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構造
- 基本的には女子用ワンピース水着で股布から腰まわりにかけて前面が二重構造となっているものを指す。この構造は胸部に流入した水を抜きやすくして泳ぎやすくするためのものとされ「水抜き」と呼称されている。
- この構造から「スカート型」、「ダブルフロント」とも呼称されており「水抜き」は伸縮に乏しい素材でも構造面で伸縮性を確保することにより身体にフィットさせるためとも言われている。
- 背面の形状はほとんどがUバックだが、ごく稀にYバック(レーサーバック)の製品も存在する。背中のカットの深さは多様で、うなじしか露出しないものから、背中がかなりの面積露出するものまで様々である。前側に縦に走る二本のダーツ線(前面裁縫線、いわゆるプリンセスライン)も特徴。
- また製造メーカーによっては微細な差異がありフロント部分が内側で完全に縫合されて「水抜き」が存在しないもの、股布がプリンセスラインではなく両脇の裁縫線で連結されているもの等(所謂旧々スクと特徴が混合したもの)が存在している。
生地
- 耐久性を重視してかナイロン、ポリエステルを100%使用した伸縮性に乏しいジャージ生地のものが多い、近年は競スクと同等の生地(ポリエステル80%程度ポリウレタン20%程度)を使用した製品も見られる。
色・装飾
- 学校体育用なので色は地味な濃紺が一般的だが、黒、青、赤、臙脂色(えんじいろ)、緑、オレンジ色のものも存在する。部品ごとに色を二色以上に分けたものもある。
- サイドに白、赤、青、緑などのライン、前面縫製線のパイピング、白の縁どりなどがほどこされたものもある。
- 極少数であるが競スクのようなパイピングの肩紐を持つものもある。
歴史
- もともと女性用水着としての一般的な形状の一つであり、1920年代頃から「水抜き」を持つ水着があるようで「キルト式水着」という呼称があった。
- 古い時代写真を探すとカラフルな旧スク(あるいは旧々スク)型の水着を見ることができるがこれらは、ウール、シルクなどで製造されていたもので現代のものとは異なる。
- 日本での教育現場への普及は、1964年開催の東京オリンピックが契機となったと言われており、東京オリンピックの時期に使用されていた競泳水着は同じ素材で旧スクと同構造であり、それがそのまま教育現場で採用された形である。
- ただしこれは俗説であり、実際には新スク型の競泳水着も東京オリンピックで納入されているようだ。よって実際には明確に年代ごとに仕切られているのではなく緩やかに旧々スク旧スク新スクが併存していたと思われる。
- このように学校用、競泳用、レジャー用に限らず、1970年代ぐらいまでのワンピース水着では一般的な構造の一つでもあるので、日本独自のもののように思われているが構造自体は世界共通のものである。競泳水着と違い学校体育は安価で頑丈であることが求められシビアにタイムを追及する環境でもないため、積極的に更新が行われずに残存し続けたと考えられる。
↑東京オリンピック女子競泳アメリカ代表の競泳水着
教育現場における旧スクの現状
- 旧スクはその名のとおり、スクール水着としては旧式で、実際の教育現場においては現在ではかなりの少数派になってしまった。
- しかし、量販店の水着コーナーやスポーツ用品店などでは普通に販売されており、安価という事もあってか現在でも小学生などが着用している事がある。
- 極稀に「伸縮しやすい構造」という事もあって新規にラインナップされるケースもある。
- よって、ほば絶滅した体操着のブルマに比べれば、まだまだ生き残っていると言える。ブルマーは着用した姿がしばし煽情的と見做されるが旧スクの場合むしろ露出度が低いので攻撃の対象にされ辛く、ブルマーと違いスク水は必ずしも学校指定ではないことも延命している理由だと思われる。
創作物における旧スク
- 実際の教育現場ではかなりの少数派でも、二次元の創作物では、スクール水着と言えばすなわち旧型スクール水着を差すことが多い。
構造の誤認
- 創作物では、旧スクの構造を誤認して、お尻側にも水抜きが描かれてしまっていることが多々ある(詳しくは旧々スク を参照)。
- 股布の幅が二本のダーツ線(プリンセスライン)の幅より広くなっている絵もよく見かける。このような構造の旧スクは、旧々スクから旧スクへの過渡期的形態として確かに存在するが、描いた人間がそれを知った上で描いている可能性は低いと思われるので、基本的にこれも構造の誤認と言える。
- また、股布を下げてめくり、水抜きから下腹部を露出させている絵が散見されるが、股布は水抜きの開口部からへその高さ以上まで伸びているため、実物でこれができる製品はごくわずかである。ただし、これは構造の誤認ではなく空想の中だけの仕様として敢えて描かれている場合も多い。
白スク
- 創作物では白い旧型スクール水着が描かれることがあり、白スクと呼ばれ一つの萌え要素になっている。
- 白は透けやすい色であるため、実際のスクール水着で採用された例は皆無に等しく、本来創作物のみの存在であるが、コスプレ用として制作されることもある。
実際に学校体育で使用される物ではないため、これらをスク水とは認めないスク水マニアも多い。
関連イラスト
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旧々スク 新スク 競スク ユニスク セパスク 競泳水着 arena