解説
本名：マーガレット・“ペギー”・カーター（Margaret "Peggy" Carter）。
主にスティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカの、大戦中の恋人として登場する職業軍人。
S.H.I.E.L.D.の創設にも関わった人物。
コミックにおける初登場は1966年であり、シャロン・カーター / エージェント13が登場した頃はペギーが姉という設定になっていたが、21世紀を舞台とする作品では叔母として再設定され、彼女自身は高齢か、あるいは死亡している。
MCU版
演：ヘイリー・アトウェル、日本語吹替：園崎未恵
映画第6作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で初登場。
イギリスのロンドン出身。以前にはイギリス空軍と特殊空挺部隊、秘密情報部に勤務し、1940年にSSR入隊。
コミック同様、S.H.I.E.L.D.の創設に関わる。シャロンの叔母でもある。
以下、時系列順。
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
ヒドラに捕らわれていたエイブラハム・アースキン博士を救出し、アメリカ軍のスーパーソルジャー計画に携わる。
スティーブが参加していた訓練を視察、彼の精神的素質を見抜き、アースキン博士とともに彼を被験者に推薦する。
スティーブが結成を投与された後は、バッキー・バーンズら107部隊がヒドラに拿捕された戦線に従事。スティーブが彼らを救出すると聞き、ハワード・スタークとともに彼を基地近くまで連れていく。
その後も戦いを通じてスティーブと仲を深めていくが、レッドスカルとの最終決戦において敵の戦闘機に乗り込む彼にキスをして見送り、レッドスカルを倒したスティーブと無線で会話、それが長き別れの最後の会話となった。
エージェント・オブ・シールド シーズン2
第1話『新生S.H.I.E.L.D.始動』と第8話『兄弟の再会』において終戦直後を描いたシーンに登場。
ハウリング・コマンドーズを率いてヒドラの拠点を襲撃、レッドスカルの弟子であるワーナー・ラインハルト(後のダニエル・ホワイトホール)を逮捕し収容所で彼を尋問した。このとき作中の重要アイテムの一つであるオベリスクを回収している。
これ以外にも劇中に顔写真や名前が度々現れる。
マーベル・ワンショット エージェント・カーター
ヒドラとの戦いから1年後、SSRの内勤をしていたが連絡を受けて単身、謎の組織「ゾディアック」に関する事件にかかわる姿が描かれる。
事件後はハワードに設立したばかりのS.H.I.E.L.D.の設立メンバーとして呼ばれSSRを去っていった。
エージェント・カーター シーズン1
主役作。
1946年の頃、SSRの一員として秘密組織“リヴァイアサン”との戦いが描かれる。
兵器を密売した濡れ衣を着せられたハワードを助けるため彼の頼みでハワードの執事エドウィン・ジャーヴィスと共に奔走し事態を収束させた。
エージェント・カーター シーズン2
1947年頃、SSRのエージェントとしてハリウッドを舞台に「ゼロマター」に関わる事件が描かれる。
ゼロマターに関わる科学者ジェイソン・ウィルクスと親密な関係になっていくが一方で同僚で本シーズンでは上司になったダニエル・スーザのことも気になっており三角関係のような状態に。
「ワンショット」から1年が経過しているのになぜかSSRに在籍したままという矛盾が起きているがショーランナーのミケーレ・ファジーカスは「ワンショット」がドラマ版の後に起きた出来事であることを示唆する話をしており、一方で原案のスティーヴン・マクフィーリーはワンショットの真ん中に位置すると語っておりこの一件に関する真相ははっきりしていない。
アントマン
冒頭の1989年時のシーンにS.H.I.E.L.D.の幹部として、年季が入ったハワードと共に登場。
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
現代において復活したスティーブと再会する。
だが既に高齢で寝たきりの状態であり、更に認知症を患っている。
なお、このときに姪のシャロンが初登場するが、このときにペギーとの関係性はスティーブへ伝わっておらず、映画を見たファンがクレジットを見るなどして知るにとどまった。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
本人ではなく、ワンダ・マキシモフがスティーブに見せた幻覚として登場。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
スティーブやトニー・スタークらがソコヴィア協定について議論している最中、スティーブに訃報が入る。
故郷のロンドンで行われた葬式にはスティーブ、サム・ウィルソン、そして姪のシャロンが参列した。
アベンジャーズ/エンドゲーム
1970年、キャンプ・リーハイに勤務する彼女を、タイムスリップしたスティーブが目撃する。
また、過去にとどまることを決めたスティーブと再会したペギーが、一緒にダンスを踊るシーンで本編が終わる。
『ザ・ファースト・アベンジャー』の別れの時に交わした、「ダンスをしよう」という約束が、遂に果たされたシーンである。
ホワット・イフ...?
第1話に登場。
『ザ・ファースト・アベンジャー』における超人血清投与実験の際、本来の歴史とは居場所を変えたがために、ヒドラのスパイの行動にいち早く気づいた結果、スパイに撃たれたスティーブの代わりに血清を投与され、キャプテン・カーターとなる。
（イギリス出身なので、星条旗ではなくユニオンジャックがあしらわれている）
当初はSSR責任者であるフリン将軍が男尊女卑思想のもと、血液を採取されるだけで終わるはずだったが、戦争を早く終わらせるためにヒドラが確保した四次元キューブを奪取したことで、戦線で戦う道を選ぶ。
その後、スティーブの代わりにヒドラに捕まったバッキーたちを救い、またスティーブも四次元キューブを原動力としたパワードスーツ「ヒドラ・ストンパー（ヒドラを踏み潰すもの）」を装着して戦えるようになったため、スティーブやバッキーらとともにヒドラ殲滅任務に当たる。
だが、最後の戦いでヒドラが異世界から召喚した怪物を押し戻すため、世界から消失。
再び目覚めたときは、2012年のS.H.I.E.L.D.施設にいた。その場にいたニック・フューリーやクリント・バートンから戦争が終わったことを教えられ、ほっとしつつも、スティーブたちと二度と会えないことに落胆するのだった。
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
以下ネタバレ注意
上記『ホワット・イフ...？』とは別人の、並行世界【アース838】のキャプテン・カーターとして登場。
ここではイルミナティのメンバーの1人となっている。
中盤、侵攻してきたスカーレット・ウィッチを迎撃すべく、仲間たちと共に出撃。マリア・ランボー / キャプテン・マーベルとの連携でそこそこしぶとく戦いぬいたものの、最後は投擲したシールドを超能力で投げ返され、それが腹部を貫通したことで敗死した。
ちなみにこの殺され方は何の因果か、『ホワット・イフ...？』でゾンビになったキャップの最期を彷彿とさせるが、監督繋がりからあるヴィランの最期のオマージュという説もある。
なお公開からしばらく経って演者のヘイリー・アトウェルは、この『マルチバース・オブ・マッドネス』におけるカーターの扱いに対し
「不満だった」「『ホワット・イフ...？』の方が遥かにやりがいがあった」
