競スク
きょうすく
構造
肩紐が本体とは別パーツのパイピングのみで構成されていることが分類上の特徴になる。
ユニタード型(ユニスク)や、セパレート型(セパスク)のスクール水着にも同様の肩紐構造を持つものが存在するが、混乱を避けるためこれらは競スクには含まれないのが一般的である。
以下の通り背面形状が数種存在する。
Tバック
ほとんどの製品が、前面から伸びた肩ひもが左右の肩甲骨の間の少し下の一点でV字に交わる背面形状であり、あまりT字には見えないが俗に「Tバック」と呼ばれる。
この背面形状はフランスのarena社が1979年に競泳水着用として開発したものが最初で、正式には「フリーバック2」という。
Oバック
前述のフリーバック以外に、背中が開いた俗に「Oバック」と呼ばれるモデルもかつて存在した。
arenaのARN-170Wがそれで、前から見ると通常の競スクと変わらないが、背中の部分が丸く切り抜いたようになっている。
正式には「フライバック」といい、開発は1977年でフリーバックより2年早い。
背中の布を無くすことで、布のテンションが水泳中の身体の動きを妨げないようにするために開発された構造である。
現在でも競泳水着の形状として採用されるフライバックの原初の姿と言える。
競スクマニアの間では伝説的な存在であり、ネットオークションなどでは保存状態、サイズ、カラーによっては2万円以上の高値で取引されることもある。
スーパーフライバック
また、1982年には「スーパーフライバック」というさらに背中が大きく切り抜かれた形状も登場している。こちらもOバックの一種とされることが多いが、開口部の形状から「Aバック」とも言うべき構造をしている。前のカットもかなりのハイレグになるため、これを採用した競スクであるARN-670WやARN-8670W等は最も際どいスク水と言える。
現在でもフィットネス水着などで見ることのできる構造である。
スーパーフリーバック
スーパーフリーバックという背面構造も存在する。形態的にはスーパーフライバックの背面の開口部を塞いだ物である。
その他の背面形状
前から伸びた肩紐がX字に交差しているもの、Tバックに近いが肩紐が一点で交わらずパイピングがH字になっているもの等、イレギュラーな構造の物もある。
生地
ナイロンやポリエステルにポリウレタン等を混紡した、競泳水着に近似の生地が採用されることが多い。
極薄のため、サポーターやパットを着用しなければ胸や股間の形状が浮かび上がり易いが、面倒なため実際には着用しない人も多い。
また、耐久性を重視して、ナイロンかポリエステルが100%の、新型スクール水着相当の生地を使用しているモデルもある。
その他
『競泳型スクール水着』とは呼ばれているものの、前述の通り80年代前半の競泳水着の形状で、競泳用としては既に旧式化したタイプであり、競泳水着マニアは『競泳水着』と見なさない場合が多い。
また、新型スクール水着(新スク)と混同されることも多いが、構造的差異が大きいため別型とするのが分類上望ましいと思われる。
広義では、競泳水着そのものではないがそれに近い作りのものも、競スクに分類する場合が多いが、これらは新スクに分類される場合もある。