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「クリフハンガー」「ダイ・ハード2」 レニー・ハーリン監督サバイバル・アクション!


概要

原題は「Deep Blue Sea

1999年とサメ映画を代表するアメリカの映画。金字塔であるジョーズ以降、様々な粗雑な二番煎じが上映され、正統続編すらどんどん評判を落としていくと覇権を握った途端に斜陽に落ち始めたサメ映画に指した一筋の光である。

ジョーズ同様「サメという脅威に襲われ、それに立ち向かう人間たち」という構図はとっているが、舞台は研究施設という閉鎖空間、人間に圧倒的不利な状況、そしてサメも群れな上に知能も強化されており、より残酷に動くという斬新な設定と世界観、そしてそのサメの設定を十全に活かした残酷な描写とアクション映画さながらの派手な演出、そしてこの手の映画では既に完成したテンプレであった「序盤で海をナメてる一般人が犠牲になる」「黒人が絶対に死ぬ」等のテンプレをいい意味で見事に裏切った。結果、制作費の約2.5倍以上の興行収入を納め、日本でもテレビのロードショーで何度も取り上げられるなどの人気を獲得、今ではレンタルビデオDVDが借りれる他youtubeでも有料で全編が見れるようになっている。

2018年には設定や世界観を一部変更したリメイク作、「ディープ・ブルー2」がDVDで販売された。


ストーリー

アルツハイマー病の治療薬を開発している研究施設「アクアティカ」。そこではサメの身体の特徴を利用し、これを用いてアルツハイマー治療薬を開発しようとしていた。

スポンサーで雇い主フランクリンも同席して見守る中、臨床実験がなされ、見事に実験は成功。歓喜する研究員たちだが、その時サメが一人の研究員を襲う。腕を食いちぎられ、緊急搬送される研究員だが、救助ヘリの不調でサメがいる水中に沈められる。それを利用したサメによりヘリは墜落、更にサメが研究員を搬送していた担架を使って施設を破壊し始めた。


登場人物

カーター・ブレイク

主人公。アクアティカの所員。精悍で逞しい男性。飼育中のサメの監視、サメが脱走した際の捕獲や実験の際に追い込む等の作業を任されている。

冷静な性格で、事故発生後はリーダーの役割となってアクアティカからの脱出方法を考え出したり、ショックで錯乱状態のスコギンズに問いかけをすることで冷静さを取り戻させた。最終的にプリーチャーと共に生き残る。


シャーマン・ダドリー(プリーチャー)

「バードの敵(かたき)だ」

アクアティカの専属料理人。ペットにオウムのバードがいる。敬虔なキリスト教徒で首には十字架ペンダントを下げている。第一世代に襲われてオーブンに逃げ込んだときにタイマーがスタートした際の「オーブンでコックが死ぬなんて冗談がすぎるぜ!」という台詞や、自分の遺言のビデオを撮る際のオムレツを作る時はは2つ、牛乳を混ぜるのは間違いだ」など、ところどころで皮肉や冗談を口に出すこともあるギャグ要員。

事故発生後、危険を察知し逃げたバードと離れ離れになり、冠水した通路で屋内に侵入してきた第一世代の一頭に遭遇してしまう。バードを第一世代に喰われてしまい、自身も襲撃されて逃げこんだオーブンのスイッチが運悪く入ってしまい窮地に追い込まれるが、偶然持っていたを使って脱出に成功する。オーブンから漏れたガスに火のついたライターを投げ、第一世代を火だるまにすることでバードの仇を討った。その後、カーターたちと合流。海上へ脱出した直後に第二世代に襲われるが、ロザリオを使ってサメの目を潰して、大怪我を負ったが生き延びる。カーターと協力して第二世代に止めを刺し、最終的に生き残った。

黒人は死ぬというコレまでのこの手の映画のセオリーを覆した伝説の黒人。


スーザン・マカリスター

ヒロイン。キマイラ製薬の研究員でアクアティカの医学研究部部長。サメの脳細胞を利用したアルツハイマー病の治療薬の研究を行っている。しかし、自らの研究とエゴを優先し、倫理規定を無視してサメの遺伝子改造を行ったり、第二世代を海中に逃がしてしまうなど、物語の諸悪の根源。逃亡中もそのことで、たびたび仲間と衝突する。しかし、肝心の研究データは第一世代を電気ショックで倒したときに帯電により破壊されてしまう。終盤に第二世代の本当の目的を知り、ようやく第二世代を殺すことを決意。第二世代を呼びよせるべく囮になるが、逃げ切れずに食い殺されてしまった。海上まで逃げれたのに第二世代に喰い殺されるという悲劇的な最期を迎えたが、それによって彼女の犯した罪が昇華された形になっている。

以上のような経緯から、スーザンは本作のヒロインではあるものの、同時にヴィランであったとも言える。サメの危険性とそれによる死者を多数確認した後も研究に固執し続け多数の犠牲者を出し続けるマッドサイエンティストぶりを発揮しており、最後には会心しているものの犠牲者の数や与えた影響の大きさは計り知れない。


ラッセル・フランクリン

大富豪でキマイラ製薬の社長。スーザンたちの上司でカーターの雇い主。アルプス登山するといった冒険家気質な性格を持つ。アルプス登山の際、雪崩で一週間雪に生き埋めになるも6人の仲間と共に生還した(途中で2人死亡)過去を持つ。

大富豪だが、重傷のジムを緊急搬送させるために莫大な報酬を提示して救助ヘリの運転士たちをその気にさせるなど、懐の深い人物。

事故発生後、スーザンを問いつめてサメの遺伝子操作をしていた事を暴露させ、スーザンたちに「体重4tのマコシャークは何を考えているか?」という謎かけをする。

その後、内輪揉めばかりするスーザンとスコギンスを一喝し、雪崩での真実(内輪揉めで2人が死に、「2人は雪で死んだことにした」と生き残った者同士で誓ったこと)を話して、「自然は過酷だが人間の残酷さには及ばない」と協力しあうように説得するが、その途中でいきなり第二世代に喰い殺されるという、衝撃的な最期を遂げた。その後、遺体は第一世代にも食いつかれて真っ二つにされている。


トム・スコギンズ(スコッグズ)

アクアティカの所員。アクアティカの建築構造に詳しい。第二世代からの脳細胞の抽出実験では各コンピューターのデータリンクを行うオペレーターを担当。小心者で、フランクリンがサメに喰い殺されたときはパニック状態に陥るが、カーターの問いかけに答えるうちに現状を理解して、協力して上に逃げることを決意した。水没した階段の排水のために、カーターとポンプの修理に向かい、装置を直すが、その直後に第二世代に喰い殺されてしまった。


ジャニス・ヒンギンス

アクアティカの所員で海洋生物学者。金髪ショートカットの美人。アクアティカに訪れたラッセルのガイドを任される。第二世代から脳細胞を抽出する実験では、サメの心拍数の計測を担当。同僚のジムとは恋人同士。

スーザンの遺伝子改造の一件を知り、「あなたって最低のバカ女」とスーザンを罵倒して、ジムを死においやった彼女を恨んだ。しかし小説版では、ジムの思い出を共有できるのはスーザンしかいなかったために、やがて彼女と和解した。最期はエレベーターシャフトの梯子で上にあがる途中に、梯子から水に落ちて第一世代に食い殺された。


ジム・ウィットロック

アクアティカの所員で医療学者。ジャニスとは恋人同士。スーザンと結託して、サメの遺伝子改造を行っていた。サメの脳細胞を抽出する実験で、実験が成功した直後に、突然麻酔から目覚めた第二世代に右腕を食いちぎられてしまい、瀕死の重傷を負う。この時点では、まだ一命をとりとめていたが、担架に乗せられたまま救助ヘリに運ばれる途中で電動ウィンチの故障でサメのいる海中に落下、第二世代に担架ごとくわえられて、生きたまま実験室の防水ガラスを破壊する道具にされてしまい(サメによって防水ガラスに担架ごと投げつけられた)、その後死亡。


ブレンダ

アクアティカの所員で、施設の通信係を担当。陽気な性格で、よく大音量で音楽を鳴らしては踊ったりしている。第二世代によって救助ヘリが通信室に衝突した際の爆発に巻き込まれて命を落とした。


サメ

スーザンに遺伝子改造を行われた結果、人間並みの知能を持ったサメ。ときには連携して人間たちを追いつめていく。


種類はアオザメ(マコ・シャーク)。サメ映画の敵役はジョーズよろしくホホジロザメが担うことが多い中、かなりマニアックなチョイスと言える。

アオザメはホホジロザメに比べて鼻先が鋭く目が大きいことからよりスマートな印象を与えるフォルムを持ち、並外れた知能を持った怪物ザメとしてのイメージにはよりマッチしていると言えるか。


当初は実験に使われた復讐で人間たちを追い立てていると思われたが、その真の目的はアクアティカを水没させることで外海へ出て自由を得ることであり(研究所と柵は一体構造で、研究所が水没すれば柵も沈む。海中の柵はチタン製で破壊不可能だが、海上の柵は鉄製なので食い破って外に出ることができる)、原題の「Deep Blue Sea(深く青い海)」はサメの最終目的を示していた

サメたちが時に直接的に、時に間接的に施設の浸水を引き起こしていたのは、全てこの最終目的を達成するためだったのである。


第一世代

雄雌の番(つがい)が登場。全長は3〜4mほどで、通常のアオザメとしては最大級の個体。

第二世代と比較すると小柄だが、二匹で協力して狩りを行い、エサとしてイタチザメを喰らうなど十二分に凶暴かつ危険。銃を武器と認識して素早く撤退するなど知能も高い。

冒頭ではうち一匹が外海へと逃げ出し、ボートを楽しむカップルに襲いかかるが既のところでカーターによって捕獲された。


一匹はアクアティカの浸水に乗じ、海上フロアから階段を経由して真っ先に所内に侵入。

地下1Fのキッチンでバードを捕食、続いてプリーチャーをも襲うが、彼の奇策で引き起こされたガス爆発をまともに浴びて挽肉になった。


二匹目は第二世代とともにラッセルを食らったのち、水圧を抑えきれなくなり浸水した最下層から所内へと侵入。シャフト内で梯子から落下したジャニスを食い殺した。

その後は半分以上浸水した地下2Fに潜んでおり、研究データを回収しに自室へ戻ったスーザンに襲いかかる。最終的に卓上に逃れた彼女に踊り掛かったところに電気ケーブルを口内に突っ込まれ、感電死した。


第一世代の撃破方法(爆死、感電死)についてはジョーズ・ジョーズ2のオマージュという説がある。


第二世代

第一世代の子供とされる巨大ザメ。性別は雌。

全長7.5m体重4tという超弩級個体。更に人間を婉曲な罠にかけるなど第一世代以上の知能を獲得しており、その怪物ぶりは遺伝子改造サメたちの中でも群を抜く。

施設の崩壊は勿論のこと、ジャニスを除いた登場人物たちの死は全てこの第二世代によって引き起こされていると言えばその凄まじさが分かるだろうか。


中盤では不慮の事故で海中に落ちてしまったジムの担架ごと救助ヘリを引き摺る形で通信室に激突させ、ヘリの乗員諸共ブレンダを死亡させる。この事故で大規模な爆発と延焼が発生し、アクアティカの海上フロアは半壊に至った。

続いてジムの担架を用いて地下2Fの実験室の防水ガラスをぶち破ることで致命的な浸水を生じさせ、その後は地下3Fの潜水艇を破壊して脱出手段を奪う、スコギンスを喰い殺すついでに排水ポンプの起動装置を破壊するなどし、(恐らくは意図的に)人間たちが各所を浸水させながら上層へ逃れるよう仕向けていく。


最終盤にて目論見通り鉄製の檻を破り外海へと出ようとするが、動物としての本能には抗えず自ら出血によって囮となったスーザンに誘き寄せられる。そのままスーザンは喰い殺したものの、その隙に手製のダイナマイトが装備されたを鰭に撃ち込まれ、檻を突き破った直後に大爆発して木っ端微塵となった。


なお、その巨体からか入り組んだ施設内に侵入するシーンはなく、浸水した所内での遭遇は地下2Fの巨大実験室のみ。


余談

2003年に、BBCのテレビシリーズ「THE BLUE PLANET」をディレクターズカットして映画にした作品として同名のタイトルの映画が上映された。

フィルハーモニーの心地よい音楽とナレーションによる物語調の映像説明によって美しい海の世界を魅せる。海の世界のドキュメンタリーのためサメも出るが主題ではなく、魚類だけに関わらず海生ほ乳類から無脊椎動物など、あらゆる海の生物の美しくも残酷で感動的な生命の躍動を映し出している。

このディープ・ブルーが上映されていた時期、まだテレビは昼間に洋画ショーをしており、局によってはサメ映画の方のディープ・ブルーが上映されていたため、人によっては2つの血色の違うディープ・ブルーに困惑した人が何人も出た…かもしれない


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サメ映画

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