1.あさのあつこの小説。→本項で記述。
2.充電により繰り返し使用出来る電池。小型の電池はセルと呼ぶ。
3.野球において、投手と捕手の組合せ。
4.かわぐちかいじの野球漫画。
概要
あさのあつこによる児童文学作品。
ハードカバー全6巻が教育画劇から、文庫本全6巻が角川文庫から、新書本全6巻が角川つばさ文庫から刊行され、延べ1000万部を超えるベストセラー小説である。
漫画化、映画化、ドラマ化、アニメ化されるなど、メディア展開も多数。
作者であるあさのあつこは本作を野球の取材を一切せず執筆し、『バッテリー』はスポーツ小説ではなく、スポーツを通して成り立つ人間と人間の関係を書いていると語っている。
ストーリー
飛びぬけた才能と傲慢なまでの自信を持つピッチャー原田巧と、その才能に戸惑いながら強く魅かれていくキャッチャー永倉豪の一年間の物語。
少年達の真剣な対峙と美しい背景描写が魅力。短いセンテンスのキレがいい文章。語りは三人称だが、感情描写の主体が場面ごとに変わり、それぞれの登場人物の心理を細かく表現している。
登場人物
主人公
原田巧(CV:内山昂輝)
本作の主人公。誰もが認める天才ピッチャーで、自分に絶対的な自信を持っている。良くも悪くもまっすぐすぎる性格であり、周囲からは誤解されがち。
永倉豪(CV:畠中祐)
もう一人の主人公。巧にキャッチャーとしての実力を認められ、バッテリーを組む。医者の息子で成績も優秀。面倒見がよく優しいが、芯も強い性格。
新田東中学校
3年
海音寺一希(CV:梅原裕一郎)
新田東野球部のキャプテン。四番でショートを守り、成績優秀で生徒会長も務め、リーダーシップもある完璧超人。野球をこよなく愛している。
展西詠司(CV:森嶋秀太)
野球部の副キャプテン。風紀委員も務め、学校では品行方正な模範的な生徒で通っている。入部してきた巧を疎ましく思っている。
1年
沢口文人(CV:村瀬歩)
愛称は「サワ」。足も速いが手も早く口も早い豪の昔からのチームメイト。小心者だが優しい性格。家は農家で羊のメリーさんを飼っている。
東谷啓太(CV:石川界人)
愛称は「ヒガシ」。海音寺に憧れ、ファーストからショートに転身している。寿司屋の息子。サワとは特に仲が良く、よく一緒に行動している。
吉貞伸弘(CV:斉藤壮馬)
愛称は「ヨシ」。自称「ユーティリティプレイヤー」で攻守共に優れた選手だが自信過剰なお調子者。アホっぽい発言ばかりだが人の本質をよく見ている。
横手第二中学校
門脇秀吾(CV:小野友樹)
全国有数の天才スラッガーで、高校へ行ったら即レギュラーともされる三年生。実力に奢らず、生真面目で温厚な性格の持ち主。巧をライバル視する。
瑞垣俊二(CV:木村良平)
横手の五番・ショートにして参謀。座右の銘を「テキトーに中途半端」と掲げ、常に飄々としており、掴みどころのない少年。
その他
原田青波(CV:藤巻勇威)
巧の弟。兄とは違い病弱で、激しい運動ができずにいる。それでも野球が大好き。周囲を和ませる癒し系で、感情の機微に敏感。兄の変化にもよく気づき巧の1番の理解者。
戸村真(CV:郷田ほづみ)
新田東中学校野球部の監督であり数学教諭で三年の学年主任。風紀委員会担当。
若く精悍な風貌だが影で「オトムライ」と呼ばれている。厳格で徹底的な管理野球を強いてきたが、巧と出会い変化していく。
メディア展開
2000年4月より青春アドベンチャー(NHK-FM)でラジオドラマ化。全10話。
2004年より本作を原作とした漫画が柚庭千景により『月刊Asuka』で連載開始。
2010年を最後に長い間休載されていたが、2015年8月号より、同誌にて連載再開。
単行本(既刊8巻)は絶版になっていた為、連載再開・アニメ化に伴い、新装版が刊行。以降は新装版で発行され、9巻までは発売日が確定している。
2007年3月より林遣都の主演で映画化。原作者であるあさのあつこがサプライズ出演している。
2008年4月よりNHKの新設連続ドラマ枠『ドラマ8』にて中山優馬の主演でテレビドラマ化。全10話。
2016年6月よりアニメ化に伴い2度目のコミカライズ。作画は志村貴子が担当し月刊コミックビーム7月号より集中連載開始。
2016年7月よりアニメ化。フジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送開始予定。