概要
タイワンオオムカデ(Scolopendra morsitans)とは、多足亜門唇脚綱オオムカデ目オオムカデ科オオムカデ属に属するムカデの一種である。
形態
体長は最大で12cm程度。体色は黄色で、各体節の間に黒いバンドが入る。頭部は黒い個体や赤い個体等が存在する。脚部も赤い個体と黄色い個体が存在し、色彩変異が多い。中には赤脚赤頭という、毒々しくも美しい個体も存在する。
分布
日本では南西諸島に広く分布し、現地では普通に見られる。海外では東南アジアやアフリカにも分布するとされるが、よく似た種が世界中に分布するため、詳細は不明。比較的温暖な地域に生息するようである。
生息環境
他のオオムカデと同様、比較的湿った環境に生息する。農道脇に捨てられた木の板の下、林内の朽木の内部、庭先の植木鉢の下、石の下等、あらゆる環境に生息する。故に採集も容易である。
毒性について
オオムカデの常として毒性は弱く、本種も例外ではない。咬まれても命に関わることはまず無いが、痛みが続き、赤く腫れるため、咬まれた場合は抗ヒスタミン軟膏を塗ることをお勧めする。
購入時の注意
本種を飼育するためにショップ等で購入する際、注意する点がある。
よく各体節間に黒いバンドが入ったトビズムカデが本種として売られていることがあるが、あれは誤り。更に酷い場合、南西諸島産のムカデということで、アオズムカデ等、全くことなる種が本種として売られていることがあるので、注意が必要。本物のS.morsitansかよく見極めて購入しよう。
人間との関わり
あまり人と関わることは多くはないが、家屋等に浸入した際は、残念ながら害虫として駆除されてしまうことが多い。
愛好家の中には本種を飼育する者もおり、飼育は容易で人気も比較的高い。
また、畑の作物を食い荒らすイモムシ等を捕食する為、どちらかというと益虫な面が強い。