シノサウロプテリクス
しのさうろぷてりくす
白亜紀前期の中国に棲息したコンプソグナトゥス科の恐竜。中華竜鳥とも。
概要
1995年、中国遼寧省にて発見された本種の化石には恐竜としては初めて化石化した羽毛が確認された。 そのため当初は鳥類であると考えられ中華竜鳥と名付けられたが、羽毛といってもダウンのような綿毛か、あるいは更に祖先的な、鳥の雛に見られる様な皮膚表面のケラチン質が伸長したチューブ状構造物であるとされる。また形態的特徴からも鳥類とも遠縁のコンプソグナトゥス類であることが分かった。
歯はノコギリ状で、腹部からバラバラとなったトカゲの化石が見つかった事から、小動物や昆虫等を捕食していたと考えられる。
これまでに発見された獣脚類の中で、全長に対する尾の長さが最も長い。最近の研究により、今まで羽毛であると思われた化石表面の痕跡は、羽毛ではなくケラチン状の皮膚であるとの発表がなされた。が、しかし、さらに最新の研究結果によると、この痕跡部分にメラノゾームが詰まっているのが判明した。メラノゾームは、現生鳥類の羽毛には含まれてはいても、雛鳥も含めた他の動物のケラチンには含まれないことから、羽毛の痕だという再反証がなされた。さらには、2010年、その化石内の羽毛部分にはメラニン色素が残っていて、黄色や茶色や赤色系の発色をしていたと判明した。よって、頚部後ろから背中、尾にかけては、赤褐色ないしは橙色に近い色彩の羽毛を持っていたとされている。