正式名称は『東方香霖堂 ~ Curiosities of Lotus Asia.』。
pixiv上のタグとしては、省略形である『香霖堂』が多く使用されている。
概要
あらすじ
古道具屋「香霖堂」の店主「森近霖之助」を主役に、彼の周囲で起こる日常の出来事を描いた小説作品。
まれに他キャラの一人称が挿入されることもあるが、基本的に霖之助の一人称で語られる。半妖たる彼の考え方は人間とも妖怪とも異なり、ときに独特な思索を披露する。
第一期後半からは『東方Project』のゲーム作品や他の書籍作品との繋がりも匂わされ、「同じ世界・事件について別の人物の視点で描く」という『東方Project』のメディアミックスの形を確立した。
経緯
雑誌連載形式であり初出は2004年、書籍発行は2010年9月。主人公は『東方Project』で数少ない男性キャラである森近霖之助。『東方Project』書籍作品としては開始時期が最も古い作品である。様々な事情により連載誌の変更、連載中断、書籍化延期などに巻き込まれた波乱万丈な運命を持つ作品。
なお、この作品の連載開始時期が『東方萃夢想』や『東方永夜抄』、さらには『東方妖々夢』よりも早いことは意外に知られていない。ムーブメントを起こす前の一同人作品に目をつけた企画者の先見の明は優秀であったと言わざるを得ない。
書籍情報
- 発行元:アスキー・メディアワークス
- 発売日:2010年9月30日
- 著者:ZUN
- イラスト:唖采弦二
- ISBN:978-4-04-868501-6
掲載雑誌と会社を潰す程度の能力
- 収録エピソード掲載元:
第01話~第09話 | Colorful PUREGIRL(ビブロス) 2004年2月号~10月号(10月号にて休刊) |
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第10話~第11話 | magazine elfics(ビブロス) vol.001~vol.002 |
第12話 | 霊偲志異2(サークル「twirl-lock」からの同人誌) |
第13話~第15話 | magazine elfics(ビブロス) vol.003~vol.006(vol.006にて休刊) |
第16話~第18話 | elnavi(ビブロポート)(WEB連載。18話にてビブロス倒産) |
第19話~第27話 | 電撃萌王(メディアワークス)(めでたく完結) |
上記の掲載元の変遷を見ての通り、電撃萌王に掲載されるまでに休刊による掲載媒体変更が3度あった。しかも最後は出版社倒産のおまけつきである。
ちなみにColorful PUREGIRLは成人向けアダルトゲーム誌であり、東方Project関連作品がアダルト誌に連載された(2015年現在)唯一の例である。
波乱万丈の変遷を経て2007年12月に電撃萌王にてめでたく完結。…なおこの後メディアワークス社はKADOKAWA社に吸収合併された。
発売されない程度の能力
単行本は2008年春発売予定…だったが、延期が決定。
2008年8月23日にZUN氏が年内発売と発言したものの、結局それ以降音沙汰はなく、一時絶望視された。その後2010年1月16日に「2010年春発売予定」と再告知され(外部リンク)、いよいよ発売されるのかと期待されたが、ほどなく5月31日に延期。それでもまだ春だと思っていたらその5月31日に年内発売予定に変更(外部リンク)。
あれこれなんてデジャヴ?
結局、2010年9月30日にようやく発売された。
第二期
2015年9月30日発売の公式マガジン『東方外來韋編』にて、続編が連載されることとなった。
サブタイトルは『Curiosities of Lotus Asia.』のままで、ナンバリングは「第一回」となっている。
衣装・デザインとしての『東方香霖堂』
ゲーム内で複数回登場するキャラクターはしばしば香霖堂仕様に衣装替えがされており、『香霖堂』でも衣装に若干~大幅の変更がされている。
『香霖堂』後続の作品である『東方萃夢想』の立ち絵(俗に言うalphes塗り)と比較すると、『香霖堂』のキャラクターは全体的に幼く見える。特に八雲紫の少女らしさは群を抜いていて、東方妖々夢や東方萃夢想で見せるアダルトな姿とはまったく雰囲気を異にしている。
もっとも、これはこれで原作者・ZUNのイメージ通りらしい。
>イラストは私の好みで唖采弦二さんにお願いいたしました。
>元々、東方をやってた方らしくて、イメージが伝わりやすくて素敵です。
(東方書譜 2003年12月04日)
>>「香霖堂」主人をデザインしたのは誰ですか?
>私の指示とイメージでラフを起こしてもらい、それを確認後、細かいところの修正の指示を出す。
>という作業を数回繰り返します。
>霊夢も魔理沙も同じですね。最初はゲーム中に近いデザインだったので、折角新しく描く
>のにそれじゃ意味無いですし、パーツや表情、頭身など色々と細かい注文して今の3人
>になりました。
>私の細かいわがままに、その都度対応してもらえるという事が何よりも素敵です^^
(幻想掲示板 2003年12月10日)
なお、普段の唖采氏はキャラクターを幼く描こうとする傾向はないので、イラストレーターの趣味ということもない。
例
『東方文花帖』、『東方求聞史記』、『The Grimoire of Marisa』の表紙なども唖采氏がイラストを担当しているが、ファンの印象からか「香霖堂」が代名詞的なタグとして使用されることもある。
余談だが、博麗霊夢はゲームでも毎回間違い探し程度にしか衣装が変わらず、香霖堂でも大幅な衣装替えはなかったのだが、一度だけあろうことか霖之助の服を勝手に着るという暴挙をしたため、霖之助の服を着る霊夢にもこのタグがつくことがある。 →香霖衣変
香霖堂ダイジェスト版
関連タグ
登場キャラクター
第一期
十六夜咲夜 レミリア・スカーレット 魂魄妖夢 八雲紫 稗田阿求 射命丸文 妖怪の少女(名無しの本読み妖怪/朱鷺子) 梅霖の妖精
第二期