美幸線
びこうせん
北海道に所在し、国鉄が運営していた路線。
概要
宗谷本線の美深駅から分岐し、仁宇布(にうぷ)駅までを結んでいた21.2 kmの路線。ただし計画ではオホーツク海沿岸の枝幸町の北見枝幸駅までを結ぶ路線だった。
道北地区の開発の拠点だった枝幸と宗谷本線を短絡する目的で、昭和28年の鉄道敷設法にて「天塩国美深ヨリ北見国枝幸ニ至ル鉄道」として追加された。それまで枝幸から道北最大都市である旭川へ鉄道で行くには興浜北線で浜頓別まで行き天北線に接続して行くか、興浜線(計画線)で雄武まで行き興浜南線を経て興部から名寄本線に接続するかという遠回りをしなけばならず、長年請願が続けられていた路線である。
昭和39年に先行して美深~仁宇布が開業し残りの区間も工事が進められていたのだが・・・
日本一の赤字路線へ・・・
ところがその後は建設は思うように進まず、先行開業した区間ももともと沿線人口が少なかったこともあり、国鉄の赤字ワースト路線に名を連ね、日本一の赤字路線となってしまった。その営業係数(100円の収入を得るのにかかる経費)はなんと脅威の3859。つまり100円稼ぐのに3859円もかかってしまうのだ。
やがて国鉄再建の波に飲まれ、接続予定だった興浜北線とともに第1次特定地方交通線に指定されてしまった。先に完成していた枝幸側の北見枝幸-歌登間を先行開業させるという話もあったが、分断されたままになってしまうことを恐れた沿線市町村が「一括で開業しなきゃダメ!」といったため、見送られた。
結局、昭和60年に全線が廃止され、名士バスに転換された。
現在では廃線跡の一部がNPO法人「トロッコ王国美深」によって利用されている。