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砲兵の編集履歴

2013-04-12 17:09:47 バージョン

砲兵

ほうへい

陸上戦闘を行う兵科の1つであり、火砲・ロケット・ミサイルによる支援攻撃を担っている。 また、日本(陸上自衛隊)では「特科」と称されている。

概要

20世紀初頭以降、砲兵が多用する間接射撃による攻撃は目標への正確に弾着可能となり、自らの位置が露呈しない限りにおいては非常に有効な攻撃方法の一つとなった。また、戦闘前面から数km以上離れた位置から射撃出来るため、直接射撃による攻撃を受けて部隊が損耗する危険も小さい。航空機の爆撃と比較して低コストの砲弾を多量に投射出来る大口径の火砲を多数並べて一斉に射撃する攻撃では極端に強固な陣地や構築物などを除いて殆どの地上目標物を広範囲に破壊できた。

歴史的に見ても砲兵の存在は極めて重要であり、野戦において重要な役割を果たしてきた。三十年戦争やナポレオン戦争では加農砲や榴弾砲を持つ砲兵の有無や火砲の数と配備位置が勝敗を決したほどであり、当時の攻城戦では大口径の火砲が無いと強力な外壁を打ち崩せなかった。


分類


直接支援(DS)砲兵

戦術階梯で運用される砲兵で、火力支援を主に、阻止攻撃を従にしている。運用砲として重迫撃砲や軽砲を装備するのが一般的であるが、自動車化の進展による機動力の向上を受けて、現在では全般支援砲兵と同一の中砲を装備する場合が多い。


全般支援(GS)砲兵

作戦術・戦略階梯で運用される砲兵で、主に阻止攻撃や火力支援を従にしている。運用砲としては、作戦術階梯においては中砲、戦略階梯においては重砲やロケット砲、ミサイルが装備される。


運用砲

砲兵は運用する砲の種類によって3つに分類できる。


軽砲

西側:75mm,105mm 東側:76mm,122mm

口径105mm~122mmの軽榴弾砲は第一次世界大戦頃から、口径75~84mmの野砲と共に師団/旅団所属砲兵の主力師団砲兵として運用されるようになり、第二次世界大戦時はどこの国の軍隊でも使用されるようになった。戦後も長期にわたって使用されてきたが、近年は120mm迫撃砲の性能向上などもあって、空挺部隊や山岳部隊など重装備の運用制限が厳しい部隊か発展途上国で使用される程度になってきている。



中砲

西側:150mm,155mm 東側:130,152mm

戦間期から第二次世界大戦にかけては軍団ないし軍司令部に直属する軍団砲兵・軍砲兵の装備として運用されており、区分も重砲であった。第二次世界大戦ではアメリカ陸軍とドイツ陸軍が師団砲兵に1個大隊分の150mm級榴弾砲を野砲に変わって配備して火力増強を図った。122mmや150mmクラスのカノン砲は同口径の榴弾砲と比較し、極めて大重量であり性能も異なるため軍団砲兵・軍砲兵として運用されている。

また、東側が第二次世界大戦後に制式化した130mm砲弾はM-46 130mmカノン砲で使用される程度であり、その長射程と大重量から軍団砲兵で運用された。現在の先進国の師団砲兵は155mm / 152mm砲に集約されている傾向あり、自走榴弾砲も155mm / 152mm口径のものが中心となっている。


重砲

西側:203mm,240mm 東側:180mm,203mm

第一次、第二次両大戦において主に軍団砲兵・軍砲兵に配備され、攻城砲として要塞などの硬化目標の破壊や遠距離砲撃を任務としてきた。要塞砲や沿岸砲としても使用されている。

現在では重砲の任務は航空攻撃か、MLRSやBM-30などの長射程・多連装のロケット砲にとって代わられ姿を消しつつある。


ロケット砲兵

ロケット砲を運用し、基本的に重砲の代替用途として、作戦術以上の階梯で運用される。


ミサイル砲兵

短距離弾道ミサイルなどの戦術地対地ミサイルを運用する。基本的には戦略階梯で運用される。


組織編成

国や時代によって様々な編制が存在するが、一般的な事例としては師団砲兵として1個師団に1個砲兵連隊が存在する。1個砲兵連隊の編制は2~4個大隊で、大隊は2~4個中隊で編成される。砲兵は中隊単位でバッテリーと呼ばれるひとそろいのシステムになっており、砲撃は最低でも中隊単位で行う。砲兵連隊の大隊数は同じ師団に属する歩兵連隊の数と関連しており、歩兵連隊数と同じ数の大隊が編成される。また、歩兵連隊を直協支援する部隊とは別に全般支援を行う重砲を運用する大隊が存在していることも多い。

砲兵連隊は砲列を構成する中隊に指揮小隊と観測班小隊に弾薬を運ぶ段列が集まって大隊が構成され、大隊が集まって連隊となる。砲兵はその運用に弾道学に基づく複雑な計算を必要とするために高い教育を受けた将校と下士官を必要とする。教育水準の低い国では優秀な砲兵の確保が難しい場合も多く、砲兵の能力の低さから砲戦能力が制限されることも多く、砲兵将校の能力不足から間接射撃が行えずに直接照準に頼った運用が行われた。特に第二次世界大戦中に確立されたソ連の砲兵ドクトリンはドイツやアメリカより大規模かつ、効率的な運用を行った事で有名である。

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