概要
牙狼〈GARO〉シリーズの最新作であり、テレビ放送での新作としては『牙狼〈GARO〉 〜MAKAISENKI〜』以来1年ぶりになる。主役が前作までの主役であった冴島鋼牙から放浪の魔戒騎士・道外流牙に変わり、その他の登場人物たちや舞台も一新されるなど、多くの謎を秘めた設定や展開となっている。
スタッフはGAROシリーズの主軸であった雨宮慶太は今作では原作担当のみにとどまり、歴代作品でアクション監督などを担当した雨宮の盟友・横山誠が総監督を務め、新たなるGAROの物語を描く。
ストーリー
黄金騎士・ガロの名を受け継いだ若き孤高の魔戒騎士・道外流牙は、ある指令を受けて深い森に閉ざされた独立国家・ボルシティに辿り着く。ホラーの気配を感じた流牙は結婚式の式場に押し入ると、ホラーに憑依されていた花嫁を参列者の目の前で斬った。即座に街の警備部隊・SG1から追われるが、やすやすとその場を切り抜けた流牙は野宿の最中、夜空に浮かぶ奇妙なニュース映像を目にする。それは、流牙が起こした騒ぎは事件にすらならないという不可解な事象を示していた。
一体、この街では何が起きているのか。輝きの失われた牙狼の鎧と、通常のホラーとは一線を画すホラー、魔導ホラーの存在。この街の若き魔戒騎士・蛇崩猛竜や楠神哀空吏、そして彼らを統率する壮年の魔戒法師・符礼や彼の弟子の女魔戒法師・莉杏と共に出会う様々な謎の中、流牙はホラー狩りの使命に身を投じていく。
戦いを続けるうち、流牙たちは魔導ホラーを操る黒幕の意外な正体とその恐るべき企み、さらには彼らと黒幕の間にある因縁について知ることとなる。まもなく、黒幕のさらなる野望は不測の事態を招き、ボルシティ全体が破滅の危機にさらされる。流牙たちはシティを崩壊から救うため、決死の戦いを挑む。
一体、この街では何が起きているのか。輝きの失われた牙狼の鎧と、通常のホラーとは一線を画すホラー、魔導ホラーの存在。この街の若き魔戒騎士・蛇崩猛竜や楠神哀空吏、そして彼らを統率する壮年の魔戒法師・符礼や彼の弟子の女魔戒法師・莉杏と共に出会う様々な謎の中、流牙はホラー狩りの使命に身を投じていく。
登場人物
- 道外 流牙(どうがい りゅうが) / 黄金騎士ガロ
黄金騎士・ガロを受け継いだ青年。管轄する場は持たず、街から街へとホラーを求めてさすらう。
黒い服装にワイルドな風貌のために怖い人と誤解されがちだが、基本的には素直で明るくポジティブな性格で、市井の人々とも気さくに交流する。仲間思いでもあり、哀空吏が猛竜を侮辱して見捨てようとした際や風見が食われた際は、剣を抜くほどの怒りを見せた。ただし、符礼のことだけは非常に嫌っており、物語序盤では言うことを聞こうとすらしなかったが、第20話で真実を知り、彼と和解した。モノに触れることでヒトの想いを感じ取れる能力を持つ。また、聴覚が鋭くそれを頼りに行動することも多く、前述の能力も音として感じ取ることが多い。歌も上手く、第6話ではホラー狩りのためにライブへ乱入し、その歌声で客を即座に魅了している。スマートな格闘スタイルで戦闘をこなす傾向にある。また、魔戒騎士として他の流派・一族の特徴についてもある程度の知識があるらしく、哀空吏に対して楠神流の弓術について語るシーンが存在する。符礼の命令で7歳から10年間、無人島で羅号をパートナーとして騎士としての修行を積み、最後にその羅号を斬ることを符礼に命じられてやむなくガロの魔戒剣を抜いて羅号を斬り、ガロの力を手に入れた。身に着けているペンダントは、羅号の牙を形見としたものである。町を訪れた際には、必ずその町を見渡せる場所に母親の墓を建てている。ボルシティにおいてもいつしか全ての魔導ホラーを討伐し、人々を守り切ったあかつきにはきちんとした墓を建てることを目標としている。第18話で滔星の居場所を突き止めて仲間達と共に向かい、そこで尊士達と交戦するが敗北し、牙狼剣を失い両目を潰される重傷を負って捕らわれてしまう。上手く看守の隙を突いて脱獄に成功するものの最初は失明した状態での戦いに慣れずに苦戦し自信を喪失してしまうが、修行時代の記憶と母親と交わした約束を思い出して自分自身の力を信じて諦めずに立ち向かい、ザルバと仲間達の助けを得て牙狼剣を取り戻し脱出する。失われた視力も第20話で波奏の力によって回復した。第24話でボルシティでの戦いを終えた後、番犬所から指令が下り、莉杏と共に南の管轄へと旅立った。道外 流牙の名前は原作者の雨宮慶太が名づけた。
- 魔導輪ザルバ(まどうりんザルバ)
流牙が常に手につけていた、意思を持つ指輪。彼自身は戦わないが、かつては数々の激戦を冴島鋼牙(さえじま こうが)やその父、冴島大河(さえじま たいが)ら伝説の魔戒騎士である歴代黄金騎士ガロと共に駆け抜けてきた。 符礼とは顔見知りであり彼から流牙に預けられたが、流牙を「まだまだボウヤ」と称して自らの主とは認めておらず、言葉も滅多に交わさなかった。そのため、流牙が符礼の元に合流して以降は、符礼の元にいたが、第18話で失明しても諦めずに戦い抜こうとする流牙の姿を見て彼を助けることを決意し、流牙が無事に牙狼剣を取り戻したことをきっかけに彼を主と認めて契約を交わす。 猛竜が「今時魔導輪か?」と言っていたことから、今作における魔戒騎士達はザルバのような魔導輪や魔導具を身に着けていないことがうかがえる(実際に猛竜と哀空吏も身に着けておらず、猛竜曰く、「喋るから面倒」とのこと)。
- 蛇崩 猛竜(じゃくずれ たける) / 炎刃騎士ゼン
炎刃騎士・ゼンに変身して戦う青年。使用する武器は柳葉刀。普段は言動も軽く常に女性と遊び歩くプレイボーイで魔戒騎士らしからぬ破天荒な行動を取るが、キメる時はキメる男。人懐っこく、新しく仲間に加わった流牙にも親しく接し、すぐに打ち解けた。やや熱くなりやすい性格でもあり、棘のある言動の多い哀空吏とは仲が悪く衝突することが多いが、危ういと見れば身を呈して助ける人の良さがある。また、感情豊かなこともあってか非常に涙もろく、魔戒騎士でありながら涙を流すシーンが非常に多い。時には泣き叫び地べたを転がることすらあり、他の魔戒騎士と比べても特に感情の見せ方が大きい。第7話で出会った少女・類にはプレイボーイらしからぬ純情な思いを抱き、以降も彼女の様子を見に出向いている。また、それ以降はプレイボーイの描写が形を潜めるようになる。第18話でプラントを刺されそうになった流牙を庇い、刺された自分の右手を自らの魔戒剣で切断した(そのため全身のホラー化は免れた)。第22話で符礼からソウルメタル製の義手を与えられる。これは戦闘時には炎を象った巨大な手甲のように変化し、攻防一体の武器となる。第24話でボルシティでの戦いを終えた後、番犬所から指令が下り、西の管轄へと旅立った。
- 楠神 哀空吏(くすがみ あぐり) / 天弓騎士ガイ
天弓騎士・ガイに変身して戦う青年。魔戒騎士の名門として名高い楠神家の御曹司であり、その名を背負う重責から常に冷静沈着な性格となった。頭脳派であり、莉杏と組んで罠を張ったり緻密な作戦を立てることを得意とする。そのため、当初は女好きな猛竜や未熟で黄金の輝きを失った牙狼をまとう流牙のことは認めておらず、守りしものとしての意識も薄かった。非常に自信家でもあるが、一度プライドを崩されると脆いという一面も持つ。魔導ホラーとの戦いの中で、自らの弓が通じなかったことからその弱点や内面が明らかとなり、一度はボルシティから逃げ出そうとするが、何の罪もない人々の魂を弄ぶ魔導ホラーの所業を目の当たりにしたことや流牙との共闘を経て、魔戒騎士としての自覚を高く持つようになる。それ以降は仲間から学んだ姿勢をとりこみ、戦闘法や言動にも大きな変化が見られるようになる。早撃ちの名手・楠神の後継者である通り弓術に優れるが、弓につけた刃を利用しての格闘戦も得意であり、遠近両用の珍しいスタイルの魔戒騎士でもある。さらに、弓を一度破壊されて以降はあえてその特性を生かし、ヌンチャクの様な使用法も身につける。第22話で符礼から楠神家の名誉を守る者の証として楠神の家紋が刻まれたソウルメタル製の鏃を授けられる。第24話でボルシティでの戦いを終えた後、番犬所から指令が下って元老院へ行くことも考えたがボルシティに残って遺跡を守ることにした。
- 符礼(ぶらい)
ボルシティを拠点とする壮年の魔戒法師。哀空吏は彼の部下的存在であり、莉杏の師匠でもある。流牙とは過去に因縁がある模様で、物語序盤では忠告や助言をしても唾棄されるほど嫌われていた。今の牙狼や魔導ホラーについても何か知っているようで、流牙を指令でボルシティに呼び寄せ、魔導ホラーを全て斬るように命じた。第22話でゼドムの魂を鎮めるために単身首塚に向かい、自分の身と引き換えに再度眠りにつくようゼドムに交渉するが拒絶され、ゼドムの攻撃を受けて消滅した。残された彼の魔導筆はゼドムの弱点を指し示し、流牙達を勝利に導いた。羅号を操るための鞭に変形する魔導筆を持つ。
-魔戒獣 羅号(らごう)
符礼が操っている魔戒獣。四足の獣のような姿をしている。普段は符礼のマントの中に隠れており、偵察から符礼が乗る球型の乗り物を引く馬のような働きをする。彼が引き連れている赤色の個体と、修行時代の流牙のパートナーであった青色の個体の2種類が確認されている。 第16話で莉杏も羅号を操る術を符礼から伝授されるが、まだ羅号は彼女のことを主と認めていないようである。
- 莉杏(りあん)
綺麗で高価なものを好む、少々派手な女魔戒法師。魔戒法師らしからぬ言動も多いが、同時に魔戒法師としての仕事はきっちりこなす。得意の変装や法体術を駆使して潜入捜査を行うことが多く、その際にはよく哀空吏と組んで行動する。出生に起因した理由から他人を簡単に信じない性格だが、ホラーの被害者に関して同情や思いやりを見せるなど、決して非情な人物ではない。魔導筆の他、ホラーを封印できる弾丸を撃つ魔戒銃を愛用する。また、青い魔界竜の稚魚を使役する。派手な男遊びが好きである一方でその性格から男嫌いでもあり、当初は流牙のことも信用していなかったが、第11話での協力を通して心を開くようになった。第4話で偶然酒場で出会った燕邦と意気投合するが、第16話で彼女のホラー化を知って苦悩し、魔戒法師の使命と少しでも可能性があるなら彼女を救いたいという思いの狭間で葛藤するが、最終的に彼女を魔導ホラーの呪縛から解放するために倒すことを決意した。第18話で滔星達に捕らわれてしまい、波奏に変わる新たな魔導ホラーのプラントの母体として利用されそうになるが、すんでのところで流牙に救出される。そして、流牙と共に燕邦との決着をつけ、彼女をホラーのまま死なせないために一芝居打った。第24話でボルシティでの戦いを終えた後、流牙と共に南の管轄へと旅立った。今作ではザルバに変わって彼女が次回予告のナレーションを務めている。
金城一族とその関係者
金城 憲水(かねしろ けんすい)
金城グループの総帥。ボルシティの創始者で、シティのあらゆる場所に自分に服従する人間達を置いて支配している。その立場からボルシティの住人達に魔導ホラーの種を植え付けている張本人と思われていたが、流牙と対面した際にそれを否定して、真の黒幕が滔星であることを明かす。魔導ホラーではないが、滔星に見限られる際の会話で彼の母親を強姦して滔星を産ませた悪人であることが判明している。最期は命乞いも叶わず、滔星の指示で尊士に捕食された。
金城 滔星(かねしろ とうせい)
憲水の息子。四男だが滔星のみ母親が違う。現在は金城家から追放されており、ボルシティでステーキハウスを経営している。その出自から金城家に恨みを持っていると見られ、SG1から反社会活動に関わっているのではないかという疑いをかけられていた。経営するステーキハウスにホラーが現れ、流牙との戦いを目撃したことでホラーの存在を知り、しばしば彼の手助けをするようになる。だが、その正体は魔導ホラーを生み出しボルシティを裏から牛耳っていた張本人であり、尊士、リベラも裏では彼の下に就いて暗躍していた。正体を隠していた時は流牙や燕邦と分け隔てなく接することができる気さくな青年を演じていたが、本性は自分の手の内で踊らされている流牙達を侮蔑して嘲笑したり、自分の両親や幼い子供ですら平然と手にかけたりするような性根の腐った卑劣で狡猾な小悪党であり、自分自身は直接戦わずに、常に尊士や憲水達の陰に隠れて暗躍することによって周囲をかき乱して利用していた。第1話で尊士から花嫁に憑依していたホラーが黄金騎士と思われる者に斬られたという報告を受けて彼に流牙を監視させたことを皮切りに、彼にプラントを刺して最強の魔導ホラーを作ろうと画策する。それ以降、流牙が様々な魔導ホラーとの戦いを経験する裏で彼にプラントを刺そうと暗躍していくが、流牙が魔導ホラーを斬る毎に鎧の輝きが増していることを知り、彼が完全に鎧の光を取り戻すまで待つことにした。第17話で憲水が自身の正体を流牙達に明かした事で、尊士達を使って自分以外の金城一族を皆殺しにすると共に再度流牙達を凶悪犯に仕立て上げ、自らが金城グループの新代表として表舞台に立った。第18話で流牙が尊士に動きを封じられた隙をついて最後のプラントを彼に刺し込もうとするが、猛竜の妨害によって失敗に終わった。第8話で陰我ホラー、第18話で魔導ホラーではないことが確認されている。母、華漣は魔戒法師の掟を破って追放された一族の家系であり、滔星は金城の屋敷に隠されていた一族の魔導具を見つけ、その品々から法術やホラーに関する知識を得た。その目的はあくまでボルシティの支配で、ゼドムを復活させることは望んでいなかったが、図らずともその原因を作ってしまった。第24話においてゼドムが復活した際放たれた素体ホラーにその凄まじい陰我から憑依され、その後自らも記憶を失ったように装い経営していたステーキハウスに戻っていたが、流牙と莉杏による来訪を受け、往生際悪く命乞いをするも、最期は莉杏に魔戒銃で呆気無く射殺された。その際に莉杏は、彼の事を「雑魚ホラー」と一蹴している。
華漣(かれん)
滔星の母親。金城憲水に人生を奪われ捨てられた。複数の男を家に招いては酒びたりの荒んだ日々を送っており、滔星からは淫らでだらしない生きる価値のない女だと軽蔑されていた。滔星をほったらかしにして愛人たちと遊び呆けていたが、その一方で、彼に「強い男になれ」と声をかけていたことから多少は滔星のことを気にかけていた模様。若き日の滔星が呼びだしたホラーに憑依され、愛人たちを捕食したのち滔星をも捕食しようとするが結界符に阻まれその場から消え去った。
尊士(そんし)
シティに潜伏している魔導ホラーに指示を出している謎の男。表向きには憲水の秘書を務めている。燕邦に人の魂を喰らわせ、魔導ホラーへの覚醒を促した張本人。自身も魔導ホラーであり、人間の姿のままでも触れることなく物を動かすなどの異能の力を発揮する他、魔戒騎士3人を同時に相手にしても圧倒するほどの戦闘力を持つ。普段は素手による格闘技で戦うが、本気で戦う際には魔戒剣を引き抜いて戦う。また、自身の右目を抜き取って浮遊させ、それを通して自分が見たものを他者に見せることができる。実は滔星と繋がっており、彼の指示で暗躍していた。第17話で彼の命令で憲水を捕食する。魔導ホラーとしての姿は魔戒騎士のそれに似ているが、有機的かつ禍々しいものとなっている。この姿の時は骨の1本を大剣に変える、背中から翼を生やし自由に飛翔するなどの能力を持つ。元は魔戒騎士であったが、15年前にゼドムの儀式を行なおうとしていた符礼達の警護をしていた際の混乱の最中、滔星にプラントを刺され魔導ホラーと化した。流牙は彼の騎士としての強さや己の未熟さなどを自分に教えてくれた師として彼に尊敬の念を抱いていた。第23話でゼドムの命令を受け流牙をゼドム復活の生け贄に捧げるべく襲い掛かるが、流牙達三騎士と壮絶な大激闘を繰り広げた末に流牙に斬られ絶命した。その遺体はゼドムに回収され、復活の媒体として利用された。
リベラ
ボルシティのテレビ局に所属するニュースキャスター。市民の間で非常に人気が高い。表向きは「正義は守るもの」と嘯くが、実際は「正義は作るもの」を信条としている。実は魔導ホラーであり、マスコミの立場を利用して金城グループの邪魔になる者を排除している。1年前に旧知のカメラマン・風見の恋人を殺害した張本人でもある。尊士の指示で風見の撮影した写真を利用して情報の捏造を行い、流牙を凶悪な連続殺人犯に仕立て上げた上、真実を報道するよう迫った風見をも捕食した。魔導ホラーとしての姿は人間とホラーの2つの顔を持つ人形のような姿をしており、両耳を引き剥がして双剣に変えるほか、360度自在に回転させることができる首と関節、長く伸ばせる舌などの身体能力を持つ。ホラーの姿になる時や変身時に、蛇のように「シィィ……」と発声することが多い。第12話でテレビ局に潜入した莉杏や流牙と対峙して流牙を銃撃するも、その場面は莉杏と猛竜の策略で『流牙の射殺画面』としてボルシティ中に流されてしまった。その際の戦闘で舌を切り落とされたことにより、流牙らは全ての魔導ホラーの所在地を知ることとなった。第17話では前述の映像はトリックであることが暴露され、自らは滔星の命令で尊士らと共に金城一族を皆殺しにする。第21話で配下の陰我ホラーと共に莉杏を救出しに来た流牙達の前に立ちはだかり、猛竜や哀空吏と交戦する。駆けつけたSG1隊員達を流牙が生きていることを証拠に言いくるめて味方につけようとするが、莉杏の策略で流牙達の指名手配を解かれ、さらにSG1隊員の目前で燕邦殺害の犯人に仕立て上げられる。結果、再び自身がボルシティの敵としてSG1から追われる身となってしまう。第22話で以前切断され奪われた自らの舌を手がかりに流牙達のアジトを突き止め襲撃するが、三騎士との激戦の末、最期は牙狼に斬られた。
女神像の少女
シティ地下の古代遺跡にある女神像の中に住む神秘的な歌声でゼドムへのレクイエムを奏でる赤服の少女。女神像を通して歌をボルシティに流しているが、これには魔導ホラーの成長を促す効果がある。遺跡に流牙達が突入した際に女神像の中に入ってきた莉杏と遭遇、その後流牙達を追って来た符礼に救出された。その正体は流牙の母親の波奏であり、プラントを生み続けるたびに記憶を失い、少女の姿に若返っていたが、最終的に符礼の術によって元の姿に戻る。
SG1
燕邦(えんほう)
ボルシティの治安維持を任された特殊部隊・SG1部隊長の女性。魔戒騎士の存在意義は知らないので、当初は結婚式に乱入して花嫁を斬り事件現場にしばしば不審に出没する流牙を、シティの犯罪に与する存在と疑っていた。滔星を連行しに向かった先で陰我ホラーと遭遇し、流牙からホラーを斬る魔戒騎士のことを聞き、さらに流牙が決してSG1隊員を傷付けないことから誤解を解き、一旦は流牙を信じることにした。また、行きつけのバーで莉杏とも出会っており、彼女とも親交を結ぶことになる。しかし、滔星によってプラントを植え付けられたことをきっかけに、尊士によって人の魂を喰らう経験を何度か重ねた後に魔導ホラーへの覚醒を遂げ、自分を慕っていた部下の吉富の魂を喰らうと、その死の責任を流牙になすりつけ、彼の息の根を止めると宣言する。そして莉杏と再会した後、魔導ホラーであるという事実が莉杏や流牙にも知れ渡ることとなる。ホラー形態はドレスを来た人間の女性のような姿で、引き剥がした首の皮を変化させたダガーナイフと左腕に生えた刃を武器に戦う。次第に人間の心を失っていき、第17話で滔星の命令で尊士らと共に金城一族を皆殺しにしたり、「人とホラーが交わる事はない」と莉杏を冷たく突き放すようになった。最期は流牙と莉杏との戦いに敗れ、微笑みを浮かべながら生涯を閉じた。遺体が消滅せずに残ったため、莉杏の活躍によってホラーとしてではなく、ボルシティの敵に勇敢に立ち向かって倒れた正義の人として死んだこととなった。また、残されたネックレスから流牙が感じ取った心の声からまだ人間の心が残されていたことが明らかになった。吉富(よしとみ)SG1の隊員の男性。燕邦の部下で彼女に思いを寄せており、誕生日にネックレスをプレゼントしたり、体調を気遣ったりしていたが、魔導ホラーと化した燕邦に捕食された。第21話の莉杏の夢の中では、燕邦と共に幸せな一時を過ごしていた。
ボルシティの市民
風見 泰人(かざみ やすと)
フリージャーナリストの男性。元はボルタイムスの新聞記者で金城家のスキャンダルを調査していたが、1年前に恋人・美咲を自分の目の前でホラー(リベラ)に食い殺されて以来、仕事を辞めて仇を追っていた。流牙とホラーの戦いを目撃し、ホラーの正体を暴こうと流牙に詰め寄るが、「もう関わるな」と彼から忠告される。流牙から「同じ志を持つ仲間」として認められていたため、彼と関わった記憶を消されなかった。シティの人々をホラーから守るために流牙と共に戦うことを決意し、ホラーの存在を公表するために流牙の戦いの現場の写真を持ってテレビ局に足を運ぶが、その写真を情報の捏造に利用された挙句、リベラに食い殺された。
洲崎 類(すざき るい)
ボルシティにやってきた移民一家の娘。父親と祖父を亡くし、母・幸子、祖母・良恵、弟・元気と共に暮らしていた。移民希望者を次々と狙う魔導ホラー・白波の陰謀に家族共々陥れられそうになったところ、一度は流牙達の活躍で救われボルシティを去ろうとするも、尊士の策略で記憶を消され、再びボルシティに戻ってしまった事で母、祖母、弟は魔導ホラーの餌食になってしまう。しかし直前に記憶を取り戻していた彼女一人は辛くも難を逃れ流牙たちに保護され、その後記憶操作され家族は居らず花屋の手伝いをしている事にされた。猛竜とは初めて会った時から記憶を失った後もお互いを意識していたが、ボルシティの人間全てがホラーの記憶を失った際、再び彼の記憶を失った。テレビに映ったニュース中のリベラを見て恐怖を感じるなど感受性は豊かである模様。ちなみに殺害された類の家族の魂はホラーの非常食として魔導ホラー・妻崎の工場でカプセルにされていたが、後に流牙達の弔いの炎によって成仏した。
花屋の主人
類が手伝っている花屋の女主人。彼女も記憶操作されている模様。類は勿論猛竜とも仲が良い。本名は不明。
ソフィア
かつてゼドムへのレクイエムを歌っていたとされるオペラ歌手の女性。1ヶ月前のツアーの最中に行方不明になっている。彼女の恋人の万樹の別荘で発見されたバイオリンの弓に彼女の残留思念が宿っていた。
その他の登場人物
波奏(はかな)
流牙の母親で魔戒法師。符礼とは幼馴染。流牙は15年前に彼が修行に出たすぐ後に病気で亡くなったと符礼から聞かされていたが、実際にはゼドムの腕塚でゼドムの儀式を行っていた際に滔星達に捕らえられ、魔導ホラーのプラントを生み出すための母体として利用されていた。流牙は魔導ホラーを斬った時に発生する黄金の波動を受けた際に彼女の存在を感じていたが、それは彼女の歌によって黄金の輝きが育てられていたためであった。第20話で流牙との再会を果たし、自身の視力と引き替えに流牙の視力を取り戻した。何度もプラントを生み出していた影響で身体がホラー化しつつあり、23話で流牙に自ら望んで斬られた。彼女の遺体は古代遺跡の女神像のふもとに埋葬された。沙莉莉峽の姉である魔戒法師。ゼドムの儀式を行なっていた最中に滔星が引き起こした混乱に巻き込まれ、魔導ホラーと化した尊士に捕食された。莉峽莉杏の父親である魔戒法師。魔導ホラーと化した尊士の襲撃を受けて致命傷を負い、符礼に莉杏を託して事切れる。莉杏が身に着けている髪飾りは、彼の形見の品である。オウマ符礼の仲間の魔戒法師。波奏を救えなかった己の無力さに打ちひしがれていた符礼を気にかけていた。
関連用語
魔戒騎士
黄金騎士・牙狼。最強の魔戒騎士の称号であり、その名の通り黄金に輝く鎧を持つ魔戒騎士。今作では鎧の輝きは失われており、ほとんどの部位が黒く、腰部の紋章をはじめ細部も鋼牙のそれと異なっているが、魔導ホラーを斬ると一瞬だけ本来の姿に戻る。輝きが失われた詳しい原因は不明だが、「大きな戦いの中でホラーを倒し、人々を守るために全ての金の輝きを放った」と語り伝えられている。また、通常時の牙狼剣の鞘と柄は白い。第23話で流牙が尊士を倒したことをきっかけに黄金の輝きを取り戻した。その輝きは失明した波奏ですら感じ取ることができたほど。腰部の紋章や細部の形状も鋼牙の時のものに戻ったが、瞳の色が異なる(流牙:金、鋼牙:緑、大河:赤)。同時に牙狼剣の鞘の色も牙狼の称号を受け継ぐ者の証である赤色に変化した。ハイエナの発言から、ガロの称号を継ぐ者は流牙が継ぐまでの長い年月の間、現れなかったことが示唆されている。
炎刃騎士・漸(えんじんきし・ゼン
)蛇崩猛竜が纏う緋色の鎧。炎のような装飾や形状が特徴で、名前にある竜のような鱗が存在する。従来の魔戒騎士と比べても、特に狼的要素が薄い形状をしている。鋭い片刃剣を用いて戦う。鎧召喚の動作は、しゃがみ込んで自らを中心に剣で円を描く。使用する魔導火の色は赤色。
天弓騎士・牙射(てんきゅうきし・ガイ)
楠神哀空吏が纏う青みを帯びた銀の鎧。左耳が短く右耳が長い眼がつながった兜が特徴で、主に光の矢を駆使し、両端に刃の付いた弓を用いての格闘戦もこなす。鎧召喚の動作は、弓を8の字に振り回して2つの円から挟まれるように鎧を召喚する。使用する魔導火の色は青色。
ホラー
陰我ホラー過去のシリーズと同様に陰我の宿ったゲートから現れる、いわゆる普通のホラーのこと。今作では差別化のため、こう呼ばれている。今作では必ずしも正体を現す者ばかりではなく、人間の姿のままで戦闘する者や頭部のみを異形の姿に変化させるタイプの者もいる(こちらの方が今作では多い)。中には金城グループの傘下に入っている者もいる。
素体ホラー
人間や物に取り付く前の陰我ホラー。その姿は悪魔を髣髴とさせる。今作では久しぶりに着ぐるみで登場する。
花嫁
第1話に登場。花嫁に憑依して花婿と結婚式の参列者を喰おうとしていた。流牙に正体を暴かれて倒されるが、このホラーとの戦いがきっかけで流牙はSG1に追われる身となる。実は花嫁が持っていたブーケの方が本体であり、一休みしていた流牙を奇襲するが、最期は羅号に喰われた。
パルケイラ
第3話に登場。ボルシティの地下道に潜伏していた。以前から人間を捕食し過ぎて肥えてしまい、通路に挟まって思うように動けなくなったため、両手を切り離して全裸の美女へ擬態させては人間の男性を地下道に誘き寄せていた。自身の力で地下道を支配して鎧の召喚を阻止していたため、当初は流牙と猛竜を苦戦させる。しかし、哀空吏が地下道の外から放った矢が札の力を使って2か月に一度現れる「光道の月」の力を具現化させた光の道を経て直撃し倒された。今作では珍しく本来の姿で登場した陰我ホラーである。また、両手から擬態した全裸の美女は平然と陰部を晒したまま戦うため、そこが映る際にはボカシ処理が施された。
壇田(だんだ)
第4話、第5話に登場。ゴミ捨て場に捨てられていた古いラジオをゲートとして出現し、そのゴミ捨て場への不法投棄を目論んでいた壇田という男に憑依した。魔戒騎士と戦う意思を持たず、音のようにスピーカーに出入りできる能力で逃げ回っている。滔星の経営するステーキハウスに現れて客を捕食し、滔星と燕邦に襲い掛かろうとするが、流牙に阻まれて撤退する。その後も逃げ続けていたが、最終的に流牙に追い詰められ、逃げ場を塞がれた上で倒された。
ユーヤ
第6話に登場。ユーヤという肥満体形の男に憑依していた。本来は戦闘能力が低く臆病な性格だが、音楽に反応して戦闘能力が向上し、凶暴な性格になるという性質を持つ。猛竜と交戦し、追い詰められて命乞いするが、ミュージシャンのシンが偶然手に入れた魔導ホラーの鱗(第2話で流牙が鷲頭を斬った時に飛び散ったもの)をピックに用いて演奏した曲を聴いて突如凶暴化し、猛竜を圧倒して逃走する。符礼の策略でおびき寄せられた時もシンの曲で仲間のホラーと共にパワーアップして流牙達を圧倒するが、激戦の末に流牙に斬られた。
ホラー人間態
第8話に登場。黒い革ジャンを着た筋肉質の男に憑依していた。ホラーが持つ異形の口が両肩にも生えており、流牙を圧倒するほどのパワーと背中から伸ばす鎖が武器。流牙に倒されるが、このホラーとの戦闘を風見が撮影した写真は情報の捏造に利用されてしまう。
遠山 未歩(とおやま みほ)
第10話に登場。ボルシティの高校教師・遠山未歩に憑依して校内に潜伏していた。自身が選んだ優秀な生徒だけの学校を作ろうと目論み、落ちこぼれた者は不要と見なして捕食していた。自身の本来の姿を目撃した教え子・北島遙華を家族ごと捕食し、真実を知った教え子・坪井浩輝も口封じに喰らおうとするが、その外道な行為が流牙の怒りを買って倒された。
菩阿羅(ぼあら)
第11話に登場。風俗店の主人である魔性の女・菩阿羅に憑依していた。金城グループと繋がっており、反金城グループの政治家や有力者たちを抹殺していた。相手の手を握ることで心を読み取り、その相手が求めている人間の姿に変身する能力で男を誑かして骨抜きにした上で捕食する。また、下級ホラーが憑依した店員を部下として従えている。交戦した流牙や莉杏の心を読んで誑かそうとするが、彼らには通用せず、最期は流牙に斬られた。
万樹(まき)
第14話に登場。ソフィアの恋人であったバイオリニストの男・万樹に憑依していた。ウェストサイド付近にある別荘を訪ねた猛竜と哀空吏に襲い掛かるが、瞬殺された。
華漣に憑依したホラー
第20話の滔星の回想の中で登場。滔星が用意した「ホラーを招く禁断のオブジェ」より出現し、滔星の母親に憑依した。
滔星に憑依したホラー
第24話に登場。滔星の持つ凄まじい陰我におびき寄せられて彼に憑依した。その際に複数の個体が取り囲んでいたが、その内の何体が憑依したのかは不明。
ゼドム
第14話にてハイエナの口から語られた伝説のホラー。「殺戮の闘将」という異名を持ち、身体から魔導ホラーの種子となる物質を生み出す能力を有していた。さらに符礼やザルバの話によるとそれを他のホラーに植え付けて己の下僕とし、最強の軍隊を作り出そうとしていたとされる。現在では魔戒騎士によって討伐され、肉体は分割されて世界各地に封印された後、魔戒法師がその種子から育てたプラントをソウルメタルなどの騎士の素材に加工していたが、一方でこのプラントを人間に打ち込むとその人間は魔導ホラーと化してしまう。その分割された肉体の内の頭部がボルシティの地下にある古代遺跡の首塚に封印されているとされ、魔戒法師が歌う古代の歌こそゼドムに捧げるレクイエムであり、同時にこの歌がゼドムを封じる要になっているという。第21話で流牙に弾かれたプラントの種の一つが塚に戻った事によって封印が解けて覚醒し、第23話で尊士の肉体を用いて完全復活を遂げる。駆け付けた流牙達に魔戒騎士が纏う鎧は自身の力を授かって生まれたものであると説き、正しい使い方をするべく自身の下僕になることを強要するが拒まれ、彼らを屈服させるためにボルシティにホラーを放ち、攻撃を仕掛ける。立方体の意匠を散りばめた軍服を纏う四角い眼鏡をかけた初老の男性のような姿をしており、自身の周囲を漂う無数のキューブを操った攻撃を得意とする。牙狼の鎧をキューブで固めて奪うなどして流牙達を苦戦させたが、最終的に黄金の光に照らされた流牙、猛竜、哀空吏の攻撃により倒された。
魔導ホラー
通常のホラーとは違いゲートを介さず、人間に憑依しない特異なホラー。「何者かの意思から生まれた」とされており、通常のホラーのように欲望のまま人を食らわず、人間界に潜伏している。魔導火や魔導輪による探知ができず、罠を張るなどの方法で正体を暴くしかなかったが、リベラの舌から作られた魔導具・魔導ホラー探知機によって探知することが可能となった。その魔導具で探知された際には、両目の周辺に赤黒い紋章が浮かび上がる。また、魔戒騎士の攻撃で傷を負った際に黄金の波動を発し、一瞬であるが牙狼にその輝きを取り戻させ、装着者である流牙に過去の記憶を想起させるという謎の性質を持つが、この黄金の波動の正体は彼の母親の波奏が古の歌を歌い続けることで育てた牙狼の鎧に黄金の輝きを取り戻す力を魔導ホラーの中に封じ込めたものであり、その波動を受けた際に彼女と過ごした日々が思い出されるのはそのためである。その姿や能力は共通しており、翼が無く尻尾が短い灰色の素体ホラーのような姿をしているが、尊士やリベラなどのように固有の姿を持つ者もいる。人間体の時に自らの皮膚を剥がし、武器に変える能力を持つ。元々魔導ホラーとはゼドムの種を植え付けられて強化されたホラーの事だったが、今作に登場する魔導ホラーはゼドムの種から育てたプラントを刺し込まれた人間であり、自身にプラントを刺し込んだ者に操り人形の如く服従する(ただし、プラントを刺し込んだ者がゼドム以外の者だった場合は、その者の命令よりもゼドムの命令が優先される)。そしてその支配者こそ金城滔星である事が判明した。なお、陰我ホラーのボルシティでの捕食活動に協力する事もあるが、ほとんどの者は陰我ホラーを見下しており、事実魔導ホラーが陰我ホラーを自身の配下として使役する事も多い。大半の者は元の人間性を失っているものの、鷲頭のように望んで魔導ホラーになったわけではないと自覚している者やハイエナのように元の人間に戻りたいとする者もいた。
鷲頭 正彦(わしず まさひこ)
金城不動産の課長。不可能と言われる契約を次々とものにしていくやり手の課長で、部下からも慕われており、莉杏に「ホラーに憑依されるような弱い男ではない」と評される人物であったが、滔星の手によって魔導ホラーに覚醒させられた。本人の発言から魔導ホラーになることは望んでいなかったことが示唆されているが、人間を捕食することには抵抗を感じていないようで、取引先の相手を「食べるつもりはなかった」と言いながらも平然と捕食したり、変装した莉杏が倒れている姿を目撃した際はその血の匂いに誘惑されたりしている。相手を小突いたり手招きしたりすることで、肉体から魂を分離させる能力を持つ。分離させた魂はそのまま食らうほか、名刺を相手の肉体に当てることによって魂を名刺に封じ込め、それを携帯食として持ち歩いている。また、戦闘時には自身の顔の皮を引き剥がし、剣に変化させる。莉杏と哀空吏に正体を暴かれて奇襲を受けるが、彼らの攻撃をものともせずに退ける。その後に流牙と交戦し、高い戦闘能力と斬られた時に発生する黄金の波動で彼を苦戦させるが、激戦の末に倒された。
白波 秀行(しらなみ ひでゆき)
ボルシティの移住管理局の課長。ボルシティへの移住希望者を移住先として勧める物件の地下へ誘い込み、配下の陰我ホラーと共に喰らってきた。常に爽やかな笑顔を絶やさない好青年に見えるが、本性は喰らってきた人々を「自分が幸せにした」、「自分が夢を見せた」と嘯いたり、人間がホラーに喰われていく様子を平然と笑顔で眺める外道な性格の持ち主で、流牙と猛竜の怒りを買った。自身の喉元の皮を引き剥がして刀に変化させて戦うほか、結界札も使用する。洲崎一家を捕食しようとするが、流牙達に阻まれて部下と共に交戦し、最期は流牙と猛竜に倒された。
議員
ボルシティの市会議員の男。流牙達の罠に嵌められて正体を暴かれる。指から光弾を放つほか、首を切り落とされても死なないほど強い生命力を持つ。哀空吏の攻撃を全て耐えきって彼を窮地に追いやるが、最期は流牙に倒された。
医者
ボルシティの中央病院に勤務する医師の男。流牙達の罠に嵌められて正体を暴かれる。正体を暴かれた直後、力を発揮する間もなく流牙に瞬殺された。
妻崎(つまざき)
金城グループの食品工場の責任者。ホラーの非常食となるボルシティへの移住希望者達の魂から作られたカプセルを生産していた。ノルマや製品の品質にこだわっており、病院側に魂を抜き出す人間の工面を頼んだり、哀空吏の目の前でカプセルの魂を食らうといった悪辣な行為で、哀空吏の怒りを煽った。哀空吏の矢を受けてもすぐには倒れないタフさを誇り、自身の左太腿の皮を引き剥がして槍に変化させて戦う。また、陰我ホラーが憑依した職員達を部下として使役している。工場に潜入した流牙達に正体を暴かれて交戦し、哀空吏を圧倒するが、流牙のアドバイスで戦法を変えた哀空吏の攻撃に押され、最期は流牙に止めを刺された。
ハイエナ
ボルシティの墓地に住む墓守。出会った人間は早死するという都市伝説として語られていた。当初は喋れなかったが、調査に訪れた流牙や莉杏と出会った時に莉杏の力で喋れるようになった。かつて自分がボルシティで働いていた精神科医で、相棒だったというクライアントに騙されて魔導ホラーにされたと語る。魔戒騎士のことにも精通しているらしく牙狼のことも知っており、魔導ホラーの種を生み出せるゼドムの伝承を流牙達に話し、それに関わる事柄としてゼドムへのレクイエムを歌うオペラ歌手のソフィアや彼女の恋人だったというバイオリニストである万樹の家に哀空吏と猛竜を誘導するが、それは魔戒騎士を葬ろうという罠で、2人を万樹に憑依したホラーや万樹の家の近くにあった陰我ホラーのゲートから現れた大量の素体ホラーに襲わせたりした。本性を現すや流牙を拘束し、彼を自分のクライアントに捧げようとしたが、自分がすでにクライアントに見限られていることや人間に戻りたいという本心を流牙に指摘され、彼に言われるまま流牙の剣で自身を傷つけた際に発生したエネルギーによって流牙は拘束を解いてしまう。流牙に騙されたことを知り、ホラー形態となって襲い掛かるもあえなく倒された。残されたロケットペンダントから、金城憲水の息子の1人(滔星の兄)であったことが判明した。引き剥がした両腕の皮を拘束具に変化させて相手を拘束するほか、斧を武器として戦うが、他の魔導ホラーの武器とは異なり、ホラー形態に変化した際に最初から所持している。
その他の用語・設定
ボルシティ
火山を中心として発展した日本国内に存在する巨大な独立国家。人々とその暮らしや文化は日本似で公用語も日本語だが、新聞や一部の看板などは英語で表記されている。至る所に女神像が立っており、税金や物価の安さ、無償の福祉施設などから「夢の国」と称されている。一方で、陰我ホラーだけでなく魔導ホラーも暗躍しており、特に魔導ホラーは街の要職員として政治や経済における都市の運営にまで関わっている。そのため、快適な生活を夢見て入国した者達の魂を原料としてホラー用の非常食を生産する工場も存在している。街の地下にはかつて魔戒法師の村だったという遺跡がそのまま残っており、そこの中心部には街のものより巨大な女神像=ゼドムの首塚が置かれている。ゼドムとの決戦後、市民全員が流牙達とホラーに関する記憶を消された。
金城一族
金城グループの会長・金城憲水以下、子供4人を含む14人の血族達。第17話において本性を顕にした金城滔星の指示を受けたリベラ、燕邦の手で全員が虐殺か捕食され、憲水自身も尊士に捕食される。そして、滔星も素体ホラーに憑依されて莉杏に倒されたことによって金城一族は全滅した。
金城グループ
ボルシティを牛耳る巨大企業。第17話で自分以外の金城一族を一掃した滔星が新代表の座に就く。ゼドムとの決戦後、市民がホラーに関する記憶を消された後の動向は不明だが、滔星が元のステーキハウスに戻っていた事から、金城グループの存在もなかった事にされたと思われる。
SG1(エスジーワン)
正式名称は「SECURITY GUARDIAN 1(セキュリティーガーディアンワン)」。ボルシティの警備を請け負っており、隊員は素体ホラーの頭のような金属のヘルメットと先端から電流が出る長い電磁ロッドや銃などで武装している。公的な機関のように振る舞っているが、実際は金城グループの私兵である。最初は流牙達をボルシティの敵と誤解して敵対していたが、後に誤解を解きゼドムやホラーからボルシティを守るために流牙達と共闘する。
波動銃
SG1が携行している銃。着弾すると障壁が発生して相手を吹き飛ばす。出力を調節することが可能であり、MAXだと殺傷力を持つ。
フィストボム
第16話で開発されたナックルダスター似の新兵器。弾を装填して拳に装着し、殴ることで発生する強力な爆風によって、標的を爆砕する。
魔戒銃
リボルバー拳銃型の魔導具。装弾数は6発。武器としての使用のほかにも、魔導筆のように術の発動に使用することも可能。
魔導ホラー探知機
流牙に切り落とされたリベラの舌から符礼が開発した魔導具。指で回すと回転するリベラのホラー形態の顔のようなオブジェが先端に付いた小型のステッキのような形状をしており、それを回転させて人間態の魔導ホラーの目の前に翳すことによって、正体を暴くことができる。
弔いの炎
魔導火の炎で現世を彷徨う人間の魂を成仏させる術。第13話では、この術でホラーの非常食のカプセルにされていた人々の魂を解放した。
安穏の儀
想い人へ気持ちを送る術。発動すると色とりどりの無数の花びらが舞う。
魔導ホラーのプラント
ゼドムの種から生まれる黄土色の植物。この植物から育った実はソウルメタルに変わるホラーの死骸と同等の力を持つと言われている。また、先端に咲いている花から伸びる蘂のような部分に指を突き刺して血を吸わせた後に、根の部分を人間の体に突き刺すことでその人間を魔導ホラーに変貌させることができる。古の歌陰我を浄化してゼドムの力を封じ、ソウルメタルを育てると言われる歌。ジンケイの血筋を持つ女魔戒法師に受け継がれている。波奏はこの歌を歌い続けることで黄金の輝きを育てていたが、同時に魔導ホラーも強化するという危険性も孕んでおり、ザルバ曰く、「危険な賭け」であったとのこと。
ゼドムの儀式
ゼドムの体の一部が封じられている塚で行われる儀式。ジンケイの血筋を持つ女魔戒法師が古の歌でゼドムの封印を緩め、呼び出したゼドムの体の一部から一粒の種子を取り出して体に吸収し、それを体内でプラントにまで育てる。その際には想像を絶する激痛に襲われる。また、儀式の最中にはホラーが引き寄せられる事もあるため魔戒騎士の警護も必要となる。
魔導水
莉杏が流牙達に施した特殊な水。これによって少しの間だけゼドムの火力を防ぐことができる。