第2話「逆転マジックショー」に登場するキャラクター。呼称は『ヤマシノ』。
ニドミテレビの名物プロデューサーで自らも「ヤマシノP」としてテレビに出演している。
飄々とした言動とは裏腹にみぬきが書いたボードの中にカーボン紙を仕込んで3億円の契約書を書かせるなど悪どい手も使いこなす『やり手』である。
カメラを常に持ち歩いており、証言台に立ってもカメラを構えるところを裁判長に度々注意されている。
証言台に立つ前に手に持っていたカメラを一瞬で消えたところを見て王泥喜はマジシャンの素質を持っているのではないかと疑い出すが・・・。
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以下に重大なネタバレあり。未プレイの方は要注意。
その正体は、十年前に或真敷一座から追放されたマジシャン『Mr.メンヨー』張本人。二年前から活躍していたメンヨーは彼がマジックの技術を仕込んでデビューさせた二代目であり、端から或真敷一座を破滅に導くための小道具の一つとして利用されていたにすぎなかった。
上記の事実を見ただけでも解るように、その本性は狡猾にして残虐非道。マジシャンらしく心理操作にもたけており、当初は彼を尻に敷いていたように思われていた菜々野輝々も、実は下手に出たフリをしていた志乃山にコントロールされていただけであり、犯行に必要な歯車の一つとして利用されてしまっていた。
当初は、一昔前のステレオタイプなプロデューサーを装い、放送事故を起こした責任を取らせると言って『成歩堂なんでも事務所』に常識外れな額の損害賠償を請求したうえ、マスコミの力を使って事務所に所属する全員を破滅させると宣言して傍聴席で高みの見物を気取っていたが、裁判に提出されていたある証拠がねつ造されたものであることが判明すると弁明の為に証言台に現れ、王泥喜との直接対決を開始する。
そして、裁判前に控室で見せた一瞬でハンディカメラを消失させるというお遊びから前職を特定され、さらにその証拠まで提出されてまい遂に本性を現した。軽薄な雰囲気がミステリアスかつ怜悧な物に豹変、コインやカードを使ったクローズアップマジックを披露しつつ自分には大勢のスタッフに囲まれてテレビ局のスタジオに居たという絶対的なアリバイかあることを盾に王泥喜を追い詰め始めたが、犯行が実は犯人がその場に居なくても実行可能な奇術のトリックを悪用した物であったと見抜かれ窮地に立たされてしまう。
しかし、警察の捜査が始まる前に一切の証拠を隠滅していたことが功を奏して検察側が志乃山の助け舟に入った事で状況が逆転し、遂に自らの復讐が達成されることを喜びつつ勝利宣言をしたが、菜々野姉妹が犯した想定外のミスが原因で足元をすくわれてしまい、遂に御用となってしまった。
真犯人特有のブレイクモーションでは、或真敷よりも自らが優れていることを証明すると宣言して得意だという炎を利用したマジックを披露し始めるが、途中でなぜかマジックの仕掛けが彼の想定を外れた挙動をし始めた事で動揺し、さらに何処からか大量のフラッシュを浴びせかけられてしまいフラフラになってしまう。
犯行の動機は優れたマジシャンであると自負していた自分を練習中に負った傷の一つや二つで追放したことに対する逆恨みであり、或真敷一座の唯一の後継者であるみぬきは勿論、その関係者である『成歩堂なんでも事務所』ですら破滅させるためにマジシャンとしてのスキルとプロデューサーとしての立場を駆使した何重ものトラップを用意していた。
しかし、最後はそのマジックの仕掛けに裏切られるような形で醜態をさらしてしまい、みぬきに対して「自分にまんまと騙され王泥喜達の助けがなければ有罪になっていた、つまり自分は或真敷に勝ったのだ(ちなみに過去作をプレイしている人は彼が結局或真敷に負けていることがわかる)」と(素人である王泥喜にタネを明かされたことは棚に上げて)負け惜しみを言いつつ連行されていった。その負け惜しみも王泥喜の素性を知っているプレイヤーからすれば道化以外の何物でもないのだが。
ただでさえ客観的に見れば逆恨み甚だしい動機であるうえ、みぬきやその関係者を陥れるただそれだけの為にまったく関係のない人間の命を奪うという最低さであり、それが露見すれば「私も被害者」だなどと宣い前述の負け惜しみと相まって反省の色はまったく見られない。社会的な地位の消失も合わさって再犯の可能性はかなり高く、そうでなくてもこの犯行が成功していれば詐欺によって大金をせしめていたことからも悪質ここに極まれりといった所業のため極刑が言い渡される可能性は高い。
長い逆転裁判シリーズでゲスな理由で殺害する犯人は数多くいたが、被害者に対する動機のない殺人を行ったのは巌徒海慈とコイツだけである。