曖昧さ回避
- 衣服の一種。本項で解説。
- 『ドラゴンボール』の登場人物。→ブルマ(ドラゴンボール)
- アルミンド・トゥエ・ナ・バンニャの登録名(Bruma)。
衣服のアルファベット表記は「Bloomer」でドラゴンボールのアルファベット表記は「Bulma」と異なる。検索の際は「ブルマ -ドラゴンボール」とする事でドラゴンボールのブルマを弾く事が出来るばかりでなく、ブルマーでタグ登録されたイラストも拾う事ができる。
概要
- ブルマは、女性が運動する際に下半身に着用する衣服の事。長年、日本の女学生の指定体操服になっていた。
- 基本的に女性用であるが稀に男性が着用する事例もある。
- 元は19世紀の女性解放運動家のアメリア・ジェンクス・ブルーマーの発案(とされているが定かではない)。
- ズボン(ニッカポッカ)型やちょうちんブルマなど、時代により様々なタイプのブルマがあるが、イラストにおいては主に1960年代後半~2005年度まで女学生が体育の時間に着用していたショーツタイプ(または密着型)を指す場合が多い。
- 本来ブルーマー氏が発案した物は、ゆったりしたズボンにゴムを入れたような物で膝くらいの丈の物だったのだが、動きやすさや、当時の女性解放運動の流れで体を線を見せる方向に向かっていたためか丈がだんだん短くなり生地も体型に沿う形になり、1960年頃には脚全体を露出するまるっきりショーツ同様の形になっていた。ちょっと股下のある下着だとはみ出してしまう程である。中には若干お尻を包むような形になっている物もある。
構造
- ショーツ型(密着型)は股下の丈が無い単純な構造のため、前半分の布と後ろ半分の布とを合わせただけのシンプルな作りになっている。デザインによっては側面の色が違ったりラインが入っているバリエーションもある。ウエストと足の付け根の部分にはゴムが入っている。
- カラーバリエーションは濃紺が一般的だが、エンジや緑など学年ごとに色分けされるケースも少なくない。当然といってよいのか、漫画やグラビア等ではピンク等何でもありである。
- 学校現場で使用されるため、基本的に丈夫で厚い生地が使用される。
90年代頃まではナイロン繊維をニット編みした物が主流で、通気性と伸縮性に優れた工夫が凝らされていた。
ナイロン繊維が入手困難となった00年代初期では、ポリエステル繊維、またはポリエステル生地に綿の裏地が貼られた物が主流になった。耐熱性が向上したが、ナイロン繊維の物と比べると肌触りが若干固めになっている。
メーカー
最盛期は下記の学販メーカーが多彩なブルマを世に送り出していた。製造には特殊なミシンと技術が必要とされる。
- 菅公学生服(Kanko)
- asics(アシックス/アシックスジェレンク/アシックスデポルテ)
- MIZUNO(ミズノ)
- トンボ(TOMBOW)
- 明石スクールユニフォームカンパニー(富士ヨット/YACHT)
- 瀧本(スクールタイガー)
- 河合産業(スクールユニ)
- ヒットユニオン(ヒットユニオン)
- 宇高(UDK/ラビットアース)
- 東洋レーヨン(アクボン)
- 鶴岡(ファッショナー)
- 尾崎商事(Cat's eye)
- 児島(コロンバイン)
- ギャレックス(ギャレックス)
- ユニチカ(ユニチカ)
- グリンズ(グリンズ)
- マツウラ(Vマツウラ)
- 小松ニット(Bellcampus)
- グリーンメイト(ダービースター)
etc...
学校現場への普及と廃絶
- 国内ではまず、1903年に国内で紹介された事をきっかけに、大正末期から昭和初期に女学校で普及した。当初は「ズボン型」であったが、1960年代までには「ちょうちん型」と言われる程丈が短くなっていった。
- 所謂「ショーツタイプ(密着型)」が普及したのは、東京オリンピックにてソ連やポーランドの女子バレーチームが着用していたのがキッカケだといわれており、1970年代までには「ちょうちん型」を淘汰したという。
- 某学生服メーカーでは化学繊維と生理用ナプキンが登場した事により密着したブルマを着用する事が可能となった事も普及の背景として解説している。また当時男子用の体操服として普及していた短パンは白色が主流で、生理により汚す可能性のある女子には不向きであったようだ。
- 当時の風俗に目を向けるとツイッギーによるミニスカートブームが到来しており、様々な年齢層の女性に影響を及ぼしていた事から「女性が脚を出す」事が「カッコ良い」という風に捉えられていたと考えられる。
- ただし、当時から「脚をさらけ出すのが恥ずかしい」という意見も出ており、後にハーフパンツへ取って代わられる一因にもなった。
- 1970年頃に男子の間で「スカートめくり」が流行した際には、めくられても下着が見られないようにブルマを穿いてガードする対抗策が編み出されたが、男子も懲りずに、めくると同時にブルマをずり下ろす「スカートめくりブルマおろし」が考案され、下着もいっしょに脱がしてしまうアクシデントが起きて問題になり、社会問題にまでなったという。
- また厳しいテニス部などでは、上級生やレギュラー選手のみアンダースコート着用が許され、それ以外の者はスコートの下がブルマだったり、そもそもスコート無しのブルマのみで部活動を行っていたという。
- 1990年代に入り、今まで影に隠れていたAV、エロゲー、風俗などでの性的嗜好(フェチ)の対象とされていたものが「ブルセラ(ブルマ&セーラー服)ショップ」がという形で現出し、使用済みの実物が売買されるようになり、それらが全国的に報道されるようになった事で廃止の機運が高まり、体操服にブルマを指定する学校は90年代後半から2000年代前半にかけて急激に減少し、2000年代中頃には淘汰されたといわれている。
- また1990年代当時の学校ではセキュリティが甘く、不審者が容易く侵入出来てしまう事、ブルマが小遣い稼ぎになる事を知った非行少年らは、学校へ自由に出入り出来る事から教室に置いてあるブルマが盗まれる事件が多発した事もブルマ廃絶の一因として挙げられるだろう(スクール水着ではユニスクセパスクなどの種類が増えたものの、一方では保護者の意識の差や地域差などにより新スク等が使われている場合もある事を考えると大違いである)。
- 「学校制服廃止論」が今日でも取り沙汰されているが、その流れでブルマについても「学校側から強要されている被服」と当事者側から見られていた側面も否定は出来ない。学校側から「(校則違反の)スカートの丈を詰めるのは良くてブルマはダメなのか?」と困惑する声もあったが、要するに着用する当事者側から支持を失っていったのだ。
- 平成初期までは社会的に「男は男らしく、女は女らしく」という考え方が一般的で、例えば男子は短パン、女子はブルマと、違う服装をさせるのが当然視されていたが、1990年頃から男女平等が叫ばれるようになった事や「セクハラ」の概念が浸透し、「男女で体操服を変える合理的理由は無い」という考えに変わり、男女共に「サッカーブームに影響された新しい体操服」であるハーフパンツへ移行するなどした。
- 一部ではブルマを見せパンとして使い、制服の安易なミニスカート化を防止するためハーフパンツに切り替えてホッとしたという教育関係者もいたという。
総評
- 元々は女性解放運動の一環として、女性が運動の場で活躍するために開発された物であるが、当初、その形状はゆったりとした膝を覆う程の長さがあり、裾が絞られたズボン状の物である。 誕生した当初は露出の少なかったはずの「ブルマー」が、何故下着同然な形状になったかは不明。
- 「当初は女性解放の為に作られた衣類」が、著しい時代の変化により「女性の羞恥心と男性の性欲を喚起する、ほぼ下着と同様のデザイン」へ変質し、現実に女性の発言力が高まる事で、「最終的に女性によって否定され淘汰される」という経緯は皮肉である。
- 体の露出度合いのみに着目すると、誕生からちょうちんブルマまでの物は、ハーフパンツ&ショートパンツとほぼ同じで、先祖回帰したともいえるにもかかわらず、ブルマの名称のみが消えてしまったのは、「男女共に同じスポーツを同じように楽しむ事が出来る」という地点に到達して、「女性の地位向上」という社会的な役割を果たしたから、という見方も出来るのはなかろうか?
現状
- 順次消えていったブルマの代替として、肌(脚)の露出が少なく、体形の出にくいハーフパンツ(短パン)、またはスパッツなどに置き換えられ、スポーツ用品の主要メーカーも順次ブルマの生産を中止していった。
- 現在でもネット通販で買えるが、学販仕様と同等の品質にこだわった物から、外見だけ似せたチープな物と千差万別である。
- また、下着の上に着用し、同じ紺または黒色系統のスカート同士で保護色効果などで視覚的にも事実的にも下着を隠す効果があるため、一部の校則の厳しい学校では義務化もされている。そのためいちいち体操着に着替えるのが面倒と思う女子は、上だけ着替えて下はスカートだけ脱ぐ、というブルマへの抵抗が薄くなおかつ校則のグレーゾーンをいく女子は極稀に存在する。
- 学校教育の場では姿を消したものの、陸上競技などで女性選手が穿く足の付け根まで露出し体にフィットしたレーシングショーツをレーシングブルマーと呼ぶ事もある。
- ところ変わってビーチバレー女子では国際ルールでボトムスがサイド10cm以内のビキニの着用が規定されており「脚を露出させるスポーツウェア=悪」とは言い切れない状況である。
- ただし、男子に対しては「膝上10cmなら良い(ビキニパンツを強要されない)」事もあって「男女差別」「セクハラ」との批判もあり、東京オリンピック(2020年)ではノルウェーチームがビキニ着用を拒否して罰金刑を言い渡される問題も発生している。
- 余談であるが、ベビー服で赤ちゃんのおむつの上に穿かせるショーツ状のウェアもブルマと呼ばれている。
- ガロー・アイリン・ツインディンプルではオーバーパンツの商品名としてブルマが使用されている。
- このように「過去の遺物」として忘れ去られたような扱いを受けているが、近年(2020年頃)に入り前衛的な女性のファッションスタイルとして「ブルマールック」が提唱されており、お洒落着として復権する可能性も出始めている。
- 現在でも指定体操服の無い学校では、ブルマで体育の授業を受ける事も理論上可能である。
創作上では
- リアルでは一部のスポーツ選手が着用しているのを見かけるのみであるが、旧スクと同様に二次元においては今だに現役であり、これからも女学生の着用する運動着として存続し続けると思われる。
- なお、今ではいわゆる深夜アニメやギャルゲー・エロゲ作品であっても、ニーズや性癖の多様化(顕在化ともいえる)により、女学生の体操服がハーフパンツやスパッツの場合も珍しくなくなった(学生時代にはブルマが廃止されていて、実物を見た経験が無い世代が増えてきており、ブルマがファンタジーの類と同一視されつつあるのも一因である)。みんなちがってみんないい。
- 近年の作品でブルマに関するもので特筆に値するのはウマ娘プリティーダービーであろうか。競走馬を美少女化した作品であるが、レーシングショーツの存在も汲んでか着用している体操服は牡馬をモデルとしているウマ娘はショートパンツ、牝馬をモデルとしているウマ娘はブルマと分けられており、モデルの競走馬の性別を知る事が出来るシステムとなっている。ハルウララについては勝負服もブルマとなっている。
- 艦隊これくしょんも、2015年にアニメ化された時には、体操服のボトムスはブルマとされていた。これについて、公式4コマである「吹雪、がんばります!」では、「スクール水着を普段着とする潜水艦娘たちがズボンを嫌がったから」という理由付けがされている。
- この他、最近ではうる星やつらのリメイク版のアニメでも「女子はブルマ」という描写にされている。もっともこれは昭和の漫画を原作とし、極力原作の世界観を壊さないよう忠実に描いているからだが。
- pixivにおいては「ジャーブル」共々その時のトレンドに左右されやすいタグでもある。具体的に言うと必ずしも常時オリジナルのイラストや版権作品がばらけてヒットするわけではなく、その時ブームを起こした作品でブルマ(ジャーブル)を着用しているキャラのイラストが大量にヒットする。
2010年代はタグの検索結果上位が「艦隊これくしょん」の艦娘達や「Fate/GrandOrder」のネロ・クラウディウスなどが目立っていた。2020年代は一時的にほぼそのキャラ専用も同然のもっと極端な扱いになり、「ウマ娘プリティーダービー」のサービス開始早々上述のハルウララの独壇場状態になったかと思えば、その翌年には「ブルーアーカイブ」の早瀬ユウカのイラストが上位を占めるようになっている。
組み合わせアイテムとして
- ブルマは様々な衣服を組み合わせて描かれる事で、よりその良さを醸し出す事も出来る。
- セーラー服+ブルマジャージ+ブルマなど、上半身をしっかりとさせている割に、下半身をあらわにしているという事に一種の萌えを感じる事が出来るようだ。
- ファンタジーの世界では鎧+ブルマなどのハードなタイプの物もある。
関連イラスト
関連タグ
【別名・表記ゆれ】
【類似品】
【色】
【形状】
【シチュエーション】
【他の衣装との組み合わせ】
【風物・競技】
【着ける人】
【至言】
【定評のある人】
- 一色あかね(ビビッドレッド・オペレーションの主人公。普段着がエンジブルマ)
- 折原九瑠璃(デュラララ!!の登場人物。折原臨也の実妹。学校内では制服の代わりに常にブルマ)
- 川神舞(無彩限のファントム・ワールドのヒロイン。制服の下にブルマ)
- 珈琲貴族(日本のイラストレーター。青春を感じさせるブルマイラストを数多く手がけている)
- 雲雀(閃乱カグラ)(忍装束がジャージと紺ブルマ)
- 南奈津乃(十三機兵防衛圏の主人公の一人。メイン衣裳がジャージと紺ブルマ)