ロマサガ2における、主人公の最大の宿敵。
『ロードオブヴァーミリオンⅡ』『エンペラーズサガ』にも参戦している。
概要(ロマサガ2)
ロマサガ2の世界における、遥か昔から伝わる伝説の英雄。
あまたのモンスターを打ち倒して人々を救い、そしていずこかへと去って行ったとされる。
しかし、なぜか帝国暦1000年ころには七英雄たちはロマサガ2世界に帰ってきており、特にそのうち一人であるクジンシーは物語のスタート地点であるバレンヌ帝国首都アバロンにも近いソーモンの街を占拠している。
クジンシーがアバロンを襲撃し、皇帝レオンが復讐を誓ったことから歴史は大きく動き出す。
はじまり
元々、彼らは現生人類より遥か昔に繁栄した「古代人」である。(現生人類は古代人たちの時代は召使いであった。)
古代人の魂は寿命がとても長かった。しかし、その寿命が来る前に、肉体が先に朽ち果ててしまうという問題点を抱えていたのである。そこで、より長く生きるために、自分の魂を他の肉体になじませ、事実上相手の肉体を乗っ取って寿命を延ばす「同化の法」を発明し、全員に施す。
こうして半永久的に生きられるようになったが、もう1つ懸念があった。ここまで死への対策をしてきた古代人が死ぬ条件は何か。答えは簡単。殺されることである。そして、世界には凶暴なモンスターが跋扈しており、まさに古代人が恐れていた状況そのものにあった。
だが、そのモンスターを駆逐し、自分たちを含めた古代人みんなに平穏を取り戻そうと、戦いを始めるものがいた。ワグナスとノエルである。彼らは、同化の法を改良し、モンスター相手にも同化の法を使えるようにしたばかりか、モンスター側の力もそのまま自分のものに取り込めるものにした。これが「吸収の法」である。単純に生きるためではなく、より強い力を積極的に求められうる秘法へと進化したと言える。
メンバー集め
そして、賛同者も集めた。ワグナスは、いとこのスービエにこの事を伝え、協力してもらうよう持ちかける。スービエ自身は複雑な事情を理解していなかったが、ワグナスに対する信頼は絶大なものであり、さっそく吸収の法を教わる。
ノエルには妹のロックブーケがいた。しかしこの計画を知ると、自分も仲間入りして戦おうと志願する。ノエルは妹をこのような過酷な戦いに巻き込みたくない理由から拒絶したが、自分を仲間はずれにするのかとせがむロックブーケに根負けし、吸収の法を会得する。
自ら加勢しようとする者もいた。暴れ者のダンターグは、単純に強さを求めて吸収の法に目をつける。吸収の法は、モンスター側の特徴を取り込んでしまうため、「愛情などといった“単純に強くなるにはジャマな感情”も勝手に取りこんでしまう」リスクを伴うことをノエルから説明される。しかし彼の応えは簡単だった。「なら、吸収する相手を選べばいいだけだ」と。
ずる賢いボクオーンは、今のメンバーに頭脳的な作戦を立てられる者がいないことに着目し、頭脳派であることを理由に参加を持ちかけた。
そんな中、招かれざる志願者もいた。嫌われ者のクジンシー。強い男になりたいと思っていた彼は、これらのメンバーに「置いていかないでくれ!」とせがむも、周囲からことごとく拒絶される。賭けごとを趣味にして当時の夢が「ロックブーケを思い通りに」なんて考えている時点でたかが知れているが、自分を劇的に強化できる唯一無二のチャンスだった為か、最後は一番温厚なノエルにすがりついて頼み込み、吸収の法を得たのである。それが他の皆にとって、ある意味最大の災厄になるとも知らず···。
戦いの歴史
こうして吸収の法を得た7名は、モンスターを次々と駆逐していく。やがて七英雄と呼ばれ、古代人からはまさに「英雄」のような存在であった。しかし、強大なモンスターを駆逐したということは、すなわちそれ以上の力を持っていることに他ならない。
そして、ついに恐れていたことが起こった。この「モンスターより強大な力」が、古代人に対して向き始めたのだった。
おりしも、世界は異常気象が頻発し、このままこの世界に住み続けること自体が危険な状況となっていたため、古代人たちは別次元へと逃げる準備をしていたのである。これに乗じる形で、転送装置のテストという形で七英雄を呼び出して、転送させた。
···自分たちが逃げる予定の世界とは違う、まったくの別次元へと追放する為に。
せっかく世界を救う為に戦ってきた仕打ちが、これだった。このことを深く恨んだ七英雄のメンバーは、いつの日か古代人に復讐しようと心に決め、この世界に戻ってきたのである。
戻ってくるには長い年月を要した。そして、いざ戻ってきてみると、古代人のほとんどは別の世界に逃げていた。そこで、古代人が逃げた世界がどこなのかを調査する目的で、メンバーの何人かは世界中にあろう転送装置を捜し求め、モンスターを使役して世界に手を広げた。
もっとも、メンバーの中には、復讐に興味を示さない者も出始めていた。ダンターグは元々強さだけを追い求めていたため、復讐などという面倒なことにまったく関心がなく、ひたすら強化に明け暮れる日々をすごしていた。ボクオーンはその頭脳をいつしか悪用するようになり、麻薬作りと金儲けに走る。
クジンシーは最悪で、これまで吸収してきた相手が異世界の死神だったことをいいことに世界征服を考え、人間たちの生命力をもてあそんで吸い取るようになっていった。挙句、バレンヌ帝国に手を出したことで、帝国が「古代人から授かった秘法」である伝承法を身に付け、打倒七英雄を掲げて戦いに出るようになり、これが七英雄を死に追いやる決定的なきっかけとなった。
なお書籍『ロマンシング・サガ大全集』では「同族を見返したがっていたクジンシー・ボクオーン・ダンターグだけでなくワグナス達も増長し始めたため追放された」と記述されている。
古代人を危機に追いやったモンスターの正体
このような事になった発端は、古代人にとっての脅威であるモンスターをどうにかしたいというものだったことは、先述の通りである。
では、これらのモンスターたちはなぜ生まれたのだろうか。
アプリ版の追加シナリオで、その真実が明らかになっている。
昔のモンスターの記憶が再現されている特殊な空間「追憶の迷宮」。ここで、当時のモンスターたちの声を聞くことができる。
「戦を無くすため、戦をするというのか。‥‥もっと賢く立ち回ったら良いものを。
英雄の居場所など、戦場以外にありはしない。
戦を無くせば、貴様らは自らの居場所も無くすのだ。
せめてもの情けだ、七英雄、戦場で散れ!」
「きさまらのその異形の姿‥‥魔物を取り込んだのだな。
他者の血肉を我がものとする‥‥なんと邪悪な術よ。
これほどの力を得るために一体、いくつの生命を食らってきたのだ!?
罪深き英雄よ、その罪ごと、貴様らを食らってやろう!」
「何人もの意識が混ざっているな。本当のお前は、最初のお前は一体、どこにいるんだ?
志を問うのも馬鹿らしい。同化の法で永遠の命か。
あっはっはっは! それは能力かね? 私には呪いに見える。
半妖の肉体に、いびつな魂‥‥あわれなり七英雄。
魔物を吸収する前の、最初の、本当のきさまらは、一体、どこにいるのだ?
その呪いから、解放してやろう。死をもって!」
「我らを倒して世界を救うだと?
‥‥笑わせるな。世界に生きるは人のみにあらず。
きさまらには聞こえぬのか。大地の震え、風の泣く声‥‥
いずれ世界は大きく変動する。
魔物の進攻も、世界の変動も、自然の理を破り続けるきさまらへの神の裁きと知れ!」
···もうお分かりだろう。古代人が寿命を無理やり延ばそうと手を出した「同化の法」自体が、世界のバランスをゆがめ、モンスターを生み出したのである。異常気象も、元をたどれば「同化の法」の副作用だということになる。無理やり自然を捻じ曲げた古代人が、そのしっぺ返しをうけたのは、当然だったのだ。
強敵と呼ばれる所以
七英雄は、自らの活動をより確実なものとするため、もう1つの秘法を施している。
それは、「自分の本体を秘密の場所に保管しておき、普段はかりそめの肉体で活動する」こと。そして、かりそめの肉体が倒されても、本体が無事ならば、長期間のスリープを経て復活できるのだ。
そのバックアップ体制はかなり堅牢で、本体を隠してある場所に通常は誰もたどり着けないのはもちろんだが、かりそめの肉体で活動できるメンバーが最後の1人になった場合、あらゆる調査や戦いを放置してでも本体を守る「血の誓い」だった。
バレンヌ帝国が、直接痛手をこうむった相手であるクジンシー以外の七英雄を倒さなければならなかった理由は、ここにある。クジンシーを倒しても、他のメンバーが本体を守っている限り、やがては徒労に終わってしまう。そのため、七英雄の最後の1人まで倒すよう追い詰め、本体を守りに移動したところを突き止め、本体を叩かなければならないのだ。
しかし、本体を突き止められた七英雄が、このまま黙って本体を破壊されると思ったら、大間違いであった。
数々のバックアップ対策を破られた七英雄がとった、最後の手段。それは···
「メンバー同士の本体を全て吸収・融合させ、全ての力を結集して戦う」という、とんでもないものだった。
かつてモンスターを駆逐した七英雄は、強大なモンスターを数多く吸収しており、単体でも非常に強い。それが7体も融合して、それぞれが襲い掛かってくるわけである。生半可な準備では勝てる道理がなく、多くの挫折者を生み出したみんなのトラウマである。
pixivのタグとしての使用
pixivのタグとしては2つの意味で使われる。
※アークシステムワークスの2D格闘ゲームブレイブルーに
登場するのは「六英雄」であるため混同に注意。
個々の七英雄
メンバーは
七人のうちの一人以上を描いた絵につけられる。紅一点のロックブーケが特に人気のようだ。
集合体『七英雄』
最終ボスたる、七英雄全員の生命の源体も『七英雄』と呼称する。
(これを倒さない限り個々の七英雄はいつか生き返る)
未対策で挑むと地獄を見るくらいには強い。
このタグがつくイラストには、様々な他版権のキャラを代わりに埋め込んだものも多い。
余談
それに関連してクソゲーオブザイヤー2008にノミネートされた7作品を指すこともある。
その内訳は『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
『大奥記』『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』『プロゴルファー猿』『ジャンライン』
『メジャーWii パーフェクトクローザー』の7つである。
さらにオマケのひとこと
七英雄それぞれの名前は
山手線の駅名を逆から読んでもじったもの。
元の駅名で七英雄を呼ぶこともみられる。