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2016-07-21 21:56:14 バージョン

ブレニム

ぶれにむ

イギリス、ブリストルの開発した爆撃機で、元をただせば新聞社長による高速旅客機に端を発し、1930年台としては抜群の飛行性能を誇る。第二次世界大戦には旧式化していたが、ビルマやアフリカ、地中海で活躍している。のちに夜間戦闘機にも改造された。「ブレンハイム」と呼ばれることもある。

過ぐる日ビルマ戦線を 襲えるブレンハイム機に 猛然せまる一騎打ち たちまち海に射落せし 軍神加藤は死したるか

「空の軍神」より


『ブリテン・ファースト号』

1896年に創刊された新聞「デイリー・メール」は、1920年台に最大の読者を獲得し、また様々な革新的経営により、当時のイギリスで一番の新聞社となっていた。創刊10周年にあたる1906年にはドーバー海峡横断飛行とロンドン・マンチェスター間の飛行に賞金を出しており、1910年にはどちらも成功している。その創始者のひとり、ハロルド・アームズワース(のちのロザミア卿)は「世界一速い航空機」との称号をドイツより奪取すべく、イギリス航空業界に高速機を求めた。並みいる中でブリストル社がこれに応え、高速旅客機タイプ142を開発している。


このタイプ142は単葉で引き込み脚を備え、全金属製という、世界でも先進的な設計を取り入れた。初飛行は1935年で、その性能は当時の新型(にしてはやや古臭いとは言われていたが)戦闘機グロスター「グラディエーター」よりも80km/h速いという記録をたたき出した。


この機は「ブリテン・ファースト」(この機がイギリスで一番速いのはもちろん、デイリー・メールが当時一番の発行部数だったことにも引っ掛けていると思われる)と名付けられ、ロザミア卿に納品されるが、この記録を見て興味をもったイギリス空軍が欲しがったため、交渉して寄贈することになった。


仕様B.28/35

こうして最速・最新鋭の航空機を手に入れた(無論タダとはいかなかったようだが)イギリス空軍は、これを基にした爆撃機開発に取り掛かる。仕様B.28/35というのがそれで、「ブリテン・ファースト」初飛行の4か月後にはこの仕様に則った機を150機発注している。

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