「私は堕落の翼。宇宙ではそう呼ばれている」
「私は何時何者にも縛られない。法にも縛られない」
概要
小説『ウルトラマンデュアル2』にて存在が明らかとなった、怪獣とも宇宙人とも異なる正体不明な謎の存在。
堕落の翼というのは彼らの種族としての名称であり、個体名ではない。
その姿は横幅150mほどもある、頭と胴体の無い巨大な猛禽類を思わせる一対の翼を持った膨大な光の塊で、めったに人前に現れることはなく半ば宇宙の伝説の存在と化している。
現在では没落しているが光の国の宇宙警備隊にも匹敵するほどの力を持ち、「堕落の翼が動く時は宇宙の勢力図が大きく変動する」ともいわれている。
宇宙警備隊にもその存在は知られており、宇宙警備隊のバゴ巡視団隊長が「あの方」と呼ぶなど、敬意を持って接されている模様。
宇宙警備隊太陽系巡視団補充要員となった6人の人間が遭遇した転送事故で宇宙に放り出された巡視団メンバーの一ノ瀬環の前に現れ、目視できるほどの光を与えると環との対話を試み、宇宙警備隊に加わろうとする環が正義を失っていると指摘。自分が何物にも縛られない存在と豪語して地球に向かう事を宣言し、ウルトラマン化したばかりの環がもがく様子をしばらく観察していた。
そこにウルトラマンデュアルⅡが現れたのを察すると光を解放して行く手を阻んだが、翼を貫通され突破されてしまう。
デュアルⅡがウルトラセイントティアのウルトラオペレーションでウルトラマン化したことを知るとしばらくの間にらみ合いとなったが、環に何の危害も加えていないことと「生まれたての光を見定める」という自身の目的を伝え、デュアルⅡに地球への来訪を許可されるもののまたしても何物にも縛られないと語り、地球とは別の方向へ去っていった。
その後、謎の死を遂げた環の死後の世界で接触すると光を育み続けるよう告げると地球へ向かい、防衛軍から追われている栗村円と接触。
彼女を「偽りの光」「不実の獣にも劣る」と侮辱し、正義のために戦っているという彼女に戦う理由を問いかけ、「自分の為にならない」から戦うという彼女の思想に理解し、円のような存在に合うために地球に来たと告げると、倒した怪獣の遺体を引き払って去っていった。
そしてヒガン星人の怪獣ツェーラが出現したのをきっかけに、怪獣や宇宙人が暴れるたびにその姿を現し、怪獣やウルトラマンどちらの味方をするでもなく傍観に徹し、円に答えが出たかを問いかけ続けていた。
関連タグ
これより先、ウルトラマンデュアル2のネタバレ注意
正体
その正体は、今の光の国が宇宙警備隊を受け継ぐはるか前に宇宙警備隊として宇宙を守っていた初代宇宙警備隊「不落の翼」である。
円が防衛軍に出頭した際に、最後の活動として堕落の翼の退去を求めて接触し、自身の目的を語った。
かつて翼が「不落の翼」と呼ばれていたころ、彼らは不死の存在で正義の心を持ち宇宙を守っていたが、「他者の命を奪い取る」という恐ろしい力を持った凶暴な宇宙人が宇宙の支配を目論んで戦いを挑んできた。
「不落の翼」と宇宙人には力に個体差があり、死ぬ者もいれば能力が通じない者もいたが宇宙人側が優勢だった。
しかし長きにわたる戦いの中でも正義の心を失わない翼に宇宙人たちは次第に感化されていくようになり、戦いは継承戦へと変わり最終的に翼は宇宙人たちを認め、あえて負けることで彼らを認めて堕落の翼へと名前を変え、姿を消したのだった。
この戦いで勝利した宇宙人こそが後にウルトラマン達と呼ばれる事になるM78星雲人であり、彼らが宇宙警備隊を引き継いで宇宙を防衛する事になったのであった。
翼の目的は生まれたての光、すなわち今の宇宙警備隊に変わって新たな宇宙警備隊となるであろう地球を見定めることで、今の宇宙警備隊も永遠ではなく、いつの日にか滅びた際に秩序を守る存在が必要であるとして、正義の心を持つ者を見定める中でウルトラマン化した際に起きた事故で環から戦士の素質を移された「偽りの光」である円から「愛」という原始的ではあるが大きな力である「光の可能性」を感じ取り、「愛の光」を次の世代に任せてもいいのではないかと考えていたのだった。