概要
本作トリニティ・ブラッドの主人公。苗字の綴りはNightroad。
教皇庁国務聖省特務分室(通称Ax)の派遣執行官。コードネームは「クルースニク」(「十字架を背負うもの」の意)。
ナイトロード3兄妹の第2子になる。
190センチを超える細身の長身に、長い銀髪、冬の湖のような碧眼を備え、黙っていればそれなりにイケメン、なのだが……。
人物
普段はいつもそんな整った容貌にのんびりとした笑みを浮かべた、表情にたがわぬおっとり系の穏健な性格の巡回神父として生活しており、ハンサムではあるのだがそののんびり笑顔と、どこかネジが緩んだようにあちこちでドジなところ、さらに(給料はAxの派遣執行官である以上それなりに出ているはずなのだが)食生活が異様に貧相で、それに引きずられるかのように言動もあちこちで貧乏性かつ(特に食べ物に関して)意地汚いところ、またその時々の状況に応じて聖書の聖句を都合よく引用してそらんじる調子のいいところもあって、クールなカッコよさには程遠い、三枚目めいた憎めない人物像になっている。
まあ、それでもAxの派遣執行官の肩書きは伊達ではなく、(ドジなところもたびたび出るが)荒事や危機に至っての判断や対処能力は確かなものを持っている。
派遣執行官としての愛用武器は、ハイテク化が方々で世界中に定着している世間からすれば珍しいともいえる古式回転拳銃(パーカッション・リボルバー)。
そんな昼行灯を絵に描いたような性格であるが、その体の裡に、「ナノマシン・クルースニク02」という存在を潜ませている。
想像したことはありませんか?
牛や豚を人間が食らう。人間を吸血鬼が食らう。
ならばどこかに、"吸血鬼を食らう存在"がいるのでは、ということを……
クルースニク02
体内に存在するナノマシン・クルースニクを限定起動した姿。
クルースニク化すると、長生種(メトセラ)――『トリブラ世界における吸血鬼』を吸血鬼たらしめる「バチルス・クドラク」保菌者――を駆逐し食らう存在、すなわち「吸血鬼の血を吸う吸血鬼」となり、凄まじい戦闘力を発揮する。
この時は瞳が鮮やかな真紅に染まり、体内から巨大な鎌を生み出したり、背中から漆黒の翼を生やすなど怪物じみた姿を呈する。この姿をアベルは「自分の罪の刻印」と言っている。
この姿では、異常なまでの再生能力、血液をナノマシンで凝固させての武器生成等の能力を得るが、彼固有の能力として超電圧の電撃を操ることが可能となり、天候次第では雷を呼び寄せて「スパークギャップ衝撃波」を放つことさえ可能にする。
本編で語られなかった過去。
トリニティ・ブラッドと言う作品自体が、作者吉田直氏の急逝の為に未完で終わってしまい、本編中では彼の過去は語られなかった。
だが、後に発売した大全のプロットによると、地球が大戦争で滅びかける前から生きていて、火星の入植プロジェクトのために作られたデザイナーベビーであり、自分の生い立ちもあってかその当時のアベルは捻くれた性格であったという。
火星から帰ってきたときに地球が荒廃していたり、その後で起きた事件もあってか、他の二兄妹と火星から持って来た技術で人類を大虐殺した。
そのため、同僚であるリリス・サールと敵対することになったが、和平の時彼の兄が、リリスを虐殺。これにより兄を大気圏外から落とし、以後はリリスの墓を守り続けていた。
およそ八百年後、カテリーナが現れるまでずっと懺悔をしていたという。