の前に静虎が現れる。
静虎は性犯罪者の居場所をつきとめ、(寸止めではあるものの)優希がされたのと同じように顔面にパンチを撃ち込み、写真を収めた携帯電話を取り上げ破壊。
以降静虎の道場で暮らすようになった優希は、静虎との生活で心の傷を癒していくが、それでも度々レイプされた記憶がフラッシュバックしてしまう。
…というのが優希が語った悲しい過去なのだが、それまでレイプのレの字すら出てこなかった優希にあまりにも唐突に悲しい過去が生えてきたこと、本作においてレイプされた過去を持つのは2人目であることから来る既視感(少年期にショタコンの青年によって「いたずら」された姫次を含めれば3人目)から物議を醸した。
また、上述した台詞の妙なテンポの良さ、優希を慰める際に熹一が放った「暴れたいとか泣きたいとかそんなん思たらいつでもワシにぶつけてくれ(中略)ワシめっちゃタフやし」という変なところでのタイトル回収といった要素から、一部の読者からはネタにもされている。
なお、娘がこのような状況に追い込まれていたにもかかわらず鬼龍は特に何もしなかったことから、彼の株はさらに下がってしまった(一応米軍から逃れるため死を偽装していた期間の出来事だったとされており、動くに動けぬ事情はあったのだが)。