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CV:森川智之


概要

超人オリンピック編に登場したブラジル出身の超人。多彩な関節技を使いこなし、「関節技(サブミッション)アーティスト」の異名を待つ。


d.M.pのアジトにて悪行超人の子として産まれたが、「最凶の悪行超人になるには正義超人の格闘技術も見過ごせない」と考えた両親の手によりオーバーボディを着せられ、ブラジルに住む寝技と関節技のスペシャリスト・パシャンゴの元に預けられる。当初は早くアジトに帰ることを夢見て修行に打ち込んでいたが、いつしか関節技の面白さにハマり、本来の目的を忘れて修練に没頭するようになる。

そして15年後、d.M.pのアジトが壊滅したことを知りようやく自分が悪行超人出身だということを思い出すが、幼い頃から正義超人として育てられてきたヒカルドは顔も覚えていない両親の死を悲しむことができなかった。

その後、スパーリング中にヒカルドの正体を知ってしまったパシャンゴは正義超人としてヒカルドを征伐しようとしたが、血を見てしまったヒカルドは悪行超人としての本能を抑えられないまま逆にパシャンゴを殺害してしまう。我に返ったヒカルドは無惨な姿になったパシャンゴを前に何が起こったのか理解できず、兄弟弟子達に医者を呼ぶよう叫ぶことしかできなかった。(実はこの時点ではパシャンゴは瀕死の状態ながらも生きていたが、弟子達が医者を呼びに行っている間に再び本能に呑まれてしまったヒカルドの手によって止めを刺されてしまったことが後に明らかになる)

尊敬する師を殺めてしまったことはヒカルドにとって大きなトラウマになっており、後の万太郎戦でもその時の罪悪感に縛られ冷静さを失っていく様子が見られる。


師の教えである「正義超人は必ず最後までリングに残れる者」という考えを信じて成長したが、オーバーボディが破れると本来の悪行超人の本能か相手を血祭りに挙げないと気が済まない残虐なファイターへ変貌する、正義超人の心と悪行超人の心を持つ多重人格超人である。本人もそのことに苦悩しており、自身のことをあくまで正義超人として認識しているという、所謂「昨日の敵は今日の友」という展開が売りである『キン肉マン』シリーズでは珍しいタイプのキャラクター。

彼の正義超人でありたいという気持ち自体は紛れもない本心なのだが、彼の周りの人物はいずれも彼が正義超人であるということをはっきりと否定している


  • 例え覚えていなくとも両親の死を悲しむことができないような奴に正義超人は名乗らせないと言うジェイド(ジェイド本人は天涯孤独の身のためこの発言自体は理解できなくもないが)
  • 例え正義超人として育てられてもその体にはドス黒く冷たいものが流れていると指摘するブロッケンjr(しかもこの時のイメージの中に超人血盟軍の同士であるはずのアシュラマンの姿が描かれている)
  • 正体を知った瞬間自分が長年育ててきた弟子を容赦なく倒そうとしてきたパシャンゴ(襲いかかる直前に「主はワシのかわいい弟子」と発言するなど、弟子への情が皆無だったわけではないようだが)

ヒカルドに対して性悪説を唱えるというのなら彼だけではなく、バッファローマンアシュラマンネプチューンマンなどの元・悪行超人や残虐超人(悪行超人の一派)ブロッケンマンの血を引くブロッケンJr.自身にも性悪説が適用され、正義超人を名乗る資格が無い事になってしまう。

またコンビニコミックのオマケコーナーのインタビューでもヒカルドは「誰が何と言おうが、オレは正義超人だ!見た目や過去の経歴などでとやかく言われるのなら、あのバッファローマンなんて完全に悪魔超人じゃねぇか!なあ?」と語っている。

しかし、作中では誰一人として彼の「自分は正義超人である」という主張を聞き入れようとしなかった。


ヒカルド自身も本性を現した際に


「そうさ、オレは悪行超人の両親の元に生まれたため、いくらクリーンでフェアなヒカルドでいようとしても一度血を見てしまうと"暗黒の主"バージョンのヒカルドにスイッチが入ってしまい、どうしようもなく相手を血祭りにあげなきゃおさまらなくなっちまうんだ!」


と叫んでおり、これを所詮は開き直っているだけで本性は血が大好物の偽善者と取るか、正義超人の志と悪行超人の本能の狭間で苦しんでいるヒカルドの悲痛な叫びと取るかは読者次第である。


二面性

「関節技(サブミッション)アーティスト」の姿はオーバーボディである。

通常はこの姿で正義超人として試合に臨むが、オーバーボディが破れると、本来の姿である悪行超人の血を抑えきれない残虐なファイター「暗黒の主(ロード・オブ・ダークネス)」へ変貌する。

因みに、本来の姿はピラニアの化身超人であり、鋭い牙を備えているのみならず全身は細かいうろこに覆われている。

関節技(サブミッション)アーティスト

【キン肉マンの日2012応援企画】オーバーボディヒカルド


暗黒の主(ロード・オブ・ダークネス)

270 キン肉マン二世 暗黒の主 ヒカルド


活躍

d.M.p壊滅の一年後、超人オリンピック ザ・レザレクション編にてブラジル代表超人として初登場。

予選を突破し、決勝トーナメント一回戦で摩天楼を難なく破る。

この時仮面の一部が剥がれて素顔の一部が露出し、その正体が示唆されていた…。


続く二回戦ではジェイドと対戦。オーバーボディを剥がされたことで大観衆の前で自身の生い立ちを明かし、必殺技「トーチャー・スラッシュ」でジェイドに重傷を負わせて勝利した。

尚、トーチャー・スラッシュのモーション中にジェイド陣営がタオルを投げたことを確認しながらもとどめを刺したことが審議となったが、ヒカルド自身の「技を停められなかった」という主張が大会運営に認められたことでヒカルドの勝利という判定になった。


準決勝ではリング中央にパニッシュメントX(無数の剣が付いたX型の置物)が配置された特設リングでキン肉万太郎と対戦。二回戦で本能を抑えきれずにジェイドに重傷を負わせてしまった負い目からオーバーボディを纏った姿で試合に臨む。

ルール上認められているパニッシュメントXを使用せず、自分を恐れて満足に戦えない万太郎を気遣う、万太郎が「やっぱりクリーンな関節技アーティストじゃなきゃ」と言いながらセロテープでオーバーボディ補修に対し礼を言うなど、あくまでクリーンな正義超人としてのファイトを貫こうとするが、ブラジルから駆けつけた兄弟弟子達の証言でかつてパシャンゴを殺害したことを告発され、さらにパシャンゴの遺品の羽根飾りから出現した幻影に「お前の体には自分を惨殺したドス黒い悪行超人の血が流れている」と指摘されてしまう。(尚、これがパシャンゴの亡霊だったのか、ヒカルドの罪悪感が見せた幻だったのかは不明だが、現れたのがヒカルドに殺害された際の血塗れの姿だったことから後者の可能性がある)

観衆からも「親と同じくらい敬わなきゃならない師匠を惨殺するなんて」「やっぱりあいつは正真正銘の悪行超人」と見放され、ついに誰一人として味方がいなくなったヒカルドにはもはや悪行に堕ちる以外に道はなく、暗黒の主(ロード・オブ・ダークネス)としての姿を解放し、本能のままに万太郎を痛めつける。

しかし、最後は火事場のクソ力を発動させた万太郎に敗北。薄れゆく意識の中、死んだ両親の幻影(亡霊)に諭されたヒカルドはついに正義超人になる事を諦め悪行超人道を邁進する事を決意し、傷ついた体のまま会場を去っていった。


正義超人として育てられ、正義超人でありたいと願いながらも周囲の無理解もあって悪行超人の子と言う自らの血統を覆す事が出来なかったが故の悲しい決断だった。


余談

ヒカルドに限らず『キン肉マンⅡ世』では血統差別のような描写が多く、読者の間で作品の評価が分かれるポイントの一つになっている。

特にヒカルドのエピソードについては一切の救いなどが描かれなかったため、スカーフェイスハンゾウのように後のエピソードでの活躍を期待する声も多かったが、その後再登場することはないまま作品は完結した。

似たような境遇のキャラクターを挙げるとすれば、やはりキン肉スグルとなるだろうか。ウルドラマンに憧れて「正義の味方」を志していたが、周囲から「ダメ超人」と見下され、親の顔も知らないまま貧困の中で育った男である。そんな彼が「正義超人」として皆に認められたのは、生き方や信念を変えなかったからだ。

ハンゾウもまた醜い容貌から差別され続け、対戦者の顔を切り取らなければいられない衝動を持っていたが、正義超人として勝利したことで克服している。

ヒカルドにも彼らのような生き方ができれば「正義超人」と認めてくれる者がいたかもしれない……。(そもそも『Ⅱ世』の作中でも悪行から正義への転向を果たした超人の前例はある)

作者のゆでたまご氏もこれらの点については反省しており、その影響か現行の『キン肉マン』ではサタン編にてジャスティスマン「罪人の子孫は罪人ではない」と語っている。時系列は異なるが、作中で一切救いのなかったヒカルドに僅かな光が差した瞬間かもしれない(よりによってこの言葉を1番聞かなければいけない奴が気絶していたという不穏要素もあるのだが…)。


ちなみに原作では万太郎に敗れ会場を後にしたところで出番を終えたが、アニメ版では決勝戦の会場に姿を現し万太郎を激励している。


関連タグ

キン肉マンⅡ世

正義超人 悪行超人

オーバーボディ

哀しき悪役

ダークヒーロー


関連キャラクター

ウルトラマンジードウルトラマンタイタス…二人とも「悪の血統に産まれながら正義のヒーローとして活躍している」と言うヒカルドが望み・夢見ながら叶わなかったif展開の体現者である。

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