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概要

ギリシャ神話に登場する英雄。ヘラクレスの友人で、かつて彼の火葬に名乗りを上げたポイアスの息子で、自らもヘラクレスとは友達以上の関係である。


ギリシャ神話でもトップクラスの弓の名手としても知られ、トロイア戦争以前にはアルゴナウタイにも参加した。(※1)

彼の持つ「ヘラクレスの弓」とはヒュドラ退治に使用していた弓そのものであり、ヒュドラ退治後には矢にヒュドラ毒を塗って文字通りの必殺武器としたもので、ヘラクレスの火葬の見返りに受け継いだ。


ギリシャ一の美女ヘレネーに求婚していた時期があった為、トロイア戦争に参加を命じられたが、ある時、毒蛇に噛まれてしまう。毒は中々治らず、それどころか、噛まれた足からの悪臭が激しすぎて戦争に向かうどころではなかった。

これは士気に関わると見たオデュッセウスは一旦、彼をレムノス島に置き去りにする事にした。

彼はオデュッセウスへの恨みを胸に毒の痛みに耐えながら、10年間をレムノス島の洞窟で暮らした。幸いにも彼はヘラクレスの弓を持っていたので、獲物を狩って食い繋ぐ事は出来た。


「彼の持つヘラクレスの弓無くしてはアカイア軍に勝ち目なし」と予言を賜ったギリシャ軍はピロクテーテースを連れ戻しにレムノス島へ向かうと、ピロクテーテースは酷くやつれた姿で激昂したが、程なくしてオデュッセウスの命でやって来たアキレウスの息子であるネオプトレモスとも打ち解けた。彼の「自分もオデュッセウスに父の鎧を取り上げられて悔しいのだ」という嘘の身の上話をあっさりと信じ込んでしまったのである。

しかし、それでも彼が戦線復帰を断固拒否するので、オデュッセウスはヘラクレスの弓を取り上げる事にした。

ネオプトレモスは計略のためと言えど友情を踏みにじった事に罪悪感を覚え、周囲の反対を押し切り、弓を返却。

この行為に感動した彼は神となったヘラクレスの後押しもあり、本格的に戦線復帰を果たすのだった。(ソポクレスの「ピロクテーテース」より)

そもそもな話、難くなに復帰を拒んで足を引っ張るピロクテーテースの参戦を待つよりも、オデュッセウス本人としては絶大な威力を持つヘラクレスの弓さえ入手できれば良いという心境だったようだが、ヘラクレスの弓を使いこなせるピロクテーテースが出陣しなければアカイア軍に勝ち目が無かったのは想像に難くない。いかに弓の腕に覚えのあるオデュッセウスと言えどヘラクレスの弓を使いこなせるとは限らないのである。


まず、彼は解毒の為にアスクレピオス神の息子であるポダレイリアスの下に赴き、治療を施される。

解毒された後の彼の戦果は目覚ましいもので、ヘラクレスの鎧を装着して、トロイアの王子パリスを射抜き、トロイの木馬に乗り込んでトロイアの陥落にも貢献したという。


晩年は現在のイタリア南部にあるカンパニア(※2)に流れ着いて数々の都市を建立した事で人々からの尊敬を集めた。


トロイア戦争の高名な英雄というのは大抵悲劇的な最期を迎えるものだが、彼はハッピーエンドを迎えた数少ない例であると言える。ただ、故郷には帰れなかったのは残念という他ないが。



注釈

(※1)時系列的にはヘラクレスが死亡する前なので、ヘラクレスの弓は持っていないと思われる。しかし、ピロクテーテースではなく、父をアルゴナウタイに数えるバージョンもある。

(※2)もっと噛み砕いて言えばナポリがある地方。



余談

一説によれば、彼は毒蛇に噛まれたのではなく、ヒュドラの毒を塗ってあったヘラクレスの矢をうっかり落としてしまったという説も存在する。ケイローンヘラクレスは不死身であるが故に永遠に苦しみ、ケンタウロスなら一発で死んでしまうほどの毒を生身の人間である彼が10年間も耐え続けている辺り、もはや人間やめてるレベルである。

また、ケイローンも医学の神としての側面があるが、そんな彼でさえも解毒できなかったヒュドラの毒を解毒できるようになったアスクレピオス一族の医療技術も目を見張るものがある。流石は人間を死から蘇らせた一族と言ったところか。

ただ同様にヘラクレスの矢で射抜かれたパリスも即死せずに元妻のところまで行けたりもしていたので、この時代になると矢に付いたヒュドラの毒も流石に薄まってきていたのかもしれない。治療が可能だったのも薄まっていたからということか。


ちなみに、高名な英雄である事に違いはないが、トロイア戦争を描いた「イリアス」には実の所、名前ぐらいしか登場しておらず、本格的な活躍はスミュルナのコイントスの「トロイア戦記」やソポクレスの悲劇「ピロクテテス」などで描かれている。



表記揺れ

ピロクテテス、フィロクテテスなど


創作作品での登場

この作品では人間ではなくサテュロスとして登場。

ヘラクレス以前にはアキレスを弟子に取っていたが、アキレウスが踵をやられて死亡した事で自らの弟子が星座になるほどの英雄として語り継がれるという夢を断念せざるを得なくなったが、ヘラクレスを弟子に取った事で再び夢に挑戦する事となる。

ポジションはそのまんまヘラクレスの師匠であるケンタウロスケイローンであるが、原典の神話ではケイローンが弟子を取った順番はこの映画とは全く逆。アキレウスが星座にならなかった事自体は現実でも同様である。時系列が原典以上にあべこべなのはディズニーでよくある事である。


神煌臨編第2章「蘇る究極神」にて彼をモデルにした緑属性のスピリット「トロイオンの勇士ピロクテテス」が登場。

四足の肉食獣のような外見をしており、背中から生えた樹木のような二本の腕で弓を番えている。


  • ファルキューレの紋章

人属性のRカードとして登場。

姿は原典とは似ても似つかぬギリシャ風の衣装を銀髪緑眼の美少女の姿をしており、弓の類は所持していない模様。しかし、スキルに「手負いの一矢」を持っている事から、一応原典の要素も生きている模様。


  • 逆転オセロニア

竜属性のB駒として登場。

外見は弓を構えた紫髮の青年の姿をしており、竜属性という事もあって尻尾が生えているのが特徴。

また、原典を意識したのか足を負傷している他、「ヘラクレスの加護」というスキルを備えている。



関連タグ

ギリシャ神話 イリアス オデュッセイア

トロイア戦争 オデュッセウス ヘラクレス

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