ゲーム概要
Hylicsはインディーズの2DRPG。
RPGツクールVX Aceを用いて制作され、
2015年10月3日にSteamにてリリースされた。
現時点での最低システム要件はWindowsXP, Vista, 7, 8 なので、
Windows以外のユーザーの方は注意。
原語版は英文であり、いまのところ日本語には対応されていない。
しかし、ほとんどが短い文章であり、
長文を解読するような謎解きもないため、
(登場する詩的な言い回しそのものの難解さは別として)
非日本語対応ゲームのなかではかなり遊びやすい部類である。
可塑性冒険世界
Mason Lindroth氏みずから「JRPGの要素を盛り込んでいる」と語っているように、
ストーリーそのものは仲間を集めてラスボスを倒しに行く、という王道的なもの。
戦闘もドラクエのように王道的なコマンド入力式である。
しかし、”経験値”と”レベルアップ”という概念が道中存在せず、
ステータスを上昇させるにはPapercupやMeatといった
特別なアイテムを使用しなければならなかったり(しかもMeatは死後にしか使えない)、
新たな技を身に着けるためにはテレビを見なければならなかったり、
武器防具の大半はステータスの上昇に寄与しないなど、
RPGの既成概念をひっくり返すようなシステムを採用している。
Hylicsの魅力は、なんといってもその奇抜な雰囲気につきるだろう。
グラフィックはクレイアニメを取り込み色調を変換させてつくられており、
CGやドット絵とは違った不可思議な暖かさにつつまれている。
一部のキャラクターの会話やメッセージはランダムテクストで生成され、
あたかも詩のように未来を映し出すことも。
それどころかストーリーの文言も一部ランダムテクストであり、
プレイするたびに話の印象が変わる。
また、登場人物のほとんどが異形頭であり、
この世界における役割を暗示したものとなっている。
"プレイヤーの目標は目に見えるもので誘導されるんだ、環境デザインによってね、
だから私はゲームの外観をなにかジョークや気をそらすものへ自由に作ってもいいと思ったんだ。
あらゆるものがそこで意味を示すようにね。"
--Mason lindroth氏。KILLSCREENでの取材に答えて
登場キャラクター
WAYNE
主人公。やる気のない走り方は一度みたら真似したくなるだろう。
DEDUSMULN
考古学者。古代文明の遺物であるPapercupの収集と研究に並々ならぬ情熱を燃やす。
SOMSNOSA
虫の女王。みずからを世界の破滅と語る。彼女の歌が聞きたければライブに行くべし。
PONGORMA
生き残りの騎士。あふれでる情熱よ、わが海を染めてくれ!じつは料理上手。
DRACULA
幕間に登場する白い人。なにかと謎の多い人物。
GIBBY
月の王。彼を倒すことがゲームの最終的な目標となっている。
トレイラー
トリビア
・BGMもMason lindroth氏みずからの作曲&演奏によるものである。
・WayneとGibbyの名前の由来はwaning moon(半月以降欠けていく月)とgibbous moon(凸月)
のもじりではないかとファンたちは推測している。
・Hylicsの原型となったのは、同じくMason lindroth氏の制作した『Somsnosa』というゲームである。Hylicsに登場人物の名前と家が受け継がれたほか、画面構成などに面影が残っている。ちなみに氏の処女制作ゲームは『Asmosnos』という作品であり、他にも 『Mossnaso』というゲームも作られている。本作の登場人物であるSOMSNOSAの名前はちょうどアナグラムとなっている。正確な関連性は不明だが、氏の脳内を覗いてみたければプレイしてみるのもいいだろう。
・タイトル画面では背景をキャラクターたちの姿が流れていく。Wayne,Dedusmuln,Pongormaの姿もみえるが、なぜかSomsnosaはいない。
・触れると即死する恐怖のモンスターAmbulant skullは、同じくMason lindroth氏の作成したブラウザゲーム『Weired egg & Crushing finger』から登場したキャラクターである。
・Dynamite使用時には核実験をサンプリングしたアニメーションが流れる。これは1955年にアメリカで行われた核実験であるティーポット作戦にて、原子爆弾apple-2の炸裂した際の映像である。その日ティーポット作戦では核兵器が建築物に与えるダメージの計測が行われていたのだった。
・Burrito(ブリトー、もしくはブリートー)はメキシコ発祥の、墨および米国ではポピュラーなファストフードである。トルティーヤで具材をまいたもので、地域によって調理法に特徴がある。ちなみに、アメリカでは「ブリトーはサンドイッチではない」とする判決が裁判ででたことがある。
外部リンク
別名・表記ゆれ