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サーブ21

さーぶしゅーごえっと

スウェーデンのサーブ社が第二次大戦中に開発した戦闘機・攻撃機。

第二次世界大戦が勃発した1939年当時、スウェーデン空軍の主力戦闘機グロスターグラディエーター(J8)で、明らかに時代遅れであり、セバスキーP-35バルティP-66を発注するが、アメリカが「イギリス以外への武器輸出禁止」を宣言したため、わずかな数しか調達できなかった。

代わりにフィアットCR.42レジアーネRe.2000を購入したが、能力不足は明らかだった。


1941年、国産戦闘機を開発することになったが、使用できる国産エンジンはP&W社のツインワスプを無断でコピーしたR-1830-SGC-3(1,065馬力)のみで、これで列強の最新鋭機に伍する性能を発揮させなくてはならず、サーブ社で設計されたJ21(サーブ21の戦闘機型)は双ビーム・推進式プロペラで、降着装置は前輪式という異形の機体となった。

また従来の脱出方法だとパイロットがプロペラに巻き込まれるため、射出座席を搭載することになった。

(斬新過ぎる機体のため、保険として同じエンジンを使用する無難な設計の戦闘機J22がFFVS(航空庁国立工場)で1941年より開発され、1942年9月20日に初飛行し、翌年からスウェーデン空軍に就役した)


1942年7月、スウェーデンはドイツからDB605Bエンジンのライセンス生産権を購入する事に成功。J21はDB605Bエンジンを前提に再設計される。

射出座席の開発などで難航したものの、1943年6月13日に初飛行。1945年4月にスウェーデン空軍に就役し、1948年までに299機が生産された。第二次大戦中に開発された推進式のレシプロ戦闘機としては唯一の成功例と言われている。


性能諸元(J21A-1)

全長10.45m
翼幅11.6m
空虚重量3,250kg
エンジンダイムラー・ベンツDB605B 液冷倒立V型12気筒×1
最大出力1,475馬力
最高速度640km/h
航続距離1,190km
実用上昇限度11,800m
乗員1
武装イスパノスイザ 20mm機関砲×1、ブローニングM2 13.2mm機銃×4(機首2、主翼2)

終戦後、J21はジェット化される事となり、デ・ハビランド「ゴブリン」ターボジェットエンジンに装換された試作機が1947年3月10日に初飛行。1949年8月よりスウェーデン空軍初のジェット戦闘機、J21Rとして就役した。

しかし開発の過程でレシプロとジェットの特性の違いが明らかになっていき、結局50%を再設計することになった。

1949年から配備されたが、既に次世代のジェット戦闘機J29(トゥンナン)が開発されていたため、攻撃機型のA21Rに仕様が変更される事となった。

だが後のサーブ製ジェット戦闘機の隆盛を考えると、本機における試行錯誤も無駄ではなかったと思われる。


性能諸元(J21RB)

全長10.55m
翼幅11.37m
空虚重量3,090kg
エンジンボルボ・フリューグモートルRM1A ターボジェット×1
推力13.3KN
最高速度800km/h
航続距離900km
実用上昇限度11,800m
乗員1
武装7.92mm機銃×8(ガンポッド)、ロケット弾8cm×10(もしくは10cm×10、18cm×5)

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レシプロ戦闘機 第1世代ジェット戦闘機 攻撃機 スウェーデン サーブ SAAB

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