キハ28
きはにじゅうはち
キハ58系グループの1エンジン車
キハ58系グループの中でエンジンを1基のみ搭載した形式。床下のスペースに余裕が有ることから冷房化改造を行った際は冷房用電源をこの車両に搭載している。
2015年現在は、JR東日本のジョイフルトレイン「Kenji」用に改造された1両がJRで唯一の稼働車となっている。
いすみ鉄道でも、JR西日本から譲渡された車両がキハ52と共に観光列車として活躍している。
このキハ28に関してあまり知られていないエピソードがある。それは特急列車への充当である。
1961年10月1日、京都-松江間を福知山線経由で結ぶ特急まつかぜが誕生。この特急まつかぜはキハ82が使用されたが運転開始初日に福知山駅で6号車のキハ82-40が軸焼けを起こして立ち往生。大騒動の末、とりあえず6号車を切り離して5号車であるキハ80-27が最後尾となった。一つ付け加えておくとキハ80-27は中間車である。
終点松江駅に到着した後、京都駅へ向けて折り返すため1号車のキハ82-27を方向転換してキハ80-27の前へ連結。しかしこのままでは5両編成で乗客を乗せきれないので1号車としてキハ28-7を連結。この珍編成で山陰本線を豊岡まで駆け抜けた後、豊岡駅でキハ28を切り離し。代わりに応急修理を終えたキハ82-40を連結して正規の編成で京都駅へと舞い戻った。緊急代走とはいえ、キハ58系列が特急列車に使用され、尚且つキハ80系との併結運転を行った唯一の事例でもある。