作品解説
ロボテック 国連・公共サービス・公報(Robotech UN Public Service Announcement)
:2005年に製作された『スコット・バーナード』(Scott Bernard )及び『アリエル』(Ariel)の対話と、かつてインビッドからの地球解放を目指す『地球奪還降下作戦』や、衛星ティロル(Tirol)の解放作戦に使われた、強襲降下用装甲艇「ホリゾン(ト)-V」が、今度は、遠征艦隊軍 (国際連合を暗喩する)の難民に対する国際救援物資の輸送(地球なのか、衛星" Tirol " なのかは不明。)に使われる場面を特色とする国連の60周年記念の60秒単位で揃い踏みされた公共サービス公報は、『シャドウ・クロニクル』のアニメーション製作作業の合間を縫って製作された。オリジナルの声優を使用せず、対話は公報フィルムの限界上、キャラクター性が多少不足していたが、それにもかかわらず長年に亘り未完成企画の連続であったロボテックの米国独自新作アニメーション製作に於いて、最初の完全に完了されたフィルム・フィート数として記録された。
外部リンク
ロボテック: シャドウ(シャダウ)・クロニクル(Robotech: The Shadow Chronicles)
概要(邦訳表題「影の年代記」)
2002年、「トミー・ユン」(Tommy Yune)が新作の展開を発表した。この作品は2004年に『ロボテック: シャドー・フォース』(Robotech: Shadow Force) と名付けられた。 タイトルはすぐに変更されとなった。ハーモニーゴールド USA 社の代表は、アメリカ、カナダ各地の、アニメコンベンションやSFコンベンション会場に展示パネルを設け、プロダクション・アートやパイロット版のCGアニメを展示した。2005年のアニメエキスポとコミック・コンの会場に於いて制作中の作品の予告編が上映され、これはウェブサイトでも観ることができる。
ロボテック20周年となる2005年の完成を目指したが、実際は遅れ、北米で2007年2月6日(オーストラリアは2007年3月7日)にDVDが発売された。
物語構成は、最初の30分が The New Generation〈機甲創世記モスピーダ〉の最終回のリメイク版とでもいうべき展開で、前述のように、その一話手前の24話で名前だけ登場した リック・ハンター(Rick Hunter)〈一条 輝〉提督が行方不明になるエピソードも加えられている。
その後の1時間は新展開となり、新たな敵でインビッド女王が「影の子供たち」或いは「シャドウの子ら」 (The children of shadow)と呼ぶ ハイドニット種族(Haydonites)の企みと、彼等との遠征艦隊軍(United Earth Expeditionary Force)の戦いが描かれる。
旧シリーズからは
人名 | 英文 | 日本版での名称 |
---|---|---|
スコット・バーナード | Scott Bernard | スティック・バーナード |
アリエル | Ariel | アイシャ |
インビッド女王リージス | Regis | レフレス |
ギュンター・ラインハルト大将 | General Gunther Reinhardt | 無名の第三次地球奪還軍艦隊指揮官 |
が登場。新登場人物として、かつてロイ・フォッカー〈Roy Fokker〉や 一条 輝〈Rick Hunter〉が務めたスカル飛行大隊のスカル・リーダー(Commander, Air Group:CAG)として
人名 | 英文 | 備考 |
---|---|---|
マイア・スターリング | Maia Sterling | エースのミリアの次女 |
マーカス・ラッシュ | Marcus Rush | 通信士マレーンの実弟 |
- ロボテック版の設定ではミリア夫妻の長女はダーナ・スターリング(日本版の「ジャンヌ・フランセーズ」)
が登場する。登場人物は、従来通りの手描き作画によるアニメーションである一方、メカニックは、その殆どがCGを使用したものになっている。
ハイドニット(Haydonites)の戦闘ロボに人が襲われるシーンなども、人物は作画、メカはCGという表現を通しているが、唯一ベリテック(VERITECH)ライダー・シシテム『サイクロン』(Cyclone、日本版でのアーマーバイク/ライドアーマー)に関しては、バイク形態からライドアーマーに至るまで、全ての作画でCGを使わず描かれている。
ハーモニーゴールド USA 社との「提携」という形で、タツノコプロも製作に参加している。
エンディング・クレジットによると企画はタツノコプロとなっており、その製作総指揮として『成嶋弘毅』と『九里一平』の氏名が明記されている。
製作相談役として、九里一平と共に 『寺田憲史』の氏名があり、その他にタツノコプロ関連で名前が知られている人物では、企画相談役として『岩田 弘』(『マクロス』『モスピーダ』の制作担当)の名前が確認できる。
実質的に『機甲創世記モスピーダ』のリメイク&続編的な内容である事からか、天野喜孝、荒牧伸志、柿沼秀樹 の名前もオリジナルデザイン担当として明記されている。
アニメーション作業部の「実制作」は大韓民国の「DR MOVIE」が担当。
ロボテック: シャドウ(シャダウ)・ライジング(Robotech: The Shadow Rising)
概要(邦訳表題「影の勃興」)
2007年2月27日の「ニューヨーク・コミック・コンベンション」(Comic-Con 2007)の席上で「ロボテック:シャドウ・クロニクル」の監督「トミー・ユン」(Tommy Yune)は『ロボテック: シャドー(シャダウ)・クロニクル』(Robotech: The Shadow Chronicles)の続編となる劇場公開作品の製作を発表した。
公開は2年後の2009年を予定し、前作と同様DVD発売に加え、次世代光ディスク(Blu-ray Disc , HD DVD)版の発売も念頭にあるとスタッフにより説明された後で、監督はこのように付け加えた。
「ロボテック:シャドウ・クロニクル」は小売で成功しており、我々は現在続編を製作中です。」
同日の後の時間に、続編が長編映画(Feature-movie)であり、続編のタイトルは「ロボテック:シャドウ・ライジング」(Robotech: Shadow Rising)であることが明らかにされ、フィルムは最速で発表から2年内に公開されることが期待されると述べた。
詳細なプロットは作品の営業上の事情から伏せられているが、製作発表時のハーモニーゴールド USA社の言によると「重要な登場人物の死、新規キャラクター間における(恋愛)感情の進展、敵ハイドニット側の新展開」が予定されている。
その後、2008年中頃のハーモニーゴールド USA社による追加発表により、フィルム・デジタルデータ作成の進展がみられず、ワーナーブラザース資本の実写映画の開発期間までの『当分の間』アニメーション版の製作は無期限に延期されたと断言した。 後になって、当初の発表の『2年間』の見積りが誤解であることが、ファンによって明らかにされた。2年の期日は、トミー・ユン ( Tommy Yune )によって可能性としてあり得ると述べられたに過ぎず、それが実際の公開日であることを決して意図していなかった。しかしながらファンは、この2年の期間の後が実際の公開予定日であるとその意味を誤解した。
このことは、ロボテック・ファン層の中で大きな混乱を引き起こした。更に悪いことに、同社の別の従業員が 「アニメーションは中断した」 と発言した為に、ファンは更に混乱した。この発言が真実に照らし合わされていないにもかかわらず、多くのファンが次回作のアニメーション映画の公開が延期されたいう意味に受け取った。
ハーモニーゴールド USA 社は後になって、ロボテック専門番組 『宇宙ステーション「リバティ」トーク・ショウ・コールイン・ライブ・ ポッドキャスト』(Space Station Liberty, a TalkShow Call In Live Pod Cast)に幹部自ら登場し「訂正発言」をしてこの誤解を正した。
ハーモニー・ゴールド USA 社の幹部は「見積もられた公開日」に関する誤りについて説明し、製作過程の他の部分がそれ(完成分の絵コンテ)に追いついたが「中断」という用語が「アニメーション製作が保留される」という意味の『映画業界用語』である旨を説明した。
この場合、脚本、声優の為の台本、 ストーリー・ボード(日本語でいう絵コンテ)、製作過程の他の部分は、アニメーション製作自体が保留されていても継続する。
しかしながら、アニメーション実制作作業が生産の残余部分を追い越したとき、アニメーターには、ハーモニーゴールド USA 社の脚本家から物語の次の1カット分の絵コンテを手に入れるまで、何もするべき仕事がなく手空きになる事を意味した。
この時点に於いて、確定した公開日時は与えられなかったが「ロボテック:シャドウ・ライジング」(Robotech:Shadow Rising)は、当初見積もられた公開日時よりは製作進行していることが報告された。
『アニメ・エキスポ 2009』(AnimeExpo 2009)の会場で、ケビン・マッキーバー(Kevin McKeever)と、トミー・ユン ( Tommy Yune )は「ロボテック:シャドウ・ライジング」(Robotech:Shadow Rising)が、 ワーナー・ブラザーズ社の実写映画の製作発表以来、無期限に延期されているのを確認した。
関連企業である映画製作会社ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ(Warner Bros. Pictures)は現在、活発に膨大な予算を注ぎ込んで「ロボテックの実写長編映画」(Robotech Live-action Feature Film)第一作目となる『マクロス・サーガ』(Macross Saga)を製作中で、この為に脚本家、台本家、CG製作や、俳優・女優の演技撮影部分とCG等の合成に伴うSFX準備や、撮影後の作業であるVFX作業をも視野に入れたアニメーション製作スタッフの引き抜きにより、アニメーション版の続編の製作作業は事実上停滞している。
再起動
2011年7月2日(アメリカ太平洋標準時 (UTC-8) 太平洋夏時間)、ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催されたAnime Expo(アニメエキスポ、略称「AX」。)のパネル・ディスカッションに於いて、ケヴィン・マッキーヴァ、トミー・ユンを始めとするハーモニーゴールド USA社の幹部は、実写映画の進展状況には言及せず、ランサー・ベルモント〈イエローベルモント〉、インビット人間体の「シ・ラ」〈ソルジー〉らを主役に据えた映像作品の制作が進行中であることを明らかにし、2012年から2013年に掛けて全世界(日本を除く)に公開する予定であることを明らかにした。
関連内部記事(内部タグ)
外部リンク
- ロボテック・シリーズ公式サイト
- The Shadow Chroniclesの公式サイト
- ロボテック・クロニクル - livedoor Wiki(日本語・非公式サイト)
- シャドウ・クロニクル(日本語・非公式サイト)
- ファンによって製作されたパラディウム社のロボテック・ロールプレイングゲーム
- ロボテックRPG本の現行版と絶版分含む完全目録
- ロボテック・ロールプレイングゲームのウェブページ
- http://home.kih.net/~sbundy/ The Original Palladium FAQ
- パラディウムFAQ原典
- ロボテック・ロールプレイングゲーム資料本に基づく情報ウェブページ
- サザンクロス軍(Southern Cross Armies)徴兵手引書
- ロボテック・ロールプレイングゲーム資料本の中核本 第一巻『マクロス・サーガ』(Macross Saga)の 改訂版 VS 原版(2001年6月30日付絶版)の比較評価