1.実在する機関砲の形式
2.『機動警察パトレイバー』に搭乗する架空の兵器
1.実在の火器
拳銃のリボルバーのようにチャンバーが円形に複数並ぶシリンダーを持ち、これを回転させて装填・発射・排莢を行う機関砲。ガトリングガンを薬室だけ回転するようにしたものと考えてもいい。
立ち上がりが早く、発射レートもガトリングガンには及ばないものの、チェーンガンよりは高い。また多くは外部動力に頼らない自立駆動型(この場合不発や遅発のときに動作不良におちいる)だが、構造的には外部動力式も容易に開発でき、また前装型も後装型にも設計でき、様々なレイアウトに出来るため、航空機関砲としてかなり優秀である。
ロシアや欧州の戦闘機にはガトリングガンを積まず、ガス圧駆動のものかこれを積んでいるものが多い。
ちなみに国家権力の人型作業機械の武器や凱旋門からせり出してくる炸薬式カタパルトとは関係ない、と思う。
関連項目
2.パトレイバーの架空兵器
注)「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品の為、作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。
口径37㎜。
形状はS&W社のM586ないし、ミネベア社のニューナンブM60をモチーフとしたデザインの拳銃状。(登場メディアによってはコルトパイソンやスマイソンなどモチーフとなる銃が異なる)
多脚歩行式大型マニピュレータという高度なシステムを介した火砲であるが、使用には特に認証等は必要は無いようで、指揮車両に括り付けての人力での発砲、イングラムの後継機である『AVS-98』からこれを奪った敵『TYPE-J9 グリフォン』が発砲する等している。
基本的にモチーフとなったいずれかの拳銃のスケールアップ版であり、少なくとも保持用のマニピュレーターとトリガーの操作用マニピュレーターが必要である。
磁気ネット弾や対生物用ウィルス弾も使える。「口径が20ミリにも37ミリにも見えん」という人はミニパトで言われた「弾丸の大きさも75mmのペットボトルサイズで、通常は貫通性の低いホローポイント弾を使用する」という説明でも信じていれば幸せになれるだろうが、街中でWWⅡ期の戦車砲相当の火器を日常的につかうなど正気とは思えない。(大口径砲弾には粘着榴弾など、もっと有効な既存弾種が既に存在する)
いっぽう、37mmでもただの重機相手で有れば必要以上に強力である。
「外見はリボルバーだが、ただのスケールアップでなく内面はもっと違う物である」蓋然性のほうが高いのではないか。
実写版では専用弾丸「37ミリ執行実包」が登場した。劇中でも弾丸が37ミリに見えないと突っ込まれたが、実は37ミリとは口径を指すのではなく、弾丸内部に詰め込まれている南鉄製球弾9発の直径の事をであった。要するに見た目は拳銃だが中身は散弾銃だったのである。これはレイバーとの近接戦闘のみの使用を目的とした為であり、リボルバーカノン自体も銃身先端の内径(チョーク)深くして射程距離を短くしていた。それでも作業用レイバーや重機、トラックのエンジン部なら一撃で破壊できる威力を有しており、軍用レイバー相手でも条件次第では十分使える。
ちなみに劇場版ではある人お手製の「九十八式榴弾」が登場する。
『機動警察パトレイバー』に登場する主人公機『98式AVイングラム』の主力火器として描かれる。
火砲としての定義?
劇場において公開された短編アニメ『ミニパト』では、よりその詳細が語られており、ここで初めて『三十七粍機動速射野砲』なる名称が成されている。1990年代以降に旧軍的な名称を付ける意味がよくわからないうえに、元来野砲とは70~75mmの口径の物を指す、1950年代以降世界的にとうに廃れた兵装名である。本気に取らぬほうが吉。
これと言えば・・・
リボルバーカノンと言えば太田功、太田功と言えばリボルバーカノンと言うほど、彼の乗機であるイングラム2号機が毎度の様にぶっ放している。
アニメ作品においては241回発砲している。(宝島社刊『別冊宝島 機動警察パトレイバークロニクル』より)
同火器は彼の迷台詞である、「俺に銃を撃たせろ」と共に在ると言っても過言ではない。
・・・・・なお、彼の名誉のために言っておくが通常射撃は抜群に上手い。実戦射撃を甘く見てはいけない。ましてや撃っているのは彼が操作するイングラムである。
なお、旧OVAと劇場版以降ではじつはデザインが変更されているのだが、作中の描写には混乱が見られ、TV版以降でも旧OVA版のデザインのものを描いてしまっている場合があり(立体物でも混乱が見られ、混同される事が非常に多い)解釈に悩む。
蛇足
余談ではあるが、RPG『ワイルドアームズ2ndイグニッション』の登場人物であるブラッドの初期装備ARMが『リボルバーキャノン』との名称である。
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3.『サクラ大戦』シリーズの最終兵器の一つ
概要
初登場したのはサクラ大戦3の最終話で、後にサクラ大戦4にも登場。
普段は巴里のシャンデリゼ通りの地下に砲身が、支部のある凱旋門の地下に弾装部が格納されているが使用時には超大型のリボルバー銃の形態へと変形し、光武が格納されている弾丸型の輸送ポッドを目的地へと文字通り打ち出し、送り届ける。
『3』ではオーク巨樹との最終決戦の為に使用、『4』では先に東京に来ていた一人を除く巴里華撃団のメンバーを巴里から東京に送り届ける為に使用した。
また『サクラ大戦』シリーズ以外ではプロジェクトクロスゾーン及び続編であるプロジェクトクロスゾーン2でも使用されており、PXZでは巴里に現れたテイルズオブヴェスペリアの古代塔市タルカロンに、PXZ2では再び現れたオーク巨樹に向かって輸送ポッドに生身の人間を入れて打ち出した。
なおPXZシリーズではエンドオブエタニティのヴァシュロンがその大きさと形状からビッグマグナム(下ネタな意味で)と発言しており、PXZ2ではエリカまでもが意味を深く考えずにビッグマグナム発言をしていた。(いわゆる天然ボケ発言である。)
後に『新サクラ大戦the Animation』で司馬令士がリボルバーカノンをベースに開発した巨大な弩型の輸送用決戦兵器『大弓くん』を開発し、莫斯科華撃団の要塞「セバストーポリ」に向かって無限や三式光武、そして白マントの姿をした村雨白秋(当然生身の状態)が入った輸送ポッドを打ち出し、後に三式光武が不調になった際には試製桜武を打ち出し花組の支援を行った。