山地乳

やまちち

山地乳とは奥州に多い人の寝息を吸う妖怪。

概要

『絵本百物語』に掲載されている妖怪で、尖った口先を持つ猿のような姿で、寝ている人の息を吸う。寝息を吸われたものは次の日に死んでしまうが、その様子を他の人に見られていると寿命は延びるという。

蝙蝠が歳を取ると野衾になり、さらに歳を取り深山にすむものがこの妖怪であるともいわれる。

別名を「さとりかい」ともいい、山地乳とは覚のことでもあるともいわれている。

初出は日本の妖怪が多く出演した『デビルサマナー』。”妖鳥”ヤマチチ名義でコウモリの翼をもつ怪しい男姿で登場した。金子一馬氏によると『仮面ライダー』の蝙蝠男人間態がモデルであるという。

天才的な気功師が、他人の気を吸うことで自らを強力な存在にできることに気付き、化けた妖怪として登場した。

「山地乳」。京極夏彦による江戸時代の怪事件を扱った小説。

みなぎ得一作の『足洗邸の住人たち。』と同一世界の漫画。山の怪をテーマとしている。

吉沢緑時作のギャグ漫画（→やまちち）と、佐々木彩乃作のホラー漫画がある。