日本の男性の伝統的な髪型。伸ばした頭髪を撫で付け、後頭部に髷を作る。室町時代まではほとんどの男性がこの髪型であったが、戦国時代に武士は前頭部(月代)を剃るようになり、月代を作る髪型と区別するために「総髪」の名がつけられた。
江戸時代においては、庶民の間でも月代を剃る習慣が定着。総髪は主に若者や神官、医者、学者や浪人の髪型となった。
江戸時代後期には壮年の武士の間でもこの髪型が大いに流行。幕末の勤王派の志士をはじめ、江戸幕府の将軍の徳川家茂、徳川慶喜らも月代を剃らず総髪にしていた。
明治以降は頭髪を短く刈り上げる髪型が主流になったが、散髪の必要がないという理由で現代でもこの髪型にしている人もおり、漫画家の平田弘史がその一人である。