概要
宇多田ヒカルの待望の復帰作。16年4月15日にニュースZEROのテーマソング、真夏の通り雨と共に配信限定でリリースされた。
日本屈指の実力派シンガーソングライターの復帰作という事もあり、配信チャートでは上位をキープし続けるロング・ヒットとなっている。
普段から メイクしない 君が薄化粧した朝
冒頭のこの歌詞の一文は、死化粧を施した事を意味しており、曲に登場する「花束」は、弔花を意味している。大切な人との別れを歌った曲であり、この曲は、朝ドラ、とと姉ちゃんの為に書き下ろされたものだが、母である藤圭子に対しての思いも込められている。
同じく母親へ向けて歌った「嵐の女神」と比較すると、当楽曲の方が暖かみのある仕上がりになっており、彼女なりに母に対する思いにけりをつけた事だと伺い知れる。
歌い方も、以前迄の作品と比べて宇多田ヒカル特有の声の不安定さが極力見られなくなっており、宇多田ヒカル曰く、「母親になって一言一言しっかり歌う癖がついた」から、との事。
早熟過ぎた才能の裏で、母との不和や離婚、卵巣腫瘍の発症など、数えきれない苦難を抱えてきた宇多田ヒカル。それらを乗り越えて彼女はようやく『本当の幸せ』を手にしようとしている。彼女に対し、我々は涙色の花束ではなく、祝福の花束を手向けたい。