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絶対防衛線!「小笠原兵団」救援

ぜったいぼうえいせんおがさわらへいだんきゅうえん

合同会社EXNOA(DMM GAMES)のオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベント。
目次 [非表示]

概要

絶対防衛線!「小笠原兵団」救援とは、合同会社EXNOA(DMM GAMES)のオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。


2023年2月28日深夜(3月1日未明)に第一・第二海域、3月3日のサーバ無停止メンテで前段作戦の最終海域である第三海域が開放された。

後段作戦は3月17~18日実施のサーバ無停止メンテで第四・第五海域が、19~20日実施のサーバ無停止メンテで最終第六海域が開放された。

5月1日終了。サービス開始10周年記念日たる4月23日を挟み歴代最長タイの63日という長丁場となった。


なお、前段作戦は初春イベ、後段作戦は春イベとして位置づけられている。

また、本イベント期間中の4月23日にある駆逐艦の改二が、および5月1日のイベント終了と同時にある戦艦娘の新たな改装形態がそれぞれ実装された。


仕様

全6海域、札は8枚。

札名称出撃可能海域
横須賀防備戦隊E-1、E-4
第二水雷戦隊E-2-1、E-2-2、E-3-1、E-5-1、E-6-3
支援連合艦隊E-2-3、E-6-4
連合艦隊E-3-2、E-6-4
空母機動部隊E-3-3、E-5-2、E-5-3
伊号作戦部隊E-4、E-5-1、E-5-2、E-6-1
逆上陸部隊E-6-2
決戦連合艦隊E-6-4

新システム

航空支援付き対潜マス

道中の潜水マスに空母系の敵艦が出現する。潜水艦とそれ以外の敵が同時に現れるマスはこれまでにもあったが、一番の違いは、航空戦や支援艦隊等も含め、こちらから空母系への攻撃が一切行われないという事。支援と銘打っている通り、戦闘マスから離れたポイントから攻撃をしているというイメージのようで、戦闘画面の顔グラは少し後退しており、耐久の表示がない。しかし、こちらの支援艦隊と異なり、敵は航空戦にも砲撃戦にも参加してくるため、こちらが一方的に攻撃を受ける状態となってしまう。ヌ級の高い攻撃性能は健在であり、航空戦で艦載機を全機撃墜する以外に攻撃を直接止める方法がないため、道中で甚大な被害を受けやすくなるなど、直接的・間接的に様々な点で艦隊の脅威となっている(詳細は後述)。


まさに一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうかとばかりにアウトレンジ攻撃を受け続ける仕様の上、対潜支援や基地航空隊も潜水艦に刺さり辛く、結果後述のようにE-2における道中の苛烈さを従前の最終海域に匹敵するほどへ引き上げる一因となった。

故にか、このマスに現れる敵空母について一部の提督たちの間では「引きこもり」「後方彼氏面」さらには不死身からの連想か「ゾンビ」などといった呼び名も聞かれたとか。


対潜哨戒機に関するアップデート

厳密にはイベント前のアップデートで行われた仕様変更で、今までは基地への配備が不可能だった対潜哨戒機・回転翼機について基地航空隊に配備可能となった。

また、それまで対象外だった艦載機熟練度がこれらにも付くようになった他、基地や艦娘に装備させた際に航空戦での制空争いにも参加するようになった。一方で、後者に伴い、制空争いや対空砲火で撃墜されるようにもなっている。


ステージ

前段、後段ともに3海域の計6海域。

前段作戦

ステージ海域作戦名難易度
E-1日本本土近海哨戒圏【S21作戦】☆7
E-2南西諸島沖/台湾沖【第二水雷戦隊 海上遊撃戦】☆12
E-3九州沖/四国沖/八丈島沖【敵空襲部隊を討て! Counter Attack Operation Jamboree II】☆14

後段作戦

ステージ海域作戦名難易度
E-4小笠原諸島航路/父島沖【伊号輸送作戦】☆9
E-5父島沖/硫黄島沖【出撃!八幡部隊】☆15
E-6硫黄島沖【決戦!硫黄島逆上陸作戦】☆17

新艦娘

報酬

ドロップ

※Tuscaloosaはドロップもした。新規報酬艦がそのイベントのうちにドロップ艦にもなったのはTuscaloosaが初。


新敵勢力


新アイテム

報酬

  • 局地戦闘機「紫電改(三四三空) 戦闘407」:E-2甲(★+2)・乙作戦海域突破報酬
  • 陸上攻撃機「一式陸攻(八幡部隊)」:E-4甲(★+4)・乙(★+2)・丙作戦海域突破報酬
  • 艦上戦闘機「零戦52型丙(八幡部隊)」:E-4 甲 / E-5 甲(★+4)・乙(★+2)・丙作戦海域突破報酬
  • 上陸用舟艇「特大発動艇+チハ」:E-4 甲 / E-5 乙作戦海域突破報酬
  • 上陸用舟艇「特大発動艇+チハ改」:E-5 甲作戦海域突破報酬
  • 陸戦部隊「陸軍歩兵部隊」:E-5 甲・乙作戦海域突破報酬
  • 陸戦部隊「九七式中戦車 新砲塔(チハ改)」:E-6 甲(★+4)・乙作戦海域突破報酬
  • 陸戦部隊「陸軍歩兵部隊+チハ改」:E-6 甲作戦海域突破報酬

初期装備


ついにチハたん∩(・ω・)∩ばんじゃーいで有名なチハこと九七式中戦車が『艦これ』に実装された。

上記の装備のうち種別「陸戦部隊」の装備は新艦娘である第百一号輸送艦しか装備できない。


新規BGM

#でリンク先に転送


  • E1/E2作戦海域BGM #
  • E1/E2/E4道中戦・E3作戦海域BGM #
  • E1/E2ボス戦・E3道中戦・E6作戦海域BGM #
  • E3/E4ボス戦BGM #
  • E4/E5作戦海域・E6道中戦BGM #
  • E5/E6道中戦BGM #
  • E5/E6-1/E6-2ボス戦BGM #
  • E6-3/E6-4ボス戦BGM#

その他

恐怖、無敵空母

前述した「航空支援付き対潜マス」であるが、幾多の提督が「前段作戦にもかかわらず、従前の最終海域に匹敵する極悪道中を生み出した」と評したほど、難易度調整のミスが目立つ極めて問題だらけな仕様として悪い意味で名を残す事になった。

  • まず、登場するヌ級は耐久値がそもそも存在しない上に攻撃対象にもならない為、航空戦・砲撃・支援・雷撃といったいかなる手段を用いても中破以上にしての無力化が不可能(要するに無敵)。これにより「火力が高い代わりにやや脆い、中破させれば止まる」というヌ級改/Ⅱの弱点の1つが完全に克服されている基地航空隊と対空砲火で相手の航空機を全滅させる以外の対策が存在せず、その方法も対策としては不確定かつ不十分(敵空母が複数、それもヌ級改/Ⅱのflagshipともなれば猶更)
    • ヌ級改/Ⅱの砲撃火力・艦載機が元々大和型でもワンパンし得る威力であり、T字不利でも駆逐艦や巡洋艦程度ならワンパン圏内のうえ、梯形陣や単横陣の命中率の高さゆえに、陣形による砲撃火力低下が誤差の範疇。さらに、開幕と違って砲撃火力はどれだけ攻撃隊が撃墜されようと全滅しない限り威力はそのままという基本的な仕様により、本質的には道中に空母系の姫が潜水艦と一緒に現れるのとさほど変わらない。むしろ、無力化ができなかった時点で「絶対に」殴ってくる分局地的にはそれらよりも脅威度が上(例え火力やスペックで大きく上回る空母棲姫空母水鬼だろうが、中破させる事ができるなら「止まる」のだが、コイツらに関しては開幕で枯らせなかった時点で止められないのだ…)
    • 特に問題になったE-2では、乙以下の難易度にてヌ級の多少の弱体化・搭載数の減少などはあるもののマス自体はそのままであり、たとえ丁でも脅威自体がなくなるわけではない(初心者・復帰勢にとっても突破困難)。結果、難易度を下げても十分なリスク回避にはならず、「水雷戦隊熟練見張員」などの報酬も無くなるため旨みも皆無
    • これらのリスクを少しでも削ろうとすれば基地航空隊を出すしかないのだが、肝心のボスマスでの手数が減るうえに敵機全滅に失敗し被弾するリスクは変わらず残る
  • 通常の対潜戦と違って弾薬も消耗する。さらに連合艦隊相手だと敵空母1隻につき最大で計3回(第二艦隊に1回、第一艦隊に最大2回)も攻撃される為、今までは安全圏だった第一艦隊が損傷したり、複数の艦娘が大破し艦隊司令部も使えず撤退を余儀なくされたりする可能性が非常に高い
    • 上述したヌ級改/Ⅱの火力故に、ボスマスに備え特殊砲撃を使える大和型などを投入してもこのマスでのワンパンにより一方的に特殊砲撃を封じられてしまうことがままある
  • E-2およびE-3の場合、その位置が出撃マスからかなり近いものであり、このマスでの撤退が増えることにより艦娘の疲労度が急速にたまる。このため、数十分かけて準備した艦隊がものの1分でとんぼ返りさせられて準備のやり直しを迫られるうえ、支援艦隊に至っては出番すらないまま資源・資材を消費してしまう…といったケースがこれまでになく多発。プレイヤーにとって大きなストレス源になった
  • 似た問題を孕んでいた『邀撃!ブイン防衛作戦』のレーダー射撃マスと比べると、ルート分岐の条件によって回避できていたあちらに対して、こちらの場合、プレイヤー側の裁量による回避が不可能な必ず通る場所に用意されるケースが大半(ルート分岐によって回避が可能なのはE-4とE-6のみ)
  • 高い制空値が存在する為、支援艦隊や基地航空隊による対潜攻撃に護衛戦闘機をつける必要性が生じ、対潜の手数や攻撃力が比例して減らされる。加えてそれら航空機の撃墜およびボーキサイトの消費も増加

等々、数々の問題点が悪い意味でのシナジーを形成する形で重なった結果、このような悪名高いマスとなったのである。

あまりの傍若無人っぷりにはアウトレンジ攻撃ならぬアウトレイジ攻撃だとも皮肉られた。

難易度があまりに上がりすぎていた事から一時は「空母は航空戦のみに参加するのが正常で、砲撃に参加してくるのは不具合ではないか」かとも疑われたが、結局不具合である旨はなく修正の告知がなかった事から、本来の仕様通りである事がやがて明白になっていった。


これらの仕様によってこのマスの敵空母があまりに猛威を振るってしまったことを踏まえてか、のちに前段最終海域E-3・後段作戦が実装された際には、このマスに出現する敵空母について甲作戦でもただのヌ級だったり1体のみだったりする形で調整が行われており、やろうと思えば基地航空隊などを送らなくとも全機撃墜での対処が多少なりとも現実的に可能となっている(ただし艦載機は変わらず強力。全機撃墜できなければ…まあ、そうねぇ…)。


…とまあ、ここまで空母の猛威ばかりを取り上げてきたが、忘れてはいけない。このマスの主役はあくまでも潜水艦であり、いかにカ級ヨ級ソ級といったイロハ級潜水艦といえど対潜対策を怠れば痛い目を見ることは明白なのだ。

それを明示するかの如く、後段作戦ではこの「無敵空母」の一部マスになんと潜水新棲姫が出現。凶悪な雷撃威力を誇る姫級潜水艦との鬼畜コンボが基地航空隊無くしてどれほどの脅威になるかは推して知るべしである。結果、提督たちの間では「『幼女』について回る『後方彼氏面』」などという、字面的にも戦力的にもそれはそれはひどいワードが生まれてしまったそうな…。


さすがにやりすぎだったと判断されたのか、次のイベントでは、当該マスこそ存在するものの、

  • 攻略上必ず通らなければならないマスにはない(編成次第で回避できる、ギミックマスへ行く途中にあるがそのギミック自体行わなくても十分攻略可能、等)
  • 「煙幕」システム(後述)の定着
  • 出てくる空母が、搭載機数の少なめな、通常の軽空母ヌ級eliteのみ(ただし艦載機は強力なもの)

といった要因から、本イベントほどの脅威にはならなくなっていた。



運営公認の「歴代最難関」

E-2にて調整の不備による問題が目立ったのは、上述した無敵空母こと航空支援付き対潜マスだけではない。それだけなら当該マス一点集中でまだ対処の仕様があったかもしれないのだが、この海域では他の道中マスやボスマスすらも尋常ならざるレベルで厳しく、安定して突破できる箇所がほとんど存在しないのである。

  • 本海域には多数の駆逐ナ級Ⅱ量産型(つまり道中の時点で先制雷撃が飛んでくる)や重巡ネ級改が道中に登場し、ボス敵もそれぞれ戦艦棲姫改後段作戦のボス)・集積地棲姫Ⅲ(編成自体は水陸混成。結果的にこれが一番攻略しやすく、ある意味バランスが取れているとすら評されている)・欧州装甲空母棲姫(かつてのラスボス)、さらにはボス随伴艦にあのナ級後期型Ⅱまでもが現れるなど決して優しいものでなく、基地航空隊も1部隊しか出撃に割けない為、「無敵空母」は勿論どのマスに対しても対策する余裕自体があまりない。しかも第一・第三ボス連合艦隊の陣形は一切情け容赦なしの第四警戒航行序列。道中が理不尽に苛烈な上にボスも厳しいという過酷極まりないマップであった
    • しかもこれだけの難関でありながら新たな敵艦は皆無。つまり、不確定要素がほぼ無い既存の敵艦のみでゲームバランスが大きく崩れるという明らかな調整ミスが生じてしまっている。これは甲は言わずもがな乙以下でも同様で、乙ですら「歴代の前段作戦最終海域の甲に匹敵する」と称されるほど
  • そして何より、最終海域ならまだしも、これが前段作戦の中盤かつ当初はその前段作戦すら一部未開放だったため、出撃制限がある中で主力の艦娘を出撃させる判断が現実的でなく、全力を出すことが困難な中でこの過酷なマップに挑まねばならなかった
    • 中でも警戒陣での「避ける」戦略を使えないE-2-3の連合艦隊戦においてこれらの問題が顕著であり、小手先の練度・装備・戦略程度ではどうにもならない問題点が次々重なった結果、最終的な攻略方法は大和改二武蔵改二矢矧改二乙アトランタらをふんだんに投入した前段作戦(それも中盤)らしからぬ最終海域に匹敵するフル戦力による「ゴリ押しに帰結していった。攻略の糸口や突破口が見出されない状況下、それだけの戦力を投じなければ突破が困難と判断されたに過ぎず、特に問題自体の解決の目処が立ったわけではなかったのである。結果これらのサブ艦を持たない、育っていないプレイヤーはクリアできないどころか、後段作戦が解放され最終海域の情報が集まるまでそもそも出撃すら躊躇われてしまう事態に陥った
    • なお、のちに開放された後段作戦のE-4とE-5は前段と兼用の札が多く、E-6の最終局面では甲でもE-2-3(及びE-3-2)で使用した艦を使用可能となっており、E-6までに戦力不足に陥る懸念は幾分か解消されている。もっとも、これは逆に言えば、後段でそこまでせねばならないほどにE-2が総力戦でなければ太刀打ちできないレベルの場所、という事なのだが…

こうした「無敵空母」のみに留まらない複数の要素が悪い意味で嚙み合ったことで、E-2の難易度は「歴代最終海域に比肩する、いや上回るかもしれない」と言われるほどに引き上がってしまい、「『ゴリ押し』の可否も含めた情報が一向に集まらず、『理論上』攻略できても『戦略上』攻略できない」「『ゴリ押し』を以てしても試行回数で勝負するほかない」状況が発生。まだ前段中盤にもかかわらず、歴戦の甲提督ですら膝をつき乙での攻略を余儀なくされたり、後述する理由で長期に渡りE-2甲で足止めされたりするケースが多発した。

果ては『艦これ』最初期からの歴戦のプレイヤーたるタニベ隊員ですら後段作戦解放日になってもまだE-2甲をクリアできておらず、最終海域をクリアしたのが友軍本隊到着日の前日たる4月13日となったほどの大苦戦を強いられる始末であった(後者が判明したC2機関のツイートによれば『燃料4ケタのグロ画像が送られてきた』とのことだったが、備蓄可能量の1~2%ほど残っていただけまだ良い方とも言え、中には度重なる苦戦の結果遠征での回復すら満足にできないレベルで完全に資源を使い果たしていた歴戦の提督が既にいたのも実情であった)。

結果、あまりの状況についに運営すらも歴代最大難易度と認めざるを得ない事となったのである。

調整ミスに端を発するがゆえ、運営にとってもプレイヤー側にとっても喜ばしい形ではないあたりがなんとも…。

なお、高難度である事はある程度想定されていた為か、本イベントでは「"前段作戦"だけでも、かなりのボリューム」とされ、「作戦期間はなるべく長めに確保する」との告知に違わず最終的な作戦期間は2020年梅雨・夏イベントに並ぶ歴代最長の63日が確保されることとなった…のだが、実際には諦めずE-2に挑むうちに1か月以上費やすE-2にて友軍・情報待ちをするうちに1か月以上待機する羽目になる、といった作戦期間の半分以上をE-2攻略のみに費やした例が少なからず見られており、そうした提督たちにとってこれはそこまで有意義なものとはならなかった。

E-2以前で相当な割合が足止めor待機状態になっており、攻略の糸口を欲し続けていた(結果論であるが『ここで主戦力を使ってしまっても甲でもE-6最終ゲージで再度使える』事が明らかになった程度で、最初期の情報からほとんど更新される事はなかった)事は想像に難くない。


この影響もあってか、恒例となっていた海域突破率・最多突破難易度の中間報告が本イベントにおいては開始から1か月経っても行われなかった。そして後に公開された4月14日時点でのクリア率から、上記の憶測が概ね当たっていた事が明らかになる。

この時点でのE-1の突破率が9割強だった一方、E-2の突破率は約8割(75~84%)。案外高いなと早合点してはいけない。イベント開始から既に1か月半、友軍が到着して2週間以上経った時点(通常であればイベント自体が終了していてもおかしくない時期)、さらには「全難易度」合計の数値である。これ程の期間が過ぎてなお、前段の一海域に過ぎないはずのE-2の攻略を試みた提督の4~5人に一人が未だ突破出来ておらず、さらに突破した提督たちが選んだ難易度もこの時点で「」が最多、という状況だった。

この状況は結局イベント終了まで大きな変化はなく、終了時点での最終報告でも突破率は約9割(85~94%)、選択された難易度も「乙」が最多のままであった。

難関とされたイベント海域は数あれど、今回のE-2がどれほど凄まじいものであったかがよくわかるデータと言えるだろう…。


こうして前段作戦中盤が空前絶後の超難関と化したために、甲ラスダン道中にネ級改やナ級Ⅱ量産型、ボス戦にナ級後期型Ⅱがそれぞれ現れる難関のはずのE-3について「まだ対処のしようがある」「特効の超火力で戦えるので楽」などと言われ、E-2と比較する形で評価が上がることに。「前段作戦ラストのほうが中盤と比べて攻略しやすい」という奇妙な現象を目の当たりにしつつ前段を突破した提督たちの間では、安堵と困惑の入り混じる悲喜こもごもの声が飛び交ったようである。


アニメ『いつかあの海で』とのタイアップ…?

さて、上述の形で結果的に問題だらけとなってしまったE-2であるが、その一方この海域の作戦名を見て、あることに気が付いた提督もいた。


E-2の作戦名「第二水雷戦隊 海上遊撃戦」とそのシチュエーションが、アニメ『「艦これ」いつかあの海で』のEpisode-VII「海上遊撃戦」とよく似ているのである。

該当エピソードにおける第二水雷戦隊が何をしていたかというと「強大な敵部隊を叩く為、まず後方兵站部隊を叩く事」。

そして、E-2序盤とギミックマスは「第二水雷戦隊」の札を冠する艦隊で敵兵站部隊を攻撃するものであり、妙にアニメのシチュエーションと一致しているのだ。

さらに、最終回「いつかあの海で」の作中には、E-2-1のボス旗艦である戦艦棲姫改が登場していたのである。

そしてもう1つ。本イベントのモチーフはイベント名の通り、小笠原諸島近辺を中心とした日本近海なのだが、「第二水雷戦隊」札での出撃となるE-2第一・第二ゲージおよびE-3第一ゲージについてはほぼ同時期に決行されたアイスバーグ作戦こと沖縄戦集積地棲姫がいるのが米軍の上陸地点となった沖縄県の読谷村辺り)をメインとする南西諸島周辺の海域が舞台で、少し浮いた存在になっている。


結果提督たちの間で出てきたのが「本来、この作戦はアニメ放映と同時期にやるはずの『冬イベ』だったのでは?」という説である。

アニメのもともとのスケジュール通りであれば12月中旬~下旬にEpisode-VIIおよび最終回「いつかあの海で」が放映されるはずであったが、延期によりEpisode-VIIは2月上旬に放映され、最終回に至っては後段作戦最終海域解放時点でも放映されていなかった。結果、予定通りのタイアップができなくなってしまったことで『冬イベ』ができず、本イベントにて『冬イベ』の海域の一つになるはずだったものがE-2として実装されるに至った…という可能性が考えられるのだ(実際、このE-2にて実装されたドロップ艦2隻は、『いつ海』本編のモチーフとなった史実と関わりがあったり本編そのものにて姿を見せていたりする)。


加えて、E-2の攻略難度は上述した通り、無敵空母を抜きにしても、ネ級改が立ちはだかりナ級Ⅱが複数(最大4体)で先制雷撃を仕掛けてくる(しかもそれが単縦陣の場所がある)等、道中の苛烈さがボス前に戦艦レ級がいた前回の最終海域と比べても決して遜色がない。最初から前段作戦として実装する事を企図していたにしては、あまりに難易度が上がりすぎているのだ。

このことから、このE-2は本来『冬イベ』の中でも最終海域となるはずだったものではないか、との考察も存在している。


なお『いつ海』の艦娘達は最終的に時雨改三等ありったけの戦力を以てしても艦隊は劣勢を覆せず壊滅(敗北)というバッドエンドを迎えてしまっているが、対して我々が目指すのは「勝利」、すなわち『いつ海』世界で艦娘たちが成し遂げられなかったハッピーエンド、という事になる。

「通過点として」現れ悪評をとどろかせてしまったこの海域であるが、運命が違っていたなら「ラスボスとして」登場し(難関ではあれど)それなりに評価を受けていたのかもしれない。


一方で「いつかあの海で」のタイアップと考えるなら、『いつ海』の海上遊撃戦で参戦するはずの時雨改三が未実装に終わったという疑問点もあるにはある(とはいえ、時雨改三は艦これ10周年記念実装とされているので、10周年を迎えていないのに実装する方がおかしいとも言える)。

ストーリーとして考察するなら、ブラウザ版の鎮守府は『いつ海』に比べると比べ物にならないくらい戦力が充実しているので時雨改三に頼る必要がなかった(そもそも『いつ海』最終話は時雨改三がいてもどうしようもなかったため、改二のままでも誤差でしかないという見方もできる)か、『いつ海』では雪風が自身の改装よりも時雨の改装が優先された事を認識している節がある事から、ブラウザ版は時雨の改装よりも雪風の改装が優先された世界線のためここで時雨改三が登場する事はなかったのかもしれない。


こうした「運命を越える」ことは本イベントのテーマの一つとなっていたようで、E-2が檜舞台となった二水戦の面々はE-3以降でも特効が与えられた他、「第二水雷戦隊」札もE-4を除くその後の各海域で出番があり、まさに縦横無尽の大活躍となった。その戦いの舞台も南西諸島から小笠原諸島周辺へとシフトしており、ある意味では『いつ海』最終話で勝利した場合に繰り広げられる「その先の戦い」とも解釈できる。

そして、イベント終盤のアップデートで時雨改三……ではなく、深雪改二が10周年記念改二第一陣として実装。

予定外にイベントが延長している事から本来ここでの深雪改二の登場はなかったと思われるのであまり考察しても仕方ないかもしれないが、存在そのものが史実の運命を越えた事を意味する深雪改二の参戦は、ブラウザ版の鎮守府が『いつ海』の流れを完全に変えた何よりの証なのかもしれない。


「捷三号」再来、その果てに待つ「あの島」

さて、対潜掃討作戦たる「S21作戦」を完遂し、上述した通りの死闘となってしまったE-2を潜り抜けた提督たちを待つE-3は、上述の作戦名からもわかるように、米軍機動部隊による日本本土空襲作戦「ジャンボリー作戦」がモチーフ元になっているが、そこに見られる「」の表記がやや奇妙に感じられた提督もいたかもしれない。作戦名を見る限り、似た出来事がすでに起きておりその再来を阻止する、というニュアンスに取れるからである。

では、この場合の「前回」とは何か、という話になる。本イベントのちょうど一年ほど前には22年冬イベ『発令!「捷三号作戦警戒」』が展開されていたが、そのE-3が今回と同様「ジャンボリー作戦」をモチーフ元としていた(ただしこの時は『ジャンボリー作戦』の名は使わず、上述の日本側の呼び方『捷三号作戦警戒』を用いている)。この海域のラスボスだった横浜岸壁棲姫の出現地点が史実における米艦載機の発艦地点にほぼ一致すること、クリア報酬である山汐丸の史実なども踏まえると、恐らくこの「捷三号」こそが今回言う所の「最初の『ジャンボリー作戦』」であろう。

前後編の形をとったかつてのような直接的な言及こそないものの、過去のイベントとの関わりが示唆された珍しい事例と言える(ちなみに今回のE-3突破報酬たる艦娘と『ジャンボリー作戦』に史実上の大きな関わりは無い。ともに護衛空母化を施されたという意味で山汐丸との関わりがあることによる選出だろうか)。


かくして前段にて「ジャンボリー作戦」再来阻止に奔走した今回の作戦は、小笠原方面への輸送作戦(E-4)、史実にて無念の壊滅となった航空隊「八幡部隊」のリベンジマッチ(E-5)といった形で深海棲艦との戦いが続くにつれ、やがて本土近海を離れ小笠原諸島、そして史実において文字通り壮絶な死闘が繰り広げられたあの島の周辺で展開されるようになっていく。

そして、その末の最終海域E-6最深部に待つのは、「あの島」を巡る防衛戦・上陸戦およびその前後の時期に周辺で二桁にものぼる数が喪われた「とある艦種」の怨念の集合体…。

そう考えると今回の戦いは、「勝利」もさることながら「鎮魂」を少なからず重要な要素としたものであると言えるのかもしれない。事実、各イベント海域のクリア時には海域マップを背景に戦果報告の文章が出るが、E-6のそれには戦地で戦った人々の冥福を祈る文言もあり、少々異質なものとなっている。


炸裂!潜高型神拳

後日の検証で判明した話であるが、本イベントにおいてはE-3以降の海域で、伊201伊203潜高型潜水艦に極めて高い特効倍率がかかっている。

その特効倍率たるやなんと2.8~2.9倍。これは、かのクロスロード神拳の2.5倍すら上回る倍率である。その威力たるや、ただの昼戦の雷撃でネ級改や戦艦水鬼を中大破に追い込めるばかりか、上振れればなんとラスボスである深海擱座揚陸姫すらも4ケタダメージで葬り去るほど。これが甲最終形態ですらも例外ではない

さらに、回避率にも大きな上方修正がかかっており、軽母ヌ級による対潜哨戒機といった敵側の高威力/高命中の対潜攻撃をかわし切るのが現実的に可能。序盤の海域ですら決して『安全』でなく敵側に対潜装備0のかつてのオリョクルですら大破の可能性があったほどの潜水艦娘の継戦能力の根本的な不足がこの特効効果によりほぼ解消されている。


イオナ(※霧の艦隊)レベルの火力を以てしても特効がなければ…という環境になってきた現状、ようやっと艦娘側の潜水艦に『デコイ役』『制空要員(※潜水空母でしか不可能)』としてだけではないフィニッシャーとしての活躍の機会が回ってきたとも言える。


なお、潜高型とジャンボリー作戦および硫黄島の戦い特段史実における繋がりは無いのだが、潜高型における設計上の航続距離が5800海里ほどと短いことや大戦末期の状況などを考えると、仮に実戦投入されていた場合日本近海での活動となっただろうことはほぼ確実。だとすればこの大特効が与えられた今回のイベントは、出撃の機会すら無かった彼女たちの「本懐を遂げる」戦いであることを示唆しているとも取れる(似た形で大特効が与えられたケースに、五航戦の姉のほう史実艦たる妹すら上回る大特効が与えられた2018年冬イベントがある)。


十周年記念日と新システム「煙幕」

当イベントが長大な期間を要しているうちに4月23日が到来、艦これはサービス開始十周年を迎えるに至った。これに伴い、当日の午後2時からこれに関連したプチメンテが入った。

…イベント期間最終盤の日曜午後という書き入れ時に、それもサーバーを止める形で。

加えてこのメンテナンス作業があろうことか3時間近く遅延した結果、作業完了が午後9時頃となり、貴重な攻略時間のはずの休日午後に攻略を進められないという非常事態が発生、一部の提督たちを騒然とさせた。


しかし、この延長されたメンテナンスでは攻略の一助となり得る新システム「煙幕」が実装されており、間もなく提督たちから注目されることとなった。これは「専用の装備を積むことで、敵味方双方の電探を積んでいない艦について砲撃戦命中率を大幅に下げる」効果を通常艦隊・連合艦隊いずれの場合でも有しており、これを活用できれば突破が難しい海域について「避ける」戦術で道中をすり抜けられると期待されたのだ。この時点でイベント終了まで残り10日を切っていたことから、情報が集まらぬまま藁にも縋る思いでこのシステムを試す提督もいたようである。

ちなみに、過去にもイベント中に苦しめられた要素を大幅に改善するテコ入れがイベント直後のメンテで行われるということは間々あったことから、このシステムも本来イベント終了とともに実装されるものだったところ、その期間が延長され(これは運営電文にて示唆されている)、結果的にイベント期間中に間に合ったものと考えられる。上述したE-2のあまりの難関ぶりがその原因となったとも考えられるため、実装されていきなり脚光を浴びたのはこのシステムにとって幸運だったのか否か…。



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