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概要

連続時代劇『必殺シリーズ』の括りの一つで、『必殺からくり人』『必殺からくり人・血風編』『新必殺からくり人』『必殺からくり人・富嶽百景殺し旅』の4作品からなる。

1976年から1978年にかけて断続的に制作・放送された。


タイトルや一部の要素こそ共通しているが、設定や時代背景は作品ごとに大きく異なっている。

また、シリーズの中でもとりわけ実験的な要素を多く取り入れた。以下リストへ一例を示す。

  • 裏稼業者の集まりが家族同然の絆を持つ。
  • 歴史上の有名人物が裏稼業者として登場。
  • 殺しをこなすため各地を旅する。

なお、いずれの作品も1クールで完結しており、『血風編』以降、2クール以上の作品の前後に1クールの作品が入る形がシリーズに定着。『必殺仕事人』誕生後における必殺シリーズの放送間隔の下地を確立させることとなった。


必殺からくり人

1976年7月から同年10月にかけて放送されたシリーズ第8作。全13話。


メインライターに当時NHKドラマなどで高い評価を受けていた早坂暁を迎えた。


「家族のような絆を持つ裏稼業集団が、弱者の晴らせぬ恨みを晴らしつつ全編を通しての巨悪に挑む」「鼠小僧蛮社の獄といった史実が話に関わってくる」「主人公側は元締ばかりか殺しの実行者さえも金を受け取る事なく殺しを行う」といった、シリーズとしては独自色の強い作風が特色。

この独自性ゆえに視聴率こそ苦戦したが、ドラマとしては当時極めて高い評価を受け、本作第2話は日本の放送文化に貢献した番組・個人・団体に贈られる「ギャラクシー賞」の選奨を受賞した。


本作のサブタイトルは過去作に倣い、「〇〇に××をどうぞ」で統一されている。

主題歌は、川谷拓三が歌う「負け犬の唄(ブルース)」。


必殺口上

雨が降ったら傘をさす (①)

辛い話は胸をさす (②)

娘十八、紅をさす (③)

魔がさす、棹さす、将棋さす (④)

世間の人は指をさす (⑤)

許せぬ悪に (①)

とどめさす (⑤)


(語り:①山田五十鈴、②芦屋雁之助、③ジュディ・オング、④森田健作、⑤緒形拳)


登場人物

からくり人

安眠枕売りを表稼業とするお調子者の男。本作の語り手も担う。

恋人を助けようとして彼女に絡んだ男を誤って殺害してしまい、八丈島に島流しとなった過去をもつ。

殺し技は、枕作り用のもので相手の首筋を斬る「鉄べら」。場合によっては斬るのでなく刺したり、短刀や銃を用いたりしたこともあった。


花火師の男。花火の色から「血染めの天平」の異名で知られる。

けんかっ早くぶっきらぼう。優しい一面も持つ。女心には疎い。

殺し技は、特製のものを標的に呑ませて体内で爆発させる「花火」。


骨董屋「壷屋」の主人。からくり人の初代元締。

天平を除いては皆が八丈島の罪人とその家族であったからくり人達を連れて島を脱走し、正体を隠して表稼業として壺屋を開き、裏ではからくり人として活動していた。

「銭を持たない人間からは銭を受け取れない」との方針で裏稼業の元締を行い、外道裏稼業者集団・曇り一家と対立していた。


  • 花乃屋仇吉(演:山田五十鈴)

芸者置屋(宿舎)「花乃屋」女主人たる三味線弾き。本名は「お艶」(えん)。

蘭兵衛の元配下。彼の後を継いでからくり人の元締となる。

元は深川の芸者だった。絵師の恋人に騙されて異国人の慰み者にされ、芸者を続けられなくなり、復讐を試みるも捕らえられ八丈島へ島流しにされた、という悲惨な過去を持つ。それゆえに「涙以外とは手を組まない」との信念のもと、蘭兵衛亡き後、曇り一家と対立することになる。

殺し技は、悪人の首筋を切り裂く「三味線の撥」。


仇吉の娘。からくり人の密偵。

仇吉の島流し先であった八丈島の生まれ。

読唇術を用いて悪人の密談の内容を把握し、仲間たちに知らせる。

天平に恋心を寄せているが、彼が実兄とは知らない。


花乃屋の番頭。仇吉の屋形船の船頭にして彼女の用心棒。

からくり人のまとめ役と言える存在。情に厚い。

特定の殺し技を持っておらず、短刀を用いての殺害、並外れた怪力を活かしての首を絞めたり相手の首の骨をへし折ったりするなど状況に応じて様々な技を用いた。


  • 八寸のへろ松(演:間寛平)

関西弁が特徴の青年。

藤兵ヱの息子。「壷屋」で働いていた。天平と掘っ立て小屋に住んでいる。


その他

  • 曇り(演:須賀不二男)

裏稼業者集団「曇り一家」の元締。

裏世界では情報網や組織力を駆使して確固たる基盤を築いているばかりか、表世界では幕閣上層部、有力商人とのパイプも持っている。

金さえ詰まれればいかなる外道仕事でも引き受ける方針から、からくり人たちと対立し、「曇り一家」は最終話まで何度もからくり人と激闘を交わした。


必殺からくり人・血風編

1976年10月から翌年1月にかけて放送されたシリーズ第9作。


諸般の事情により『新必殺仕置人』の制作が遅れる中、『新仕置人』放送短縮分の穴埋めとして急遽制作された。

都合上、他のシリーズ作品と関連する要素がほとんど見られない。


官軍が攻め入る寸前である幕末期の江戸が舞台。


本作のサブタイトルは「〇〇する紅い××」で統一されている。


必殺口上

さよならだけが人生か

それなら今日(こんち)はなんなのさ

昨日勤皇 今日佐幕

昨日ほんとで今日は嘘

雨は振る振る 血の雨が

人の情けは泥まみれ

明日天気になぁれ


(語り:芥川隆行)


登場人物

からくり人

  • 土佐ヱ門(演:山崎努)

品川の駕籠屋「白濱屋」の下働きの男。その正体は薩摩藩の密偵で、本名は一切明かされていない。

武士としてはいささか大雑把かつ豪快な性格で、官軍の横暴ぶりに怒りを感じるなど、正義感は強い。

殺し技は、ライフルや拳銃などを相手の息の根が止まるまで撃ちこみ続ける「銃」。


女郎斡旋業を営む男。

親に捨てられたところを女郎に拾われて育てられた過去を持つ一方、仲間の女郎から性的虐待を受けたことがあったため、女性に対して「女郎には優しいが女は嫌い」という複雑な心境を抱いている。

殺し技は、悪人の首を砕いたり蹴り殺したりする「体術」。足の指を用いて行う。


  • 新之助(演:ピーター(池端慎之介))

寺の雑用。

男の娘かと見紛うほどの美貌を持つが、河内弁で歯切れよくしゃべる。

殺し技は、口から飛ばして悪人に突き刺す「針」。とどめを刺す際、突き刺した針を指で深く押し込む。


  • おりく(演:草笛光子)

先代の急死を機に元締を継ぐこととなったという、からくり人の元締。

表稼業では「白濱屋」の女将をしている。

殺し技として「鎌」を用いるようだが、見届け役がもっぱらで実際に殺しを劇中で行うことはなかった。


新必殺からくり人

1977年11月から翌年2月にかけて放送されたシリーズ第11作。

配役や役名は『必殺からくり人』を思わせるものとなっている。


シリーズ初の「旅もの」であり、主人公たちが依頼を受け旅をし、行く先々で裏稼業を行う、という異例の設定が特色。

他にも、レギュラーメンバーの一人や依頼主が歴史上の偉人だったり、依頼にかの有名な浮世絵『東海道五十三次』が用いられたりする。


本作のサブタイトルは『東海道五十三次殺し旅 【その回で立ち寄る地名】』で統一されている。

主題歌は、みずきあいが歌う「惜雪」。


必殺口上

人の一生は旅に似てると言いますが 本当にそうでございますね

私 安藤広重が 旅を描きました東海道五十三次

奇麗ばかりで少しも人のため息が聞こえてこないとか そんなことはございません

一枚一枚に切羽詰った恨みとつらみ つまりは殺してもらいたい人間を そっと描きこんである仕掛け

お艶さん よっくご覧の上 東海道五十三次殺し旅 よろしくお願い致します


(語り:緒形拳)


登場人物

からくり人

  • 泣き節お艶(演:山田五十鈴)

旅芸人一座の座長にして、からくり人の元締。

天保の改革で江戸を追われ、ひょんなことから一座の小屋も燃やされてしまい途方に暮れるが、その矢先にある男から悪人たちの始末を頼まれ、「東海道五十三次殺し旅」に出発することに。

殺し技は、相手の喉笛や首筋を斬ったり突き刺したりする「三味線の撥」。


  • 蘭兵衛(演:近藤正臣)

お艶の一座の小屋に突如逃げ込んできた男。

医者を名乗り、「東海道五十三次殺し旅」に出発した一座に飛び入りで加わる。

…実はその正体は、蛮社の獄で幕府に追われる身となった蘭学者・高野長英である。

殺し技は、悪人を斬ったり刺したりする「仕込み杖」。お艶から渡されたものを用いており、黒子の衣装で正体を隠して殺しを行う。


一座の副座長である、火芸を得意とする男。

お艶の右腕的な立場であり、蘭兵衛をあっさり一座に入れた彼女を心配している。

殺し技は、口に含んだ油を吹き出しながらロウソクで引火させ悪人を焼き殺す「火炎放射」。なお、この技を使う際には自分がやけどしないよう、舞台衣装でもある鎧兜を装着する。


  • 囃し屋塩八(演:古今亭志ん朝)

一座の落語家。

女好きでよくしゃべるため、女郎たちから情報をよく仕入れてくる。

お艶しか知らないが、実は旗本の息子。

殺し技は、悪人を屋根から転落死させる「催眠術」。


  • 小駒(演:ジュディ・オング)

一座に所属する芸人で、独楽を使った芸をする。

お艶の義理の娘。

殺し技は、悪人の額に回転させて飛ばしその鉄芯で脳髄を貫く「独楽」。


その他

いわずと知れた高名な浮世絵師。本作の依頼主。

浮世絵の中に「火にくべると悪人や関連する事柄が浮かび上がる」という仕掛けを施し、東海道五十三次を制作した際に見た悪人たちを始末すべく、お艶たち一座に大金を払って依頼を行う。



必殺からくり人・富嶽百景殺し旅

1978年8月から同年11月にかけて放送されたシリーズ第13作。


『新必殺からくり人』の1年後を描いた正統続編にあたり、富士図版画集「富嶽百景」で示された標的を仕留めるべく依頼を受けた主人公達が旅をする。


なお、本作のサブタイトルは『【各回のテーマとなる作品】』で統一されている。


必殺口上

神や仏がいなさって 悪を罰して下さると 小さい時に聞きました

それは優しい慰めと 大きくなって知りました

優しさ頼りに生きてはきたが 優しさだけでは生きては行けぬ

早く来てくれ からくり人


(声:吉田日出子)


登場人物

からくり人

  • 出雲のお艶(演:山田五十鈴)

芸人一座の座長。『新必殺からくり人』の泣き節お艶と同一人物。

江戸に舞い戻り芸人一座を続けていたある日、奉行所に小屋を打ち壊され途方に暮れていた中、江戸の裏稼業者の大元締から悪人退治を依頼され、「富嶽百景殺し旅」に出発することとなる。

殺し技は『新必殺からくり人』から引き続いての「三味線の撥」、および様々な武器が仕込まれている「仕込み三味線」。


一座の副座長。

『新必殺からくり人』のブラ平に引き続きお艶の右腕として働く。同一人物かどうかは不明。

殺し技は、悪人の頭にかぶせて締め上げ頭蓋骨を砕く「魚籠」。頭蓋骨が砕ける瞬間、その様子を示すアニメーション映像のカットが入る。


一座最年少の芸人。芸では妙に妖艶な踊りを披露している。

わけあって一座とともに旅をすることとなった唐十郎に惚れている様子。

一応、火縄付きのザルを用いて殺しを行うこともできるらしいが、劇中で実際に用いたことは一度も無く、鈴平とともに密偵を担当。


  • 虫の鈴平(演:四代目江戸屋猫八)

一座に所属する芸人。芸では虫の鳴き声の物まねをする。

自ら殺しを行うことは無く、自身の得意とする物まねで相手を油断させての情報収集を担当。


永寿堂一派

  • 西村永寿堂与八(演:岡田英次)

江戸の裏稼業組織の大元締。

「東海道五十三次殺し旅」を完遂したお艶たちのうわさを聞きつけ、彼女たちに「富嶽百景殺し旅」の依頼をする。


一座の用心棒として永寿堂から紹介された裏稼業者。

永寿堂配下の殺し屋。彼とお艶たちとの連絡係としてお艶たち一向に加わる。

かつては板前で、許婚を店主に奪われたことで事件を起こし島送りになった過去を持つ。

殺し技は、先端に仕込まれた針で悪人の首筋を刺す「釣り竿」。伸縮自在かつ針部分の取り外しが可能な遠近両用武器である。これを用いる際には右手に赤い手袋をはめる。

本人の身体能力の高さ、および遠近とも隙の無い武器も相まって、必殺シリーズ最強格の裏稼業者としてファンから必ず名前が挙げられるほどの猛者。


北斎親子

  • 葛飾北斎(演:小沢栄太郎)

有名な浮世絵師。本作の依頼人。

浮世絵に富士の山を描くうえで最適な絵の具を求めて永寿堂から仕事を受け、その過程で「東海道五十三次殺し旅」のことを知ったことで、自身の描いた「富嶽百景」に自らも同様の仕掛けを仕込む。


  • おえい(演:吉田日出子)

北斎の娘。


関連項目

時代劇

必殺シリーズ

必殺仕業人 → 必殺からくり人 → 必殺からくり人・血風編 → 新必殺仕置人 → 新必殺からくり人 → 江戸プロフェッショナル必殺商売人 → 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 → 翔べ!必殺うらごろし

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