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アントールドストーリーズ

あんとーるどすとーりーず

設定上のみに存在する「(読者に詳細が)語られないストーリー」の事。pixivにおいては、主にテレビドラマ『シャーロック アントールドストーリーズ』の略称。
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曖昧さ回避

  1. ひとつの物語作品上において「語られなかった物語」(UnTold Storys )の事。時にUTSと略称で表記する場合もある。特に連載作品において登場人物の会話内のみにて言及され、その詳細が読者側には語られない「設定のみが存在するエピソード(過去話)」の事である。ちなみにpixiv的にはスピンオフ二次創作(ファンフィクション)のいいネタのひとつだったりする。
  2. シャーロック・ホームズシリーズにおける「語られなかった物語」(「語られざる事件」とも)の総称。後述
  3. 前述の「ホームズシリーズ」の「語られざる物語」を元ネタに翻案・制作されたテレビドラマ。本項で詳述

ホームズシリーズの「アントールドストーリーズ」


ホームズシリーズでは、以下のような設定が明言されている。


チャリング・クロスにあるコックス銀行の金庫室のどこかに、長旅に痛んだ、がたがたのブリキ製文書箱がひとつ、おさまっているはずである。その蓋には、元インド派遣軍所属、医学博士ジョン・H・ワトソンと、私の名がペンキで書き込まれている。なかには書類がぎっしり詰まっていて、その大半は、わが友シャーロック・ホームズ氏が折りおりに手がけてきた、さまざまな変わった事件を記録したものである。そのうちのあるものは、すくなからずおもしろくはあるのだが、あいにくまったくの失敗に終わり、そもそも最終的な解決というものが欠けているので、ここで物語るには適さないであろう 」(「シャーロック・ホームズの事件簿」収録『ソア橋』より引用。文章は創元深町版)


これを素直に受け取れば、シャーロック・ホームズの関わった事件は(設定上においては)実際にコナン・ドイルが執筆した各種事件よりも数多く存在する、という事になる。

そうした事件の存在は前述の引用のみならず、他の正典上の作品内でも多く示されている。

いわゆる「(正典『ホームズシリーズ』の)本文中でわずかにタイトルのみ(ワトソンやホームズらなど複数の登場人物たちに)言及されながら、その詳細は(既に終わった過去の事件であるため、今更その内容をほじくり返すのは無意味あるいは実害があるとして)明記(ワトソンの手記として公開)されていない事件」こそが、それである。


つまりホームズシリーズにおけるアントールドストーリーズとは、基本的には上述した「ワトソンの名が記されたブリキ箱」に封印された、ホームズが手掛けた事件の報告書。いわば「ワトソン(コナン・ドイル)が世に発表しなかった(執筆しなかった)ホームズの事件」の事である。


なぜ発表されなかったのか?

先に思いっきり野暮で興の削がれるメタ的な部分から言うなら、この「語られざる事件」というのは基本的には世界観に深みを増しリアリティを持たせるためのギミックに過ぎないものである。

つまりは「読者に読者の時間があるように、ホームズにはホームズの時間があり、読者が読んでいる(読者が共有できる)のはその一部分である」「世界は広く、ホームズの関知の及ばぬ事件も、当然に存在する」という事を意識させるためのギミックが「語られざる事件」と言える。早い話が「語られざる事件」とは、その名の通りあえて語られない事で機能するギミックなのである。


次に、そんなメタ的な野暮天視点ではなく、物語世界を真摯に「あるもの」として受け止めて言うなれば。

前述の引用でも少し触れたが、これらの事件は他ならぬホームズ自身が様々な要因から、ワトソンに対して語ることを許さなかった「封印された事件」である。

その理由については以下のような事例が語られ、またはシャーロキアンたちから推測もされている。

  • 国家などから守秘義務を科せられた事件
    • 簡単にぶっちゃけると、現代でいうなら「発表したら国家が沈む」と判断された国家崩壊系文春砲になりかねない事件。
    • 例えば、さるやんごとなき方々(まぁぶっちゃければ英国王室とか、海外の王族とか)のヤバいプライベートにかかわる事件や、政府機関(あるいは公務員官僚)のやらかしが関わる事件など。
  • 依頼人や被害者の保護、探偵としての信義のために秘匿せねばならない情報がある事件
    • 例えば、依頼人や情報提供者・被害者などを、犯罪組織(それこそ例えばどっかの教授の信者たちとか)や事件関係者の報復から守るために、身を隠すように図らねばならない事件。いわゆる現代であるならば証人保護プログラム対象になるべき事件
    • あるいは、それほどでなくとも依頼人が公表する事を望まない事件もまた、探偵の信義(私的守秘義務)において世に晒すことを許されるべきものではない。
  • ホームズ自身が致命的にやらかしている事件
    • つまりはホームズが正義のやりすぎで暴走してグレーゾーン(脱法行為)や、ある種の犯罪行為に手を染めてしまっている事件。いわゆる正典上に言う「犯人は二人(恐喝王ミルヴァートン)」系の事件。
    • ほかにもホームズが変人であるがゆえに、依頼人や犯人・被害者の神経を逆撫でして事態を悪化させた事件や、推理ミスとは言わないまでも些細なミステイクを起こしてしまっている事件など。いわゆる正典上に言う「黄色い顔」系の事件。
    • もしくは単純にホームズが解決できなかった事件など。あるいは「事件の解決(真相の解明)」こそできていても、それが「関係者を取り巻く状況の解決」や「正義の執行」には繋がらなかった(ホームズたちの徒労に終わった)という非常に後味の悪いモヤる事件などもある、とされる。いわゆる正典上に言う「オレンジの種5つ(五粒のオレンジの種)」系の事件。
  • 物語として語るにも及ばず、すぐに解決してしまった事件
    • いわゆる現代に言うところの「日常の謎」の事件や、依頼人の勘違いに終始してしまった事件。あるいは謎の解明に乗り出したはいいが謎を解明する前に犯人が自首してホームズもソレを納得せざるを得なかった事件や、話を聞いた一瞬で瞬きする間も無くホームズが解明してしまい物語になりようのなかった事件など。

ファンにおける扱い

世のシャーロキアンたちによると、おおよそ70~100ケース近くあるとか。なおケース数に開きがあるのは、作品の読み込み方によってどうしても個人的な誤差が生じるため。


ドイルが執筆したホームズシリーズの本編を「正典」と呼ぶのに対して、この「ブリキ箱」の設定をネタに執筆された(正典と比として遜色なく質の良い)パスティーシュの二次創作を「外典」と呼ぶ。


なお、これをネタにファンフィクション(パスティーシュ)をやらかして評価を得たシャーロキアン(外典執筆者)もいたりする。(創元推理で刊行されたジューン・トムスンなど。あるいはエラリー・クィーンやディクスン・カー、アガサ・クリスティなども同様の事をやっている)むろん、そのためには世に在する世界中のシャーロキアンに認められる必要があるため、外典の執筆というのは非常にハードルが高い。(単に二次創作をすればよい、というモノではない)


ちなみに外典を執筆しようとして認められずに失敗した(本編や他の外典との矛盾点を突きつけられたり、あるいは本編などと比しての文章のクセなどの違和感を責められる)作品などは、単なる偽書として歯牙にもかけられないので、とっても要注意


月9「シャーロック アントールドストーリーズ」

フジテレビジョン制作による2019年秋クールのTVドラマ。

同年10月7日から12月16日までフジテレビにて放送。

その1週間後の12月23日には最終回のその後を描いた『シャーロック特別編』が放送された。

いわゆる「月9ドラマ」の一作。


正しくは『シャーロック アントールドストーリーズ』

『シャーロック』が主タイトルで『アントールドストーリーズ』は副題。


本作は大英帝国の推理作家であるアーサー・コナン・ドイルが19世紀末に『ストランド・マガジン』に連載した『シャーロック・ホームズシリーズ』を原案とし、舞台を現代の東京に置き換えてスリリングと痛快なテイストで映像化する。なおイギリスBBCも2010年から2017年にかけてシャーロック・ホームズの舞台を現代のロンドンに置き換えたドラマ『SHERLOCK』を放送しているが、フジテレビによれば「イギリスのドラマのリメイクではなく別の作品」とのこと。


副題の「アントールドストーリーズ」とは(本作の作品解説の上では)シャーロキアンの間で「本文中でわずかにタイトルのみ言及されながら、その詳細は明記されていない事件」(The untold stories,The untold tales)を言う。従って本シリーズは、その「タイトルだけの事件」=「語られざる事件」をモチーフとして、脚本家の井上由美子らが現代の日本に合わせて創造したパスティーシュ(作風の模倣、分かりやすく言えばシャーロック・ホームズの世界に似せたもの)である。ドイルの書いたシャーロック・ホームズシリーズ長編4本・短編56本自体をオリジナルとするわけではない。登場人物も現代の日本にマッチした形を採用、犯罪コンサルタントと精神科医のコンビが数々の難事件に挑む、ジャパニーズテイストな作品を目指す。


主役のシャーロックに相当する犯罪コンサルタント「誉獅子雄(ほまれ ししお)」を演じるのは、「月9」主役初登板となるディーン・フジオカ、その相棒であるワトソンに相当する精神科医「若宮潤一(わかみや じゅんいち)」を岩田剛典が演じる。


登場人物

  • 誉獅子雄(ほまれ ししお)
  • 演:ディーン・フジオカ
    • 作中冒頭時点で既に犯罪捜査コンサルタントとして江藤とコネを持っており、第1話の事件後に職を失った若宮のマンションに上がりこむ。
    • 原作におけるシャーロック・ホームズに相当する人物。イニシャルもS.H.と共通している。
  • 若宮潤一(わかみや じゅんいち)〈31〉
  • 演:岩田剛典
    • 第1話において医師免許資格を不正に取得したことが発覚して退職を余儀なくされる、というスパイシーな設定がちょっとした物議を醸した。
    • 原作におけるジョン・ワトソンに相当する人物。イニシャルもJ.W.と共通している。
  • 江藤礼二(えとう れいじ)
  • 演:佐々木蔵之介
    • 警視庁刑事部捜査一課係長で、階級は警部
    • 自分は優秀な刑事だと思いこんでいる節があるが、意識的に捜査を邪魔したり、サボる癖が多々あるなど決して刑事としては有能とは言えない。そのため、獅子雄には常にバカにされてしまっているが、彼を上手く乗せて事件捜査に乗り出させる。お調子者であっけらかんとした性格。第10話終盤で、次期人事での捜査一課課長への昇進が決定する。
    • 原作におけるレストレード警部に相当する人物。
  • 小暮クミコ(こぐれ クミコ)
  • 演:山田真歩
    • 警視庁刑事部捜査一課に所属する刑事で、階級は巡査部長
    • 冷静沈着な性格。上司・江藤を優秀だと思ってはいるが、彼の迷走に突っ込みを入れながら、事件解決に向けて冷静に事を進めている。獅子雄たちからは「グレ」と呼ばれている。第10話終盤で、次期人事での第3係係長への昇進が決定する。
    • 原作におけるグレッグソン警部に相当する人物。
  • レオ
  • 演:[[ゆうたろう>ゆうたろう(モデル)

ゆうたろう]]

    • 謎多き情報屋。
    • 獅子雄に拾われて以来、容疑者と思われる人物を尾行し有益な情報を提供している。獅子雄とどのような経緯で知り合ったのかは不明。主な移動手段はスケートボード
    • 原作におけるベイカー街遊撃隊に相当する人物。

ゲスト

第1話『世界一有名なミステリーが蘇る!天才探偵と精神科医が運命の出会い! 医師変死の謎を解け』

  • 赤羽栄光(あかばね はるき)〈34〉
  • 演:中尾明慶
    • 十益中央病院に勤務する消化器内科医で若宮の同僚。
    • 不正に医師免許を取得しており、そのことで同級生に脅され、妻にけしかけられる形で殺害した。その後、医師免許の不正取得と同級生殺害の発覚を恐れ、精神的に追い詰められて自ら命を絶った
  • 赤羽汀子(あかばね ていこ)
  • 演:松本まりか
    • 赤羽の妻。元コンパニオン
    • 医師免許の不正取得で同級生に脅された夫に殺害をけしかけた上、獅子雄や若宮に対しても罠を仕掛けようと目論んだ。
  • 水野麻里(みずの まり)
  • 演:松井玲奈
    • 十益中央病院に勤務する看護師
    • 赤羽の遺体の第一発見者。
  • 郡司貴生(ぐんじ たかお)
  • 演:淵上泰史
    • 医療ジャーナリスト。赤羽の転落死事件の重要なカギを握っている。
    • 赤羽や若宮と同じく、不正に医師免許を取得するために試験をしたが、不合格になり赤羽に「不正に医師免許を取得したことをばらす」と脅し、赤羽に殺害され遺体を海に遺棄された。
  • 石井太(いしい ふとし)
  • 演:木下ほうか
    • 十益中央病院に勤務する警備員
  • 今井茂樹(いまい しげき)
  • 演:平泉成
    • 榎原医科大学の学長。
    • 赤羽や若宮の医大生時代の担当教授で、過去を知る人物。
  • 赤羽隆(あかばね たかし)
  • 演:山田明郷
    • 赤羽栄光の父。
    • 恵洋大学医学部の元教授で、金崎警視総監と仲が良い。
  • 赤羽雅恵(あかばね まさえ)
  • 演:浅茅陽子
    • 赤羽栄光の母。
    • 汀子に対して冷たい態度をとる。
  • 赤羽光(あかばね ひかり)
  • 演:西冨あさ希
    • 赤羽栄光と汀子の娘。
    • 利き手の矯正を汀子から厳しく躾けられている。

第2話『新宿駅替え玉遺体の女の謎! 都会の闇に埋もれた女達』

  • 青木藍子(あおき あいこ)
  • 演:菅野美穂
    • ダーリントン法律事務所の弁護士
    • 知的で冷静な雰囲気を醸し出しており、弁護が終わっても一生依頼人に寄り添うことをポリシーとしている。その反面、封印したい過去を秘めており、不意に衝動的で感情的な側面を見せることがある。
    • 原作におけるアイリーン・アドラーに相当する人物。
  • 河本美沙(かわもと みさ)
  • 演:岸井ゆきの
    • ダーリントン法律事務所の事務アルバイト。
    • 山下とは、友人関係にある。
  • 山下佐和子(やました さわこ)
  • 演:三浦透子
    • 以前に青木が担当した依頼人。殺人事件で死刑が確定した兄(演:柳俊太郎)がいる。
    • とある時期から高橋博美(たかはし ひろみ)の偽名を使い、生活をするようになった。
  • 佐々木守(ささき まもる)
  • 演:内村遥
    • 新宿駅で列車に轢かれて死亡した高橋博美の元交際相手。
    • 小学校の教師で、クラス担任を受け持っている。
  • 高橋博美(たかはし ひろみ)〈29〉
  • 演:未来
    • 青木藍子の依頼人。
    • 不倫関係にあった男性の妻から慰謝料を請求されており、青木が交渉をしていた。

第3話『地面師詐欺という闇! 死者の伝言は3本の小枝…』



主題歌: DEAN FUJIOKA「Shelly」(A-Sketch)

オープニングテーマ: DEAN FUJIOKA「Searching For The Ghost」(A-Sketch)


各話リスト

話数放送日サブタイトル原作の語られざる事件演出視聴率
110月7日世界一有名なミステリーが蘇る!天才探偵と精神科医が運命の出会い! 医師変死の謎を解けアバネティ家の恐ろしい事件西谷弘12.8%
210月14日新宿駅替え玉遺体の女の謎! 都会の闇に埋もれた女達ダーリントンの替え玉事件野田悠介9.3%
3地面師詐欺という闇! 死者の伝言は3本の小枝…タンカーヴィル・クラブ醜聞事件
4ボクシング世界王者の失踪…空白の15分に何が?ジェイムズ・フィリモアの失踪事件
5死体が歩く夜…真相は、愛か狂気かマーゲートの婦人事件
6前世殺人? 古いビデオテープが語る真相カナリア調教師ウィルソンの逮捕事件
7少年シャーロック現る! 祖父誘拐と開かずの金庫マチルダ・ブリッグス号事件
8遺書の暗号は殺しの招待状赤蛭事件
9最終章へ…別れの予感! 最後の晩餐は密室殺人レストランオパールの首飾りに関する事件
10最終章都知事長男誘拐事件! そして彼が覚醒する政治家と燭台と鵜飼の鵜事件
11最終回!最強バディが下す決断…愛するものを守れるか?この冬最も胸を熱くするラスト小船帆船アリシア号失踪事件

関連タグ

ホームズシリーズ関連

シャーロック・ホームズ 裏設定

テレビドラマ関連

フジテレビ 月9ドラマ

歌舞伎町シャーロック:同時期に始まった、シャーロック繋がり作品。ただし、こちらはアニメ作品となる

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