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七都市物語の編集履歴

2014-07-28 21:27:45 バージョン

七都市物語

ななとしものがたり

田中芳樹によるSF小説作品の一つ。短編物の作品で、一冊のみの出版となっている。 その続編に類する作品は、他の作家達によって『「七都市物語」シェアードワールズ』という名前で出版された。 また、OVAとして一部アニメーション化もされている。

あらすじ

 西暦2088年、突如地球を襲った未曾有の大惨事『大転倒』(ビッグフォールダウン)によって、地軸が90度も転倒してしまう。この影響により、地球上は豪雨、地震、暴雨、火山噴火、地滑り、山崩れ、といったありとあらゆる災害が発生した。さらに、地上の原子力発電所、生物化学施設等も破壊。これらが災害と共に3年間続き、地球上の人類約100億人の命を奪った。


 そして月面都市に住まう人々は、大転倒が起きた西暦2088年に『汎人類世界政府』を宣言。2091年に地球へ降り立ち、地上に七つの都市を建設し、地上の生存者を住まわせた。さらに、月面都市は地球人類への支配権を手にするため、地上から500メートル以上を飛ぶ飛行体をすべて撃墜する『オリンポスシステム』を設置し、彼ら地球人類から航空・航宙技術を取り上げてしまった。

 地球人類に対し絶対的な支配権を確立した汎人類世界政府だったが、西暦2136年、月面都市は落下した隕石に付着していた未知のビールスを検知。これが災いの基となり、致死性の熱病が蔓延し月面都市の人々を全滅させてしまった。そう、オリンポスシステムを残したまま・・・・・・。


 だからと言って地球人類が解放されたわけでもなく、閉ざされた空を見上げるばかりの彼らは、互いに領土や覇権を争い続けていったのである。

 そして時代は西暦2190年、七つの都市の均衡が大きく崩れようとしていた。


登場勢力

本作に登場する七都市は、いずれも経済力と軍事力は拮抗しているとされている。


アクイロニア

 シベリア大陸のレナ川の中流平野に築かれた都市。大転倒の影響で氷雪や氷土が全て溶けて、眠っていた膨大な地下資源に恵まれている。


プリンス・ハラルド

 元南極に建設された都市。大転倒により露わになった南極大陸の大地で、その下に眠る埋蔵資源やエネルギーはアクイロニアを凌駕すると言われている。


タデメッカ

 アフリカ大陸のニジェール川のほとりに建設された都市。ここは元々は不毛(サハラ)だった地帯だが、大転倒後の気象変動で亜熱帯性草原と変わっている。都市名前は、古代に栄えたガラマンテス族の王都に由来していると言う。


クンロン

 大転倒の影響で、200メートルほど陥没したチベット高山の一角に建てられた都市。さらに3万平方キロの広大な新陥没湖にのぞんでおり、新たな赤道の直下という事もあって気候に恵まれている。


ブエノス・ゾンデ

 南アメリカ大陸において、アマゾン流域への大西洋海域侵攻と、アンデス山脈の陥没の影響で、大西洋と太平洋が繋がっており、その付近に建設されている都市(エクアドル付近と思われる)。比較的温和な気候に恵まれている。因みに最初はエル・ドラドと呼称される予定であった。


ニュー・キャメロット

 グレートブリテン島の中央に建設された都市。元北極海や元大西洋、元地中海の覇権を巡って、アクイロニア及びタデメッカと対立しがちな関係にある。


サンダラー

 ユーラシア大陸とオーストラリア大陸の中間にある多島海に建設された都市(インドネシアのマカッサル海峡付近かと思われる)。海上・陸上ともに貿易の要所である。また気候は亜熱帯へと変化している。


登場人物(勢力別)

アクイロニア

アルマリック・アスヴァール (OVA版/山寺宏一)

 年齢は28歳。アクイロニア正規軍大佐、後に中将まで昇進。アクイロニア市防衛局次長と装甲野戦軍司令官を兼任する。

 医学生の頃に学費を稼ぐアルバイトとして軍の衛生兵をしていたが、クンロン軍との戦闘中に負傷した中隊長に代わって部隊の指揮を執った。それで脱出に成功したことがきっかけとなり軍人に転向し、以降の戦場で武勲を重ねていく。


 本人曰く「人を生かすことより人を殺すことがはるかに性にあっている」


 癖のある言動と士官学校出身ではないため上官や同僚からの評判は悪いが、部下からは尊敬を集めている。相手の心理を読み取ること、地形を利用することが得意である。また地図を見るのが趣味で、それを基に作戦を立案して指揮を執る。

 他にもジグソーパズルが好きで、リュウ・ウェイとはその縁で友人になっている。

 因みにOVA版では、その活躍と功績からから、部下や他の兵士からは「AA(エー・エー)」の愛称で呼ばれている。ニュー・キャメロット軍を撃退してからは「AAA(アルマリック・アスヴァール・オブ・アクイロニア)」の異名を持つ。


リュウ・ウェイ (OVA版/堀川亮)

 年齢は31歳。花畑を所有する園芸家だったが、園芸家組合でのトラブル処理能力を買われ、立法議会議員に選出されてしまう。国家元首であるブルームとは友人関係にあり、彼の参謀役でもある。ジグソーパズルが趣味で、その縁でアスヴァールと友人になった。

 ニュー・キャメロット軍の侵攻時、ブルームに対してゴビ平原の地下資源を条件にしてクンロンとの中立条約を結ぶべきであると助言。その特使として派遣されてもなお、巧みな話術等で相手を丸く収めてしまう等、外交としての手腕も持ち合わせている。

 またブルームの為人をよく熟知しており、それあって後にタデメッカへと移り住んだ。本人は政治などに興味はなく(というよりも関わりたくない)、園芸や農業の方に専念したいと考えている。そのことを姪のマリーンにもボヤイているらしい。

 OVA版では、ひっそりとオリンポスシステムの解析作業をしており、そのことをブルームに察知されていた。


ニコラス・ブルーム (OVA版/置鮎龍太郎)

 年齢は33歳。モーブリッジによる長期政権に嫌気の差した市民により元首に選出された。アクイロニア政界の名門出身で哲学博士の学位を持ち、政治家になる以前はジャーナリストや学者をしていた。

 政治姿勢としては全員を満足させようとして全員に不満を抱かせる傾向がある。また、他人と苦労を分かち合うことはできても、他人との功績を分かち合うことはできない性分である。これは同時に、自身の権力を奪われることに対して異常なまでの恐怖をも感じている。その証拠に、友人のリュウ・ウェイを頼りにしつつも、その才能を恐れていた。

 また、この性格はアスヴァールにも見抜かれており『信用できない』と、副官のボスウェルに断言している。


マリーン (OVA版/久川綾)

 年齢は15歳。リュウ・ウェイの姪。リュウの姉の夫の連れ子であるため血のつながりはない。両親の事故死後、リュウに引き取られ一緒に暮らしている。

 毒舌が混じるものの、リュウはまったく気にしていない。また、リュウ曰く「世話女房」らしく、ことあるごとに彼の身を案じている。その一方で、リュウに対して結婚はしないと公言している。


ボスウェル (OVA版/梁田清之)

 アクイロニア正規軍中佐、後に大佐に昇進。アスヴァールの副官として、ニュー・キャメロット軍との戦争を経験。その後は大佐に昇進して高級副官へと任命される。かなり癖のある上官や他の登場人物に比べて、比較的常識な人物である。


マディソン (OVA版/曽我部和恭)

 アクイロニア正規軍少将。レナ川を上ってアクイロニア首都を攻撃してくるであろう、ニュー・キャメロット艦隊をレナ河口にて迎撃するため、アクイロニア軍外洋艦隊をもって河口封鎖した。

 しかし、ギルフォードの巧みな情報操作等による奇策に陥ってしまい、反撃の指揮も取ることができないまま、ニュー・キャメロット軍の小型戦闘艇らに狙撃され戦死してしまった。

 アニメ版では、序列を笠に着てアスヴァールを見下す傲慢な人物として描写されている。


チャールズ・コリン・モーブリッジ

 元アクイロニア元首。幾度かの軍事的・外交的危機を処理し、官僚組織を改革するなど辣腕を発揮し市民の人気を集め、5期25年に渡って元首を務めた。しかしその一方で、政敵を片端から蹴落としていくやり口が目立ち始め、息子を首席秘書官や副元首に就任させるなどの公私混同が強く指摘された。

 晩年には息子に元首職を世襲させようとした。その意を明確にするために、任期満了の90日前に記者会見が開かれたものの、その場で急性脳出血を起こして死亡してしまった。

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