概要
『めろんぱん学園』「学園追放編/シリウス編」に登場するゲストキャラクターの一人。ヒロイン枠にしてキーパーソンである。
動向などが膨大なものとなったため分割した。
各話の彼女以外の要素の詳細についてはこちらの学園追放編/シリウス編を参照。
各話の動向
84話
サムライ翔に“再接触”。以前振られた上で翔にもう一度学園に戻ってきて欲しいと頼み込むが、そもそも告白自体無かったことを指摘され(どうも七不思議編における71話でサムライ翔に告白していた女子生徒の件をなにかの形で知ったらしい。そもそもその告白も実際は応援であったわけだが)ボコボコに煽り散らかされると豹変···否、それまでの大人しかった性格を一変。本性を露呈させ「まったく。歌い手風情が、調子に乗ってんじゃないわよ」と吐き捨て翔と子供染みたレスバトルを展開した(内容は本編参照)。
実は「メコノプシス」を劇中において動かしていたのも彼女であり、翔曰く新校長は「ただのお飾り」。
その後は翔に「自分が勝ったら2度とめろぱかにちょっかいをかけない代わりに、そっちが勝ったらなんでも言うことを聞く」ことを条件に勝負を持ち掛けられるが、突如勝負を投げ出し「あなたなんかよりずっと欲しかったものが手に入っちゃったから」と言い捨て去っていった(その前も「絶対浮気するタイプ」「そらねこの家のドアに落書きをした犯人であり、字の書き方からして男が変装している」など散々な言われようであり、前者のことでは結構かわいい反応を見せていた)。
翔は彼女がこの一連の件(学園追放編)における黒幕だと踏んでいたが、一方kamome・なろ屋側で意外な事実が判明する。
ネタバレと人物像
彼女は理事長の娘。そしてサクラとイチョウという二つの人格を宿している···、すなわち二重人格であった。
詳細はボブが探偵事務所から持ち出そうとした資料に記されており、名前が判明したのもそこから。
どうやら描写を見るに翔と上記の通り接触していたのはイチョウであるようだ。
サクラは清楚な雰囲気でありどこか気弱な一面を持つ、優しくおっとりとした性格。
反対にイチョウは気が強く口調も荒く傲慢で狙ったものはどんな手段を使ってでも必ず手に入れようとする独占欲が強いタイプであり、その割には飽きるとあっさりと捨ててしまうというお嬢様のテンプレ的な性格である。
···の割には、上述の通り84話で翔とレスバトルで打ち負かされたときに涙目になって憤慨するというどこか微妙に可愛い性格も持ち合わせている。
ネタバレ以降の動向
サクラは実は前述の71話で翔に応援のメッセージを送っていた女子生徒であったほか、イチョウが翔と再接触する前日に82話にてそらねこの家の前で落書きが落ちるスプレー「ネコソギオチールZ」を渡した後KAITOストーリーに追われる黒フードの人物として登場し、追跡劇を繰り広げた後にKAITOストーリーそらねこ及びkamomeと接触している(サクラとして顔が判明したのは83話ラスト※。劇中ではミスリードされており、あたかも翔がイチョウと会っている裏でサクラがアニ教組と会っているかのような演出がなされていた)。
また、イチョウは翔に以前「告白した」と言っていたが、接触した事実だけ見ればあながちまったくの嘘でもないことになる。
85話では、回想で前回のエピソードのどこかが描かれた。
イチョウはサクラが酷く翔を恨んでいたこと、自分の人格に抗っていた事を語り「歌い手失格ね」と何やら意味深な言葉を告げる。
また71話でのサクラと翔の下りが掘り下げられており、何かの件でサクラはお礼を言いたかったが翔本人には覚えがなく「人違いじゃないか?」と言われてしまったこと、それでも応援していることが明かされた。
過去
87話にて、新校長の口から語られる形や回想でサクラの過去などが掘り下げられた。
新校長はかつてより彼女の教育係であり、部下を持たないサクラが唯一仕えるのを許した者であった。
また「イチョウ」というのは人格としての名前であり、症状の名前は「シリウスβ」。
「2人」一日おきに人格が切り替わっている。故に、サクラはサクラとして学園に通う日々も、思い出も「半分」であった。
サクラが生まれつき持ったもう一つの人格であるイチョウはクラスの中でも理事長の娘ということもあって格上に周囲から扱われており、サクラ自身は周りから見向きもされていなかった。
またサクラとイチョウは人格が切り替わっている間の記憶は共有できず、ノートを用いた筆談で会話していた。
更にイチョウはサクラへいつも強く当たり、外見を保つことから何から何まできつく口出ししていたことから相当サクラを邪魔に思っていた模様。
そんな毎日に、何よりもう一人の自分に耐えきれなくなったサクラはある夜自らの人格を消し去るというある種の自殺にもとれる手段に出ようとした(時系列としては七不思議編の61~64話までの間に当たると思われる。またサクラはこれまでにも自殺などの考えに至ってもイチョウ諸共消し去るような行動はイチョウによって阻止される上、自分自身の人格を消すことはサクラ自身の意思でいつでも出来るが、彼女を自由にさせてはいけないという責任感の為に思い留まっていた)。
しかし屋上に出たところ青組(そらねことサムライ翔)に飛び降りをしようとしていると勘違いされてしまい、ギリギリで屋上に着いた翔に阻止された(飛び降りでこそ無かったものの上述の通りある意味では自殺だった為、どちらにせよ阻止されたのは結果的に正解だったとされる。また上記の改造VRホラゲの翔の姿をした怪異との対峙シーンは飛び降りていたor突き落とされた場合のIFであり、そらねこがクリアしたことで翔との邂逅の記憶を再現した仮想世界が見れるようになった)。
急いでやってきたもののどこか抜けたところのある翔の言動に心はほぐれいくらか落ち着きを取り戻し、寄り添うような言葉を掛けられる。
更に「悩んでいることがあるならアイドル部の初ライブに来たらいい」と誘われ、キャンディを一つもらっている。
その後はライブにも行ったり(「めろんサマーフェスティバル」のビジュアルが回想で登場している)、教室でも彼を度々見つけても話しかけられずにいるなど、あの夜から強く焦がれ記憶に焼き付いた存在となった。
だが、
「――あの青髪の男 だれ?――」
ある種の「自殺」を止めてもらったサクラは「命の恩人」故にサムライ翔の事を強く、強く記憶した。
その記憶は本来越えないはずの、人格の壁を越えるほどに。
そしてイチョウも彼の存在を認識してしまったのである。
しかし、サクラが翔に応援を送ったときに「お礼を言われるようなことをした覚えはないから」と言われてしまったことから、彼にとってのあの夜の記憶は無慈悲にも彼女の存在ごとポピーの黒魔術の「呪い」で消されてしまったことへの想像は難くない。
また翔をヘッドハンティングしようとしていたのはイチョウも無意識にサクラの影響を受けて彼を欲したからであり、傷心したサクラの願いを歪んだ形で叶えようとしてるともとれるが···。
サクラはかつて、新校長からポピーを使った「いつまでも強く残る思い出ができた時。それを誰にも、イチョウにさえも知られたくない時のおまじない」を教えられていた。
それは知られない為···思い出そのものを忘れるもの。
「私の記憶が見えたのね
あの青髪は、私が一番恨んでる人
心の底から憎いと思っている相手
あまりに嫌な思いが強くて あなたに伝わっちゃったみたい
ごめんなさい 気にしないで
彼のことは忘れて」
思い出をイチョウにも知られたくなく、かと言って消すこともできないサクラはイチョウに嘘をついた。
もしも翔への想いがバレたら、翔が利用されてしまうから。
あの夜に果たせなかったこと······サクラの人格を消し去り、イチョウが肉体の主導権を完全に握り自分一人のものとすること。
果てには記憶が共有されて翔を想う気持ちがバレないよう、自分自身を騙すため、あのVRホラゲーを···翔に突き落とされる偽のシチュエーションの仮想世界を作った。わざわざ学園の関係者に頼んでまで。
しかし、事態は更に悪い方向へ転がった。
新校長の話からするにVRホラゲをプレイする際の人格はイチョウになってしまい、サクラに戻ったのはゲームのクリア後だったらしい。
肉体に作用する幻覚は人格には通用しない。
ゲームもクリアされ隠されたもう一つの仮想世界···屋上であった実際の出来事と翔のことも結局バレてしまった。
しかし二人の間で極稀に共有されるのはあくまで「想い」ではなく「思い出」であるため、あくまで彼女の翔への気持ちはバレていない。
が、それとは別にイチョウもサクラと同様、翔のことが気に入ってしまった。
よりにもよって最も自分にとって危険な存在であるイチョウがサクラと同じ人を気に入ってしまったことで、結果的にサクラを追い詰めることになってしまったのだ。
「顔、はっきり見ちゃった
運命を感じたわ 」
さらに71話の翔への応援で、校舎裏での思い出も知ってしまった。
「あれって学園の校舎裏?
あの花は 何?
もしかしてあんた フラレたの?
ああ それで恨んだのね
ちょうどいいわ
あんたがいらないなら
じゃあ、あの彼、私がもらうわね」
イチョウはその歪んだ独占欲から歌い手部の追放計画を画策した。
めろぱかを学園から追放した上で翔をメロンプロという新たなグループに引き抜くことで解体させ、彼のみを学園に戻して自分だけのものにしようと企んだのだった。
新校長によれば、翔以外のメンバーのことは眼中になく状況だけ見て計画を進めていたらしいとのこと。
理事長一派を動かして様々な根回しをし、新校長もサクラが喜ぶと思ってイチョウの掌の上で転がされているとも知らぬままめろぱかの追放と引き抜き計画を進めていたが、計画の進行に気づいたサクラに厳しく叱られ「イチョウによるめろぱかへの攻撃を何としても止めろ」と命じられる。それでサクラの味方であった事から周囲がイチョウ派の中、一人でも出来る限りの攻撃を阻止していたのが新校長の口から語られている。
一方、数々のイチョウの攻撃に対して心を痛めていたサクラは新校長の静止も聞かず自ら赴いて止めようとすることもあった。
その中で、上記の落書きを消そうとしていたところで初めて翔以外のメンバーと接触したのである。
88話での動向
サクラはおまじないで翔との思い出を消し去ろうとしたが、やはり実行できずにやめてしまった。
故に翔が自分を忘れていたのは、おまじないを不完全にやめたからだと思っていた。
そらねこにそれは「黒魔術=忘却の流れ星のせい」と慌ててフォローされるが、彼はあることに気付く。
黒魔術に掛かったことのあるそらねこは翌日には記憶が戻っていたのに、翔のサクラに対する記憶は戻っていなかったこと。
恐らく本当に「そのおまじないで記憶が消えた」のだろう。
「本当に欲しいものが手に入っちゃったから あの青髪の子はもういらない」
一方KAITOストーリー、kamome、なろ屋はイチョウがそんな言葉を残していたことからずっと引っかかっていた。
「遠くに行く」
「最後に誰かと話せてよかった」
この言葉と新校長の話から、3人はあることに気付く。
―――イチョウが本当に欲しいもの、それはサクラの身体。
そしてそれを手に入れるために翔を利用するということは、他のメンバーの身にもどんな危険が及ぶかわからないということ。
それらを避けるため、サクラは自分の身体を譲ること―――。
身体を譲るということは、「サクラ」という人物の消滅を意味する。
同じ頃、翔はいつの間にかサクラが自分のズボンのポケットに残していたキャンディに気付く。
······同時に、あの時キャンディをあげた子と応援してることを伝えてきたのが同一人物であること、
更に、新校長の口から更に衝撃的な事実が告げられる。
「シリウスβ」は一般的な二重人格とは違い、いずれ弱い方の人格が強い方の人格に取り込まれ、消滅するもの。しかももう一つの人格が宿ったときから消える方は弱い方と決まっているという。
サクラは、そんな自分の運命に悲観していた。
だがあの夜、翔と出会ったことで自身の生きる意味について考えるようになった。
いずれ消えることが決まっていた運命だとしても、自分の生きる意味を懸命に見出そうとしていた。
それは新校長が何年掛かっても与えられなかった、それを考えることについての切っ掛け···一種の希望であった。
そして、3人は新校長が取り出した「イチョウがサクラの最後の持ち物」として渡してきた、茎だけのポピーを見て気付く。
―――イチョウに想いや記憶を取り込まれて彼女のものにされる前に、サクラが自分でおまじない···あるいは黒魔術を行って、永遠に自分のものにしたまま自ら消したのだと。
その頃、サクラは学園の屋上でそらねこ、KAITOストーリーとの会話を思い出しながらおまじないを実行していた。
オンラインライブを告知しつつチケットの購入を忘れないよう言うそらねこに、かつての翔の台詞が重なる。
「―――ねえ、イチョウ。
この身体があなただけのものになっても。
この心があなただけのものになっても。
この大切な『想い』は、私だけのもの。
あなたになんて、絶対に渡さないから」
メンバーが合流し歩き出す一方、夜空に遠く瞬くシリウスを見上げ、最後に静かに独り言るサクラ。
「―――どれだけ想っても、届かない気持ちがある
どんなに祈っても、叶わない願いがある。
でも、それでいい。
届かなくていい。叶わなくていい。
あの星が綺麗だった夜。 世界が輝いて見えた夜。
私の最期の火が消えかけた夜。あなたは言ってくれたから。」
おまじないの為のポピーの花弁が全て落ち······。
余談
彼女らの名前のモチーフになった植物と花言葉だが、銀杏は「長寿」桜の花言葉は「私を忘れないで」である。
※正確にはサクラの名前は84話の予告で登場しており、某忍者漫画のヒロインを想起しためろりすもいた模様。それを意識したかは不明だが、84話のサムネはその漫画のワンシーンのパロディとも見れる構図になっている。
ちなみにめろりすからは一部では声質からCVが某声優なのでは?という反応が上がった。
後に配信でKAITOストーリーも言及しており「演者は知らないが、彼女(花澤女史)であったら面白い」といった旨のことを述べている。