ハイドリッヒ・ラング
はいどりっひらんぐ
SF小説『銀河英雄伝説』の登場人物である。白蟻。
概要
旧銀河帝国ゴールデンバウム王朝で民衆や敵対勢力を弾圧してきた秘密警察組織「社会秩序維持局」の局長を務める。ラインハルト・フォン・ローエングラムの独裁が固まってからは存在を忌避され、維持局も解体されるが、自らオーベルシュタインに売り込み「内国安全保障局」の局長として復帰する。
新帝国設立以降、オスカー・フォン・ロイエンタールに公の場で罵倒されて逆恨みし、さらに秘密警察の地位をもって帝国を陰で牛耳ろうという野心に走り、旧フェザーンのルビンスキーと結託する。ロイエンタールを反乱に追い込むことには成功したが、自身による冤罪でっち上げ事件が明るみになり逮捕、処刑される。
帝国内においてラインハルトからはその存在を軽視され(ラング側でも自身の存在を目立たせないようにしていた)たが、ほかのオーベルシュタインを除く幹部からは好意的に見られず、オーベルシュタインも道具としてしか見ていなかった。一方で、家庭内では善良な父親であり、下級官僚の頃から福祉慈善事業に匿名で寄付していたのが死後明らかになるなど、単純な悪役とは言い切れない面もあった。
もしかすれば2010年末からのいわゆる「伊達直人騒動」でハイドリッヒ・ラングがいたかも知れない。ようやく時代が追い付いたと言える。
この公人としては最低であっても私人としては善良という、なんとも言い難い存在はラインハルト陣営の者達に複雑な思いを抱かせた。なんといっても、卑劣漢の彼の方がロイエンタールやラインハルトよりも幸せな家庭を構築し得たのだから。