真人類帝国直轄監察官。オデッサ子爵。短編集での事件後、(長編3巻時点にはすでに)キエフ侯爵となる。
象牙色に脱色した長髪と琥珀色の瞳を持つ長身の美女。
彼女自身の気性はプライドが高く、短気直情の武人的なものではあるが、帝国貴族としての経験や職責もあり、その知識や戦略眼も水準以上のものは持ち合わせている。
かつて帝国の任務で人類側の街に潜入した際、ひょんな事から共闘することになった主人公の巡回神父アベルを「神父」「我が相棒(トヴァラシュ)よ」と呼び信頼している(ただ、彼女の気性とアベルのあの性格ゆえに、アベルへのどつき混じりのツッコミや馬鹿(ドビトーク)呼ばわりも絶えないが)。またアベルからは「アストさん」という愛称で呼ばれている。
なお、当初はその長生種としてのプライドの高さもあり、ほかの長生種と同じく短生種を半ば蔑視するような考え方だったが、このアベルと組んだ一件によりその偏見を少し改め、キエフ侯になる頃には真人類帝国貴族の中でも、短生種世界についての第一人者と呼ばれるくらいには理解(と、少しばかりの親しみ)を深め、帝国と冷戦状態にある短生種世界の代表であるAxとの(アベルとの個人的コネもあり)パイプ役にもなっていた。
武人としても鍛え上げられており、戦闘においてはその吸血鬼としての身体能力に騎士としての武技もあわせ、苛烈に攻めるのを身上としている。
愛用武器は帝国特有の超科学技術が組み込まれた「ゲイボルクの槍」。槍の穂先から超高熱の熱線を打ち放つことができ、家屋の一軒や二軒なら苦もなく破壊できる。