概要
黒いイメージを持たれがちだが、実際には夜目に黒は浮くので、紺色もしくは柿色の衣装を使用していたとされる。現代に発見された忍び装束もほとんどがこの系統の色だという。
また、中世の日本では衣料を黒く染める技術が未熟だったため黒服は非常に高価で、一部の上流階級しか着れなかったことや、当時の松明やロウソクしか無かった照明の事情から、前述の紺や柿色で充分に夜間の迷彩効果を得られたという学説がある。
当然、日中は目立つのでこの格好で動く事はない。黒服が高価だった時代に黒い普段着というだけでも充分忍べないのは先に述べた通り。
ちなみに鉄の鎧などの重装備は着けなかったらしい。
実際、忍者の仕事は現代の諜報員や特殊部隊と似通っており、発見→応戦。ということは少なく、発見→逃走という逃げ兵法に撤している。
その際、身軽さを犠牲にする鎖などは命取りになるのが使用しなかった理由である。
部位の名称
- 頭巾(ずきん)
頭に被る物ではなく、頭に巻き付ける布。いわゆる「おこそ頭巾」
- 上衣(じょうい)
上に着る服。見た目は農民の服に酷似しているとか。
- 袴(はかま)
ズボン。袴と言ってもブカブカの物ではなく、スラッとしている。
- 手甲(てこう)
手袋。中指に輪っかを通して固定する。指先は露出している。
- 脚絆(きゃはん)
すねあて。上下の紐を前で結んで使用する。
- 足袋(たび)
靴下。足音がしないように底に綿を厚く入れていた。
- 草鞋(わらじ)
靴。決して草履ではない。
お馴染みのアレ。首から掛けて股の間を通し、腰で結んで使う。