世界設定
インフィニタース・ヒークという、スチームパンク系の空気と魔力の篭った鉱石が存在する世界。
特定の主人公は存在しない。
イデア(idea/理想)
インフィニタース・ヒークに存在する魔力の篭った鉱石の総称。(篭っていないものもイデアと呼ばれる。この世界の鉱石は宝石ともたまに呼ばれるがそれらもまとめて『イデア』と総称することが多い)
イデアはその名の通り「理想」を形にするもの。
日常生活においての火が欲しい時、(限度はあれど)水を浄化したい時、攻撃や回復などのマギア行使、魔力の篭った銃弾精製、火力追加などあらゆるものに使用できる。
ただし一般人が行使するには変換器が必要。
(「限度はあれど」というのは、例えば大きな湖を丸ごと浄化となればそれ相応の変換器と人が必要だし、イデアの量も膨大。コップ一杯分程度なら1cm~2cm程度で十分。)
イデア専用の変換器に装填することで、イデア耐性の有る無しに関係なく日常生活での燃料や水の浄化の力への変換が可能となり、戦闘においては対ベーステア戦で大変有効となる便利な鉱石。
消耗品でもあり、蓄積されている魔力を全て消費すると砕けて塵になり、大気へと還る。
形も大小様々であり、それによって発生した奇病も存在する。
耐久度も様々で、獣の骨のイデアは基本的には武器に加工できるほど丈夫であり、臓器系のイデアは繊細で傷つきやすい。その分美しく貴重で、コレクターの間では高値で取り引きされている。
生活になくてはならないものだが、同時に毒性も強く、一歩扱いを間違うと生死に関わる事もある。
入手方法
質や大きさを問わなければそこら辺の道端に小石の様に落ちているくらい日常の中にある。
一般の店で扱っている物は、原石から1cm~5cm程度に砕いた物や、加工しアクセサリーにできる様にした物があり、価格も安価だったり時には高額なものまで幅広く存在している。
特殊な生成のされ方をしたものはコレクター間で高額で取り引きされている。
イデアの戦闘使用
イデアを使用した銃火器の戦闘は、生成→射撃→生成→射撃の繰り返しが一般的。
変換器がマガジンの役割をしており事前に作っておくことは、装填時間も考えてあまりしない様だ。(特殊なイデアから生成された銃弾などはコレクターが居るので作る場合もある)
毒性
イデア原石の光や成分にあるもの。
原石の光を長時間浴びたり、大量に体内に摂取することで麻薬中毒に似た症状が出るケースもある。
ただし、加工を加えたり、変換器に入れることで毒性は9割軽減されるため、水の浄化は専用の変換器に入れてピッチャーに入れっ放しにするだけで可能。
イデアの中毒によって廃人や、狂人と化すケースがよくある。
動植物もその影響を受け、鉱石病に似た症状を持ったまま凶暴化し、ベーステア(獣)と呼ばれるようになった。
何故ただの鉱石であるイデアが精神に作用するのかは研究者の間でも諸説あるが、一番有力なものとしては、
『イデア=理想=想像した現象を形にするための源』
という理論から、『一度はイデアの魔力が脳を通る=一度脳内を毒物が通るため』にイデアへの耐性が無いと毒が蓄積しイデア食症候群などを発病する。(ただし、イデア食症候群にかかってる人の中にはイデア耐性の強い人も多く存在しているためまだ研究が続けられている)
耐性
イデアの光や毒性に対しての耐性の事。
耐性が強ければ強いほど、マギアの使用がスムーズになり、強力なマギアも使える。
変換器無しでの戦闘も可能な人間もこの耐性が強い。
ベーステア
bestia/獣(正:ベースティア))/鉱石獣
鉱石化した部位を持つ凶暴な生き物。
普通の生き物より大型なものが多く、荒野や砂漠、森など世界各地に生息している。
普通の肉体部分も硬度が高いため、イデアによって強化された攻撃でなければ致命傷を与えられない。
鉱石部分は貴重なものが多く、内臓や骨(人体含めた)イデアコレクターからの依頼が、貴族の住む各都市では必ずあり、生業にしている者も多く存在してる。
大人しく人に懐くタイプは愛玩用として飼われていることもあるため、ブリーダーも居る。
魔法(マギア)
(またはそのまま「まほう」と呼ぶ。)
イデアを源として発現する神秘的な力。
攻撃、浄化、傷を癒すものなどが存在する。(ただし死者を蘇らせることや建物の復元など、失ったものを回復することは不可能)
イデアが「理想」を冠する所以でもある。
行使にはそれなりに技術や知識とイデア耐性が必要で、変換器無しで行使する者は畏怖の対象とされることもある。
詠唱が必要な人も居れば、変換器のみで必要のない人、変換器も詠唱も必要のない人など様々。(魔法のレベルによって普段は必要なくても、高度なものは詠唱や変換器の補助が無いと行使できないケースも有り)
日常生活で覚えることもあるが、帝都には専門の学校が存在しそこで学ぶ人も居る。
変換器(へんかんき/パック)
イデアを形にするための補助機械。
仕組みはブランドや作成者ごとに微妙に違いがあるが共通しているのは「イデアを、耐性の無い人間でも使用できる様にする」こと。
ロケットペンダントの様なものから貯水タンクの様な大きさの物まで、大きさや形も様々なものが流通し、人々の生活になくてはならない存在。
武器に付けることで魔力の篭った攻撃をすることができるため、町の外に出る人間やベーステア狩りを生業としている人は必須として変換器の製造と整備専門の店も多く存在している。
魔法発現の手順を省略するものが変換器でもあり、また、発現のために必要な媒介も変換器である。
職業
細かく分類すると多数存在するが、主要なところでは
◇イデアハンター
主に依頼人に指定されたイデアを持って来る職業。
流れ者や旅人が生活のために生業としている場合が多く、各地の街や都の貴族・商人からの依頼をこなし生活している。
死亡率も高く、非常に危険な職業。
◇変換器技師
生活になくてはならない変換器を製造・整備する職業。
有名ブランドのお抱え技師や、田舎町の小さな工場など環境は様々だがその技術は大変貴重であり、ハンターと比べると世間体は雲泥の差で好意的なものが多い。
中にはハンターと技師を兼職している場合もある。
◇帝都騎士
帝都アエテルニターティスという城壁都市の治安や王を守護する職業
子供が最も憧れる職業でもあり、様々な人種が居るが試験はどの職業よりもトップクラスで難しく、簡単にはなれない上に、イデア耐性が強ければ必ずしもなれるというわけではないという事も憧れの理由である。
以上が、主なところである。
他にもイデアのバイヤーや医者、教師や学生なども多数存在している。
貴族社会ではあるが、その色が顕著に出ているのは帝都や中級都市のみで、小さな田舎町では貴族が一般市民に分け隔てなく接している場所もある。
その他に、奴隷というものもあるが、貴族によって愛玩用観賞用など様々な目的で売り買いされている。
奇病
リガートル/鉱石病
(ligatur/縛り付ける(正:リガートゥル))
体が鉱石化していく奇病。
鉱石化することで体の自由だけでなく生活も自由が利かなくなるため「リガートル」=縛り付けると名付けられる。
症状や進行速度は様々で、骨のみが鉱石化するものもあれば内臓から全身、指先、眼球から鉱石化をしていくものもある。
魔力行使できるものは少なく貴重。
感染病ともされているが、発病原因や感染経路は不明。
有効的な治療法も無いため不治の病とされ恐れられている。死亡するケースがほとんどだが、ごく稀にある一定のところで進行が止まりそのまま普通の生活をしているケースも確認されている。
患者を鑑賞用や愛玩用として売買され「歩く宝石」とも呼ばれることがあるが、感染病という認識もあり一般には差別を受ける対象にもなっている。
イデア食症候群/鉱石食病
鉱石を食べるという精神疾患。
鉱石をイデアの原石を発掘される鉱山などや大量に扱う場所で、環境を整えずに長時間のイデアの光を浴び続けると、体内に魔力貯蔵空間が作られ、その場を長時間離れた後に擬似的に体内の魔力枯渇が起きてしまい、補うために食すようになる。
実際には『体がそう錯覚するだけ』で枯渇は起きていない。
耐性のない鉱山の町の人や大量に扱う人がかかると体と脳が重度の混乱を起こして起きる病。
治療法も今のところ存在しないが、回復したケースはいくつか確認されており不治の病ではない模様。
都市
・繁栄と栄光の都【帝都アエテルニターティス】(aeternitatis/永遠の):世界でトップの経済都市。
・眠らない光の都市【鉱石都市ルミノクス】(luminox/明るい夜):鉱石によって繁栄した娯楽に溢れ、夜でも昼間の様に明るい都市。
・イデアの輝く魔女の森【インサニアの森】(insania/狂気):イデアと緑が豊富な森だが、同時にベーステアも多く生息している。
・帝都の闇スラム街【ウィティウム街】(vitium/欠点):帝都の闇の顔。闇市では不法な物品や、人身売買、奇病患者コレクター相手のオークションなどもある。
・イデアの鉱山跡地【フォディーナ跡地】(fodina/鉱山):この世界のイデア発掘初期の頃に大量に発掘された鉱山。今は発掘量が減少し、勢力的には掘削されなくなったが、それでもいまだに少量ずつ発掘して生活して居る人々が居る。イデア食症候群の患者が多い。