インキュベーター[incubator]
1.卵生の生物を人工的に孵化させるための装置。恒温槽、恒温器とも呼称される。
細菌培養器と言う意味もある。左記の意味におけるインキュベーターはこんなの(注:外部リンク)
2.起業に関する支援者の意味。事務、運営、管理、施設など様々な支援体系がある。
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魔法少女まどか☆マギカにおけるインキュベーター
魔法少女まどか☆マギカに登場するキュゥべえの真名であることから、このキャラクターにもつけられる……というかほぼ彼専用のタグと化してしまった。
その場合の短縮表記は淫Qβ。
ちなみに動詞incubateは、後期ラテン語のincubātuに由来する。
つまりインキュバス[incubus]と同語源であり、響きが似ているのは必然。
彼の特性から孵卵器としての意味合いが高いが、ダブルミーニングという捉え方もできなくもない。
ソウルジェムのグリーフシード化(1.)、魔法少女の勧誘(2.)、その裏の思惑(語源)。
どこを切り取っても彼はインキュベーターであった。
目的
高度な文明を持つ地球外知性体である彼ら(インキュベーターという種族なのか、あるいは役職の通称なのかは不明)は宇宙のエントロピー(エネルギー保存の法則で宇宙のエネルギー総量は循環して保たれているわけではなく、常に消費され減っているという理論)に基づき、いずれ枯渇して消滅するだろう宇宙を延命する方策を探していた。
そこで彼らは魂のエネルギー(感情などの強い想い)を他のエネルギーに変換する技術を開発していた。だが、彼ら自体は肝心な感情を持ち合わせていなかったため、宇宙中から強い魂のエネルギーを有する生物を探していた。
そして白羽の矢が立ったのが地球に生息する人類、特に多感な第二次性徴前の少女だった。
彼女たちの魂を加工したソウルジェムは希望から絶望に魂のエネルギーベクトルが反転する時、莫大なエネルギーを発すると共に砕け、グリーフシードへと変質する特性を有する。彼らはその莫大なエネルギーを抽出して宇宙へと補充するために、少女たちを魔法少女にし、そして魔女へと変えていたのだ。
一方人類が少なからず犠牲になることに関しては、そもそも個として意識が希薄で無感情なことから「将来人類が宇宙進出し、我々の仲間入りをするための前払い」と考えており、人類の繁殖力から多少の犠牲は問題にすらならないと考えている。つまり宇宙を救うためなら辺境惑星の現住生物である少女たちがどうなろうと知った事ではないし、宇宙的に見ればあくまでも正義なので、自分たちを憎悪する人間の事は理解できないらしい。
「この宇宙の為に死んでくれる気になったなら、いつでも声を掛けてくれ」と鹿目まどかに対し言っていたように、彼らにとっては『契約する=宇宙の為に死ぬ気になった』という事なのだろう。
ちなみに宇宙のエントロピーには彼らのような地球外知生体の文明による消費が少なからず関わっていることが仄めかされている。つまりは彼らのツケを何も知らない地球人に払わせようとも見受けられる。またキュゥベえの話からは、地球人が外宇宙に進出するころには宇宙が枯渇している状態になると考えるほど、危機的状況であるらしい。ただし、それが何千年、何万年後の未来を想定しているのかは不明だが。
産業廃棄物とも言える魔女への対処だが、
魔女の増殖→魔法少女の勧誘→魔(法少)女化→新たな少女の勧誘、と
核増殖炉のように増やし続けるのだろう。
ところが魔法少女では対処しきれないクラスの個体に対しては外宇宙に干渉できないことから*****地球ごと放置し、地球内で解決させる*****という無責任にも程があるものであった。
彼らにとって地球の少女とは、『宇宙を維持するための燃料』でしか無いに違いない。
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尚、クリーチャーのネーミングとしてはコナミの某名作ホラーゲームのラスボスが先であるが、その目的も「神(邪神)を孵化させる事」だったりする。
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余談ながら、2月27日付で公開されたAdobe FLASH Player/AIR の開発版名称も「Incubator」であった。
よりにもよってこのタイミングなので考えることは皆同じだったとさ。
Adobe南無。