潜水空母とは
「潜水空母」伊400型
潜水艦が第一次世界大戦で実用化されて以来、隠密性には優れるが偵察力や攻撃力に乏しい潜水艦に航空機を搭載してその弱点を補うことは世界各国で模索されていたが、実用にこぎつけたのは日本海軍のみである。その日本海軍も搭載できたのは大半が専用の小型偵察機のみであるが、伊400型(とこれを補う伊13型)は通常の爆撃機に匹敵する特殊攻撃機「晴嵐」を搭載することが可能になった。これを称えて、1隻につきわずか3機しか搭載できない(伊13型は2機)にも関わらず、潜水空母と呼ばれることもある。
とはいえ、1機当たりの攻撃力の低さと3機といういう搭載機数、搭乗員や機体の回収まで母艦が拘束されることを考えると、実用性に乏しくせいぜい奇襲に使える程度なのは明白である。
伊400型は終戦間際に完成し敵泊地襲撃のため出撃したが、戦闘開始前に終戦を迎え、実践を行うことなく廃棄処分された。
冷戦時代以降、潜水艦にミサイルを搭載することが可能になると潜水艦に友人航空機を搭載する意義は希薄となり、潜水空母が開発されることも無くなっている。